サトル君から紹介された病院は、病院というより、療養所に近い感じだった。海が見晴らせる場所にあり、病室の窓からも一望できる。静かな真冬の海を眺めながら、時を刻んでいる。近くには展望台もあり、今度行ってみたい気持ちにもなっている。
私の周りには、看護師が何人もついていて、身の回りの世話をしてくれている。けれど、私はできるだけ自分のことは自分でするようにしていたので、看護師とは軽い会話程度に留めていた。
そうちゃんとアンナの家をでて、良かったとも思っている。決してパーティーでの件で家を離れたわけではなく、元々あの家にいること自体、間違っていたようにも感じる。いくら親しかったとは言え、他人でもある私を、記憶のない私を、家に迎え入れてくれたことに、少々気が引けていたこともあった。ただ、そうちゃんやアンナの好意には、感謝しても感謝し切れないでいる。
「恋敵=その後+416」―私―