密室から黒猫を取り出す方法 | soralibro

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通勤時の読書の備忘録です。

この頃初読みの作家さんが多い。
推理トリックに定評がある作家さんという紹介どおりの作品でした。
北山猛邦「密室から黒猫を取り出す方法」

ミステリ作家白瀬白夜が開設した探偵事務所には名探偵音野順が住み着いている。気弱で引きこもりの音野は白瀬に連れられて数々の事件を解決していく。
シリーズ第2弾ということですが気にせず楽しく読めました。
表題にもなっている1編目は、密室殺人を仕組みドアを閉めた瞬間に黒猫が密室に入り込んでしまったが、開けてみると猫はいなかった。どうやって猫は密室から脱出したのか。猫探しを依頼された音野が密室トリックと猫脱出方法を同時に解決します。アイデアがとてもおもしろい。
2編目は殺人がおこった別荘で、人間がテレビに喰われるのをみた、という証言がでてくる。被害者の不自然な状態とテレビの謎を解き犯人を見つける。ブラウン管テレビがでてきたので、いつの話?とちょっとビックリして後書きをみると2009年の作品でした。まだアナログ放送だった頃、なつかしい。調べると2011年がアナログ放送終了でした。テレビは薄型液晶に変わっていましたがブラウン管テレビもまだ映っていた頃。結構古い小説だった。文庫化されたのが10年以上たってから、というのもちょっとビックリです。古さは全く感じられません。
その他の短編もそれぞれ凝っていました。ちょっとシュールな話もあります。小学生には重すぎるのでは?とか、ちょっと時間がかかりすぎるのでは?と思うトリックもありますが、まあご愛嬌。
面白いトリック推理小説でした。