ひきつづき、クラウドファンディングの話。

(これは子どもが不登校になる前の話なのだけど、このときの経験が、子どもが不登校になってからの自分の行動に大きく影響していると感じるので、書いています。一見、不登校とは関係ないように感じるかもしれませんが、あとでつながってきます。)
 
 
2015年12月4日(金)
その日の夕方、保育園で有志による「資金集め作戦会議」が開かれた。
その時点での支援総額は約390万円、達成率55%。
プロジェクト成立のためには、残り24日間で320万円を集める必要があった。
 
クラウドファンディングは、しめきり間近に一気に支援金が増えることがあるが、それにしても残り金額が多く、残り期間で目標達成できるのか微妙な印象だった。
 
マスコミによびかける、仙台市内の開業医にかたっぱしから支援をお願いする手紙を送る、などなど、ラストスパートの広報活動についてアイディアを出しあった。
 
一方、プロジェクトが残念ながら達成できなかった場合の次の手についても話し合った。
どちらかというと、そちらのほうに、より多く時間は割かれたかな。
 
その場にいた人々の多くは、「プロジェクトはたぶん成立しないけれど、次の手でなんとか乗り切ろう!」というモードだった。
 
わたし自身も、「無理かもしれない」という思いは大きかったと思う。
でも、それでも、プロジェクト終了の日まで、とにかく全力を尽くすことだけは心に決めていた。
最後の最後まで、あきらめない。
そうすれば、たとえプロジェクトとしては不成立に終わっても、何か道は開けるはずだと信じていた。
 
同じその日の夜、Readyforの担当者から電話が入った。
「今日のメルマガに、保育園のプロジェクトが掲載されます。メルマガに掲載されれば、もう少し支援が伸びるかもしれません。」
 
その連絡を受けて、わたしが書いた新着情報がこちら。
 
「一口園長」というのは1万円以上支援してくださった方へのリターンだったのだけど、要は「あと317万円ほしいです」という意味。笑
でも、「あと317万円も足りない」という感じではなく、もっと前向きに「あとたった317万円で目標達成だぞ!もう少しで成立できるぞ!」と盛り上げたい気持ちでつけたタイトルだった。
 
『プロジェクト成立!』と言い切ることで、ほんとにプロジェクトが成立しちゃう気に自分自身もなってきた。
 
その日の夜8時に、メルマガが配信された。
 
メルマガは、過去にプロジェクトを支援した方など、Readyforに登録しているみなさまに届けられる。
一般の人以上に、クラウドファンディングに関心をもっている人々が読むことになるので、その方々の目に止まれば、支援してもらえる可能性が高まる。
 
その日配信されたメルマガのタイトルは、『「大好きな保育園を失いたくない!」仙台の保育園、存続の危機。』。
メルマガでは他にもいくつかのプロジェクトが紹介されていたが、タイトルを飾ったのがなんとわたしたちの保育園のプロジェクトだった。
 
このメルマガ配信をきっかけに奇跡がはじまる。
 
(次回へつづく)