2013年6月6日に、わたしは無事に次男を出産し、3児の母となった。

わたしは長女と次男を助産院で出産しているのだけど、助産院での快適な5日間の入院生活を終え、自宅にもどった。

 

細かい日付は忘れたが、次男を出産して一週間くらいのころ、同じ非常勤職員の同僚からメールが来た。

わたしが勤めている職場で、異例の正職員募集が出たという話だった。

 

わたしの職場では、通常は30歳の年齢制限がある「国立大学法人等職員採用試験」という採用試験と、35歳の年齢制限がある社会人対象の事務職員採用試験がある。

わたしはその時点で36歳だったので、残念ながらすでに年齢オーバーだった。

 

また、非常勤職員を対象とした「登用試験」と呼ばれる事務職員・図書職員向けの採用試験もあるのだけど、これまた非常に狭き門で、毎年採用者が1名もしくは0名というもの。

実はわたしは、次男出産前の産休中に、この「登用試験」というやつも受けていたのだが、残念ながら一次試験で落ちてしまっていた。

 

ところが、その年はそれに加えて、施設系技術職員の臨時募集が出たのだ。

応募要件は、建築部門に関しては「一級建築士または二級建築士資格保持者」かつ「建築に関する実務10年以上」というものだった。

 

同僚は課長から直接話をされ、「採用を約束はできないが、挑戦してみないか。」と言われたらしい。

わたしには直接お声はかからなかったのだが、「あいぽんさんも応募要件はクリアしているし、ホームページやハローワークにも出ている情報だから、応募してみたらどうか。」と同僚に言われた。

 

翌日、採用担当のところに電話をして、情報を見つけて自分も応募してみたいのだがよいか聞いてみたところ、「応募するのは自由だよ」と言われたので応募することにした。

 

まだ床上げ前という時期だったが、コンビニで履歴書を購入し、必要書類を準備し、証明写真を撮って、すぐに書類を送った。

 

一週間後くらいに電話が来て、書類選考に通ったので面接に来てほしいと連絡があった。

 

そしてわたしは面接に行ったのだが、そのときなんと産後1か月!

まだ体型が戻っておらず、ズボンのウエストがしまらないのをベルトでなんとか押さえ、上着で隠して面接にのぞんだのだった。笑

 

結構な応募者がいたらしいのだが、情報を提供してくれた同僚と私の二人とも無事採用となった。

 

これはあとから当時の課長にされた話だが、

「通常だったら採用するくらい魅力的な人材が他にもいたが、あいぽんさんほど『わたしはこの職場で働きたいんだ。』という思いの人はいなかった。あの思いには、どうしたって誰もかなわないよ。」

と言われた。

 

こうしてわたしは、37歳、3人の子持ちにして、今の職場に晴れて正職員として採用となったのだった。
 
(次回へつづく)

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