晴れ

 
막공(千秋楽)かと思わせられたケミでした!!
 

あじさい알앤제이(R&J)

 

学生1:정휘(チョン・フィ)

学生2:김기택(キム・ギテク)

学生3:오정택(オ・ジョンテク)

学生4:홍준기(ホン・ジュンギ)

 

素晴らしかった。

とにかく素晴らしかった。

どこを切り取っても素晴らしかったです。

 

この演劇のオープニングは4人揃っての行進から始まるのですが

 

(初演プレスコールより)

 

その足音の揃い方、勢いが伝わってきた開始5秒で「この回めっちゃいい!!」と直感が働いた回でした。そしてその期待は最後まで裏切られず。観劇後、友だちと大興奮の状態のまま「何これ何これ!」と大騒ぎしながらカフェに行きました笑。

 

今季のキャスト発表前に最初のティーザー映像が出た時、多くの人が「휘は学生2だよね」て思ったようです(私もその一人)。しかし、1が余りにも似合いすぎる!1にキャスティングした方、まじで天才。会社はボーナス差し上げてくださいwww

というわけで、素晴らしさが伝わるようなレポを書きたいところです・・!

 

学生1:정휘(チョンフィ)

オープニングから続く最初のソロの台詞である

「내 사랑에게」

(愛しい人へ)

たった一言なんですが、この台詞の声の静かさ、落ち着きぶりが初演から今まで観た学生1の中で一番しっくり来て、思わず内心ガッツポーズしましたわたくしwwwまさに「それが聴きたかった!」という台詞回しで、そこから続く台詞に伴い、内に秘められた情熱が段々と抑えきれられなくなって外に湧き出てくる様子が、たった1,2分程度の短さなんですが、その短い時間の中に変化を表現できていたのはちょっと脱帽しました。初演からの学生1を通して彼オリジナルの仕草も織り込まれていて、舞台開始3分で「うまいな〜!!!」ってなりました笑。こういう細かい点を書き始めるとフィさんはキリがない笑。

この演劇で役者に割と自由な演技が許されるのが、ロミオ(学生1)がロレンス神父(学生3)のところへジュリエットとの結婚を手助けしてもらおうと訪れるシーンなんですが(こちら参照)、ロミオはその前日にジュリエットと出会い有頂天なわけです。その勢いでロレンス神父のところに来たフィロミオ

「좋은 아침이예요 신부님!! 」

(おはようございます、神父様)

の台詞に引き続き(台本としてはこの台詞だけ)、右手でガッツポーズしながら「ヒュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」と異常なテンションの高さを見せるもんだから会場大爆笑wそして相手のアドリブを広いまくれるジョンテク神父も、意味も分からずに「ヒュ〜〜〜〜〜〜!!!」て返すもんだからもう客席も笑いを我慢できず笑。しかし神父から初めは結婚に反対され拗ねたフィロミオ、神父に背中を向けてしゃがみ込み(いわゆるヤンキー座りw)、神父から「まあ、とにかく」って宥められても足で後ろにいる神父を蹴る動作をするなど、こんなディテールの効いた学生1ほんと初めてでしたw

2幕でジュリエットが死んだと勘違いしたロミオが毒薬を飲むシーン。

ここ、実は再演の時にちょっとした事故が起きちゃったシーンなんです。

赤い布を学生3(右側)と4(左側)がロミオを挟んで持つんですけど、この布をロミオの後ろにいる学生3が引っ張るんです。そしてロミオはその布が自分の手をすり抜けないぎりぎりのところでぐっと掴んで止めることにより毒を飲まなきゃいけないんですけど、ロミオの手をすり抜けちゃったんですよね笑。それからというもの、このシーンの勢いが若干トーンダウンしちゃった感じがするのですが、この二人(フィさんとジョンテクさん)はそんなことに臆することもなくめっちゃ勢いあるロミオの死を見せてくれました。一瞬にして恋に燃え上がった人間だからこそ、愛する人の後を追うと決めた時も潔く一気に毒を服する姿は説得力のあるものでした。

 

 

学生2:김기택(キムギテク)

フィさんの優しい雰囲気とギテクさんのおっとりした雰囲気が最高にいいケミをもたらしてくれました。もうそれだけでも満足。このペアによる舞踏会と結婚式は何を差し置いても観ていただきたいシーンです(プレスコお願い・・・)

特にギテクさんの見応えが出てくるのが2幕なのですが、ロレンス神父(学生3)のところにロミオ(学生1)を探しにやってきた乳母(学生4)が、ロミオに対して「(ジュリエットお嬢様は)ずっと泣いてますよ!ロミオ、ロミオ、ロミオって!」と悲しみをぶつけるシーンがあります。ここ、学生2は舞台上手側の昇降舞台に腰掛けているのみ(ジュリエットの寝室という設定)で特に台詞等はないのですが、乳母のこの台詞の時、ギテクさんは膝に顔を埋めてめっちゃ泣くんです。空間が異なる設定でもそうやって物語をリンクさせることができるギテクさん、さすが信頼できる中央大演劇科出身w(ということでまさかと思い調べたら、やはりアナカン出てましたね笑。観てましたねわたくし)

学生2には最後にとても重要なシーンがありまして、それは、ロミオとジュリエットの物語が終わって学生1以外の3人が現実に戻ろうとするところを学生1が必死で引き止めるシーン。そんな学生1に対して学生2が静かに歩み寄り

「만약에 네 기분을 상하게 했다면 이렇게 생각해...어떤 환상이 보이는 동안 참들었던 거라고 그럼 괜찮을거야.그리고 끝을 내지 않았다고 해서 꿈처럼 헛된 일이라고 절망하진 마.」

(もしきみの気持ちを傷つけたのなら、こういうふうに考えて。ある幻想が見えていた間、それは本当だったんだと。そう思えば大丈夫だ。そして終わらなかったからと言って夢のように無駄なことだったとは絶望するな。)

と声をかけるのですが、この時のギテクさんの涙を見てると、自分たちにとって戻る場所があるということは、必ずしも幸せなことじゃないのかもしれないって思わせられたんです。人間って自分が戻る場所があることによって得られる安心感があるじゃないですか。でもそこへ戻ることにより手放さなければならないものがある。それがまさにこの4人で共有したこの瞬間だとしたら、学生2はこの台詞を本心から言ったのではなくて友人として言わざるを得なかった、そんなふうに見えて私もギテクさんにつられてめっちゃ泣きました。。

ギテクさん、個人的にめちゃくちゃオススメしたい学生2です。

 

 

学生3:오정택(オジョンテク)

お待ちかねの笑!うりジョンテク氏です笑!!

この演劇における学生3と4の最初の難関は、ジュリエット(学生2)にドレスを着せるシーンです。

 

(初演プレスコより。1分36秒〜参照)

 

このシーンは本当に事故(!)の多いシーンなのですが、この回も見事に事故がおきました。赤い布がジュリエットの頭まで本当にきれいにすっぽりと覆ってしまい、どうやってもジュリエットの顔が布から出てこない笑。普段であればきれいにドレスを着せられたことでキャピュレット夫人(学生3)と乳母(学生4)は拍手をして喜ぶのですが、なかなかジュリエットの顔が出せないので喜びもできずww結局ドレスからジュリエットの顔が出てこないまま乳母(学生4)が無理やり仕上げたような形にして拍手しようとすると、その失敗具合に隣で泣き出すジョンテクキャピュレット夫人wwwこの時、私は舞台席だったのですが、ドレスにすっぽり包まれたジュリエット(学生2)を真正面から観ることになったのもあって、もうお腹よじれるかと思いました笑。事故はこれまでたくさん観てきましたが、泣くキャピュレット夫人は初めてだったのでw

今回の四演における演出の変更点をここで書きましたが、実は気になっている点がもう一つ。ただ、再演までがどうだったのか記憶があやふやなので、変更点なのか正直断言できないんです・・・。

2幕で伯爵との結婚を拒否するジュリエット(学生2)が折檻されるシーン。ジュリエット(学生2)を叩くのは学生3と4なのですが、学生3だけ「平手」ではなく「拳」で殴るんです。一度だけ。私の記憶ではずっと平手で叩いていたような気がするので、「拳」で殴る演出に変更したのだとすると、これは学生3自身も気づいていなかった自身の内面に潜む暴力性を見事に表現したのだと思います。他人に向かって椅子を持ち上げてしまうほど怒りで自身をコントロールできなくなる学生3が、学生1にその行動をとめられた瞬間我に返り自分のしようとしたことに愕然とする姿は、人間(自分自身)の新たな一面と向き合った学生そのものの姿であり、この作品のテーマになります。ちょっと鳥肌立ちました。

 

 

学生4:홍준기(ホンジュンギ)

おっとり感のあるギテクジュリエットにいつも真摯に歩み寄るジュンギ乳母の優しさがこれまたとても良くて、観ている自分のほうが心温かくなったような感覚でした。前にも書きましたが、今季の学生4は本当に泣き虫で人間としての優しさが体中から溢れ出てるんです。それは劇中劇でもそうだし、ラストシーンで物語が終わり泣き喚く学生1に対して最初に手を差し伸べる姿もそうだし、学生4を観ていると知らないうちに自分まで泣かされているような状況に笑。ロミオとジュリエットの物語においてはもちろん主人公はこの二人なんですけど、この演劇では学生3と4の存在が超重要でして、演劇としての完成度はこの二人にかかってると言っても過言じゃないです(プレッシャーw)。

実はこの四演を初めて観た時、少し、少しだけ初演と再演の亡霊が私の脳内をよぎったんですが(本当に好きだったので・・)、その亡霊を取り払ってくれたのが今回のジュンギ学生4とジョンテク学生3のペアだったのです。ありがとう。

そう言えば再演時、2幕冒頭で学生4が「ロミオとジュリエット」の本を「朗読」して「死んだんですよ・・(ティボルトが)死んだんですよ・・・」というシーン。再演時は「学生による朗読」だったのが、今回は「乳母(学生4)による台詞」の言い方に変わりました。1幕からの繋がりを考えるとこれもいいかもしれませんね。その後、泣き喚くジュリエット(学生2)をなだめる乳母(学生4)は、多分今シーズンが一番優しいです。特にジュンギさんの優しさは劇場で観ていただきたいもの。

どの学生もそうなんですが、初演から三演まで本当に素晴らしい役者さんたちが多く務められて、今回キャスティングされた方たちにはかなりのプレッシャーがあるかと思うのですが、ジュンギさんの役作りは特に、これまでのものを参考にしながらも彼自身の個性を見事に融合させたなあという点で非常に気に入っています。

 

 

という、書きたいこと山盛りの回でした笑!