ダムが決壊したように。 | On the White Line.

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リハビリ中WWA作成者の日記。映像は引退。

今日、友人と帰ってるときに思いつきました。

ちょいと時間も時間なので、ところどころ切るかもしれません。

何って?小説。

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SUG スッグ


SUG・・・Super Ura Gate。


あの学校は昔からある。記憶によればきっと今年で80周年だったか。

そのゲート―門―は、部活の先輩から語り継がれている。

通称、「SUG」。


学校の昇降口―特に高学年―は正門から遠くにあり、その遠回りは億劫になる。


7時36分


「それじゃあ、サヨナラ号として。全員賛成。満場一致。」

「悲しいな。だからってとっておく必要もないんだけどよ。」

「いつ来るんだっけ?」

「今日の10時くらいに業者が来るらしいよ。」
「先生何にも言ってなかったじゃない。」

「生徒が騒ぎ立てるからだろ?俺ら、大変なんだから。はぁ。」

「サヨナラ号、なんだけど、ネタって、アレだよね?取材とかしないの?今のうち、写真とっておけば?」

「写真ねぇ。取材先は確保してあるんだけど。」

「取材先?」

「そう。OBの先輩なんだけど。まんざらウワサでもないからね。「SUG」。」

「いつ、来るわけ?そのOB?」

「今日」



某県 某学校 7時45分


周りを森林で囲まれたこの学校は、いくつものウワサがある。

80年もたてばそんなのは普通なことなのだけれど。

例えば、

8時に裏のに行けば飛び降り自殺した霊が出てくる。だとか、

4階のトイレの4番目に太郎さんがいる。だとか・・・

考え出したものは皆、そういうレベルだ。

ありがちのほか何も無い。

相手にする者はほとんどいない。知っている人のほうが少ない。

だけど、このウワサだけは。


7時50分


失敗した。

生活指導の先生に怒られる。

普通に行けば15分かかる。

無理だ。

こちとら受験だ。一回の遅刻が命取りになる。

そう兄貴は言ってた。

それなのに、宿題はそう簡単には解けてくれなかった・・・


学校を囲む森の周り。とりあえず舗装はしてあるが狭い道。

春よりかは雑草も生えてきた。

天気は曇りでジメジメしている。

もうすぐ梅雨。


家から学校まで25分かかる。

朝起きたのがものすごい時間で、朝メシも食わず、ずっと走っている。

いやな暑さ。

止まったらそこで遅刻。

でも、体育の時間みたいに長くは走れない。

5教科の教科書・ノートが入っているカバンは重く、走っているせいで、足と靴の摩擦が熱い。


すぐヨコには壁のような大きな森。すこし高台。

その森を突っ切ったらすぐ昇降口だろう。

よく見れば、そこだけ雑草が生えていない。獣道。か。

短縮で5、6分。今、その5、6分さえあれば・・・ごまかす事は・・・可能か?

・・・上れない角度ではない。

ここに獣道があるということは、昔の先輩も、俺のようなシチュエーションで通っていったのだろう。

そんな先輩の話は聞いたことが無いが。

森へのちょっとした坂に足をかけ、上っていく。

木の根が階段のようになっていて、とても上りやすい。


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続く。続いてみせる。