新幹線を降りて改札口へ急ぐ
誰かが泣いてる
小さい女の子
泣き叫んでる
尋常じゃない泣き方
改札を出るすんでのところで足を止めた
おばあちゃんとはぐれてしまったよう
お名前言える?
しゃくりあげながら
○○みさき
みさきちゃん
よく言えた
大丈夫だよ
手をつなぐ
小さな手
しっかりつなぐ
駅員さんに相談しようとしていたら
遠くのほうから声がする
「みさきちゃん!」
おばあちゃんが慌ててみえた
みさきちゃん、走っていく
おばあちゃんの元へ
よかったーー
ほんとによかった
つないだ小さな手の感触
思い出す
娘たちが小さかった頃
思い出す
手をつないで歩く幸せ
全力で守る存在があること
無条件に求められる歓び
いつまでこうして手をつなげるのかしら
このまま大きくならないで、なんて
冗談めかして言ってたなぁ
懐かしい情景が思い浮かぶ
小さな手はアンカーだった
大変な毎日が永遠に続くように思ってた子育ての頃
その中で至福の瞬間がいくつあっただろう
ほんとうに
生まれてきてくれて
ありがとう
あふれる
言葉にならない想い
みさきちゃん
思い出したよ
アンカーのスイッチ押してくれて
ありがとう