Festina Lente.
Festina Lente。 これはラテン語で、「ゆっくり急げ」という意味ですが、この言葉は、昨日書いた大江健三郎さんの『晩年様式集』の最終部分に、大江さんの師匠である東京大学名誉教授、フランス文学者の渡辺一夫先生(小説内では六隅先生)の言葉として書かれています。 『晩年様式集』は大江さんのいわば総決算的な小説なので、大江さんのこれまでの小説にもたびたび登場してきた、息子さんで音楽家の大江光さん、その妹さん、奥様、実妹さん、愛媛 松山東高校の同級生であった映画監督の伊丹十三さん(妹さんが大江さんの奥様)、作曲家の武満徹さん、そして渡辺一夫先生が名前を変えて登場します。 話を元に戻すと、Festina Lente、実にいい言葉ですよね。 ただこの言葉の深い意味を理解できるのは、「終り」を本当に理解した大人だけかもしれませんね。そして大人とは、「終わり」が「始まり」であることに、最後 の希望を託している人、と言えるかもしれません。