第1章 5 仏教の概要 b
承前。 日本だけではなく、世界中にはもっとたくさんの仏教宗派があります。 仏教の開祖であるゴータマ・ブッダ自身(=釈迦、『尊称』を付けて釈尊)が活動したのは、紀元前500年前後(同じ頃、中国では孔子や老子が活動)のネパール南部(彼が生まれたのはこの地域にある街、ルンビニ)およびインド北部だけですが、彼の入滅後(死亡後)には、その弟子や信者達によって仏教はインドとネパールから世界中にもたらされました(各地域に伝来しました)。 その伝来先は、インド中央部から見た東部にあたる中国や日本だけではなく、北部のネパール、チベット、南部のスリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナムなどに拡がりました。そしてやがてそれらのアジア地域から、ヨーロッパ各地やUSAなど世界各地に仏教は伝来しました。 その流れの中で日本に仏教が伝来したのは、ブッダの活動から約1000年後の紀元後538年、あるいは552年と言われています。 日本だけではなく、ゴータマ・ブッダの教えである初期仏教が長い時間をかけて世界中に伝来し、それぞれの伝来先で、そこにある古来からの宗教や慣習などと融合し様々に変容した結果、仏教の宗派数は世界中で計測不能なほどに増殖しました(これはキリスト教、イスラーム教などでも同じです)。 そのように多くの宗派数がある仏教の中で、私達日本人に馴染み深い仏教は「北伝仏教」と称される「大乗仏教」なのですが、それは初期仏教の教えを基軸とする「南伝仏教」と言われる「テーラワーダ仏教」(上座部仏教)、そしてネパールやチベットに伝わった真言密教系の仏教などとは、仏教用語の解釈、重視する経典、真言(マントラ)、念仏などがすこしづつ異なります。