編集部(以下、編):先生、前からちょっと気になっていたんですけど…
損小神無恒(以下、損):何かね。
編:なぜ、クルマ好きはこぞってマツダ・ロードスターを褒めちぎるのでしょうか。
損:それは、ロードスターが世界で一番平和で、友好的なスポゥツカーだからである。
編:スピンして側壁に激突という大惨事に遭ってもですか?
損:どんなにおとなしい犬でも、一度や二度は飼い主を噛むことだってあるだろう。
編:それじゃ、ロードスターは犬ですか!
損:ユーノスなんか柴犬みたいで可愛かろうて。
編:何か芸でも仕込みました?
損:もちろんである。お手でもちんちんでも自由自在だ。
編:先生は大好きですもんね。ちんちんにお手。
損:むろん、女王様に限るがな。
●巨匠、ロードスターが大好き。
編:さて気を取り直して、ロードスターに大きな改良が施されました。
損:世界一の傑作である。これはどうやったって世界一には変わりない。
編:まずエンジンが静かになりましたね!それからハンドルを切った感じがすごく滑らか!
損:左様だ。
編:でもこれって、スポーツカーらしさが薄まってません?
損:コーナァリングを試した。クラッチは軽く、シフトも軽い。わが妙子と比べると幾分吹け上りが遅れる。回頭性もRX-8には及ばない。これは、ユーノスで得た印象と酷似しておる。
編:おおっ!それで?
損:ただしブレーキングからコーナァリングに至るまで不安定が無い。もっと飛ばしたい衝動に駆られたが、隣にセールスが居たので出来なかった。
編:そうですねえ…。ユーノスはもちろんですが、改良前と比べても全体的に余裕が増した気がしますよね。乗用車みたいな進化!
損:『いつまでも あると思うな 親と金』とロードスターだ。
編:けれど試乗車の「S-スペシャルパッケージ」は1020kgですから+10キロの増量。もっとも軽い「S」に限っては+20キロ!ついに1トン超えちゃいました!
損:私だって正月から4キロ増えた。
編:しかも値上げ!改良前から20万円近く上がってます!
損:いまどき輸入車は100万もザラである。
編:『損さんが待てというから買わなかったのに、こんなに値上げするとは…。990S買っておくべきでした』読者から後悔の念が届いています。
損:「990S」もいつかは無くなる宿命だった。こういう輩は、いつまでもポテトチップが70gあると信じ込んでいるんだ。
編:先生の世間知らず!ポテトチップスはとっくの昔に70g切ってます!
損:そうなの?
●巨匠、俗世間からの解脱。
編:…もういいです。いつも先生はロードスター贔屓ですけど、いったいロードスターの何がそこまで?
損:それは乗ればわかる。乗らなきゃわかんないのだ。言葉では説明できん。
編:それでも評論家ですか!いつも無責任なんだから!
損:「とかくこの世は無責任」だ。「コツコツやる奴ぁご苦労さん」である。
編:「楽して儲けるスタイル」ですね。ところで先生、最近締め切り守ってると思ったら、長年勤めた会社をお辞めになったとかで。
損:「サラリーマンは気楽な稼業」でも何でもなかった。
編:「チョッコラチョイとパア」になっちゃったんですね。
損:そう、「これが男の生きる道」だ。
編:退職金ゼロで生活苦でもですか?
損:虚しくなるからもうやめよう。
編:まあまあ…。ロードスターは最高!軽い!安い!旨い!自動車界最高の芸術です!アッパレ!万歳
損:同情するのはやめろ。同情するならカネをくれ。
編:なんですかもう!しみったれちゃって…
小林彰蒲焼太郎(以下、小):…やれやれ。いけませんねえ君。
損:…蒲さん!
黒沢元々治(以下、黒):結論といこう。損さんには無職がよく似合う。
損:…ガンガンさん!!
ポール・プレール(以下、ポール):感謝せい。みんなで退職祝いに来てやったんや。
損:…プレール!!!
編:わっ!すごい!マツダ評論界の重鎮が勢ぞろいだ!
損:名付けてMAZDA評論ビッグスリー。言うまでもなく、さんまがプレールである。
編:丁度良かった。皆で寄ってたかって改良型ロードスターを評価してくださいよ。
ポール:よっしゃやるでえ!
黒:ボクでいいならいくらでも。
小:少し言い回しが気になりますが、まあいいでしょう。
損:可哀そうに。ジジイ共の好奇の目に晒されてロードスターよ。
編:ヤッター!!巨匠たちはいったいどんな評価なんだろう。ワクワクします!