CX-8生産終了 「ちょうどいい高級だった」 | 損小神無恒の間違いだらけのMAZDA選び

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巨匠、損小神無恒が走る白物家電を断罪する!

昨年の暮れ、生産を終了したCX-8。

 

クロスオーヴァSUVとはいえ、3列目の居住性が高く、ヒンジドアである点や高い地上高ゆえ乗り込みが難儀である点を除けば、ほとんどミニヴァン並みの使い勝手である。縦4.9m×横1.84mの巨漢ボディ、さらに5.8mの最小回転半径はけして小さくはないが、前方の視野が開けているためか、意外にも大きさが気にならない。

 

ミニヴァンを諦めたMAZDAが、その場しのぎの口実で突貫工事したクルマだと思い込んでいたが、どっこい良く出来たクルマだった。

 

2018年以降、国内の年間販売台数は1万台を割ることが無かった。クロスオーヴァSUVの台頭を見越したMAZDAは偉いが、単純にCX-8の出来が良かったのもあろう。

 

特別仕様車「Exclusive Mode」は、MAZDAらしいバタ臭さと、魂動MAZDAの勢いを感じさせる仕様であった。

 

クロームメッキのフロント&サイドガーニッシュとガンメタ塗装のメッシュグリル、そして新色のプラチナクォーツメタリックがいかにも欧州調のエレガンスを醸していたものである。ナッパレザーのセカンドシィトがボタン一つで前傾する様に、あァ、MAZDAはプレミアム・カーの領域に足を踏み入れたのだなあと、いたく感心したものだ。

 

やはりCX-8はMAZDAの旗艦車種として、CX-5よりも一つ上の高級を目指していたのだろう。ならば、バトンを渡すであろうCX-80は、いったいいか程の高級であろうか。MAZDAは着実に高付加価値なクルマづくりを進めている。

 

どうもCX-80は、庶民の手から離れるような気がしてならない。CX-8は、その過渡期にあるクルマなのだ。使い出の良い庶民派MAZDAとセレブリティな魂動MAZDAが、いい感じにカフェオーレされておる。

 

昨年になってCX-8の販売台数が急増したと聞く。どうやら駆け込み需要は相当のようだ。CX-8からCX-8への乗り換えというのも多かろう。こうした固定客を取り込めるか否か。いやはやCX-80、大変な門出となりそうですな。