月の砂漠 | 林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

作家の林瀬那です。

私が
描いた物語を載せてます。

本棚から本を手にするように
自由に読んで下さい。

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すごく嬉しいです。

 

 

 


 

なんで

私は

月の砂漠だったんだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは

作家の林瀬那です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前

ピアニストの

辻井伸行さんの

クラッシックコンサートに行った時

 

 

広い舞台の上で

たった1人で

グランドピアノを弾いている

辻井さんを観ていたら

 

 

 

 

どうしてなのか

子供の頃

持っていた

オルゴールのことを

思い出しました

 

 

 

 

 

 

今宵は

中秋の名月で

満月がとても綺麗で

 

なぜか

その時のことを

また思い出したので

 

 

 

今回は

そのお話しです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は

子供の頃

オルゴールを

プレゼントしてもらいました

 

 

私が

まだ小学校低学年ぐらいの年齢で

 

その頃

時代は

まだ

昭和でしたので

 

 

オルゴールは

けっこう珍しくて

 

 

観光地に

オルゴール館とかもなくて

 

そんなに気軽に

オルゴールって

売ってなかったんです

 

 

 

 

 

 

 

なんで

もらったのか

思い出せないのですが

 

祖父母からか

両親からなのか

どなた知り合いの方からなのか

 

とにかく

誰か

大人から貰いました

 

 

 

 

 

 

姉のオルゴールは

ピンクと薄紫の

プラスチック製のもので

 

蓋を開けると

華やかで明るい

かわいらしい音楽と共に

 

お人形さんが

くるくると踊って

とても愛くるしいものでした

 

 

 

曲は

「くるみ割り人形」

だったような気がします

 

 

 

 

 

姉のオルゴールを

見た後に

 

私は

私のもらった箱を開けて

 

ワクワクしながら

中を見ました

 

 

 

 

 

 

開けた私のオルゴールは

木でできた

木目調の

ピアノの形をしたオルゴールでした

 

 

 

木の風合いを

味わう為なのか

かわいい色味は

全くなくて

 

木目調で

とにかく地味で

 

 

オルゴールの蓋を開くと

流れてきた音楽は

なんとも

哀しげな暗い曲でした

 

 

 

 

 

両親に聞くと

「月の砂漠」

という曲だと

教えてくれました

 

 

 

大人達は

こぞって

私の

「月の砂漠」が暗く流れる

木のオルゴールを

褒めていました

 

 

 

 

 

大人になった今なら

分かるんです

 

 

おそらく

木で

ピアノの形のオルゴールなんて

見たことないので

 

きっと

けっこう

お値段もそこそこした

いい物だったんだと思うんです

 

 

 

 

 

でも

でもね

 

小学校低学年の女の子に

月の砂漠は

悲しすぎるって

 

 

 

 

「荒城の月」を

学校で習った時みたいに

なんともいえない

悲しい切ない気持ちになるってば

 

 

 

赤い靴履いてた女の子

の曲みたいに

ちょっと怖いってば

 

 

 

 

 

もう

私は

なんか

悲しくて

仕方なかったんです

 

 

 

ほら

感受性が豊かだから

 

 

 

でも

楽しそうに話してくれる大人達に

遠慮して

本当のことは言えなかった

 

 

 

 

 

 

お姉ちゃんのみたいに

曲も楽しくて

かわいいのがよかった

 

 

 

 

 

 

 

それでも

オルゴールをもらったこと自体は

なんだか

嬉しくて

 

 

ことあるごとに

その

オルゴールを

ひとりで

時々開けては

楽しんで

大切にしていました

 

 

 

 

 

オルゴールを開けると

淋しげに

「月の砂漠」

が流れるんですよ

 

 

 

 

 

 

昔の

オルゴールなので

単音でね

 

マジで

哀愁ありすぎる

 

 

 

 

たまに

ひとりで

オルゴールに合わせて

歌ってみたりするんですよ

 

「つきのーさばくがー」

って

 

もう

心に闇かかえてるみたいでしょ

 

 

 

 

小学生の女の子にしちゃあ

地味で

暗すぎる遊びでしょ

 

 

 

 

 

 

 

 

改めて

「月の砂漠」の歌詞を

改めて検索してみたら

 

 

「月の砂漠 悲しい」

「月の砂漠 歌詞 怖い」

 

ってでてきました

 

だよね

ですよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人になって

姉に

その話しをしたら

 

「そんなことあったんだ?

 あんまり覚えてないけど

 

 せつなすぎるでしょ」

 

ちょっとした笑い話しとして

楽しんでもらえたので

 

まあ

よかったです

 

 

 

 

 

それに

「林瀬那さんは

   その頃から

   月に関連したことやってたんだね!

   すごいじゃん!」

とか

言われたりして

 

 

「いやいや

  たまたまでしょうよ」

 

と話したのです

 

 

 

 

 

 

 

そういえば

私の書く文章は

子供の頃の

なんだか切ない気持ちを思い出す

と言われたりします

 

 

 

もしかしたら

それは

 

子供の頃に

月の砂漠を

彷徨っていたからかもしれません

 

 

 

 

 

 

 

私の書いた物語の中で 

 

もし登場人物が

月の砂漠を彷徨ったなら

 

絶対に

すぐに助けに行こう

 

と思いながら

今回のお話しは

終わりにします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを読んでいるあなたが

もし

お子さんにプレゼントで悩んでいるなら

 

もう

絶対に

月の砂漠は

送らないであげてください

 

私が

全力で止めに行きます

 

 

 

 

 

でも

もしかしたら

数十年後に

その経験が

いい方向に生かされるかもしれません

 

もしかしたらです

 

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでくださって

ありがとうございました

 

 

あなたの大切な

人生の時間を

共有できていること

心から感謝しています

 

では

またね