私が手紙を書く理由 | 林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

作家の林瀬那です。

私が
描いた物語を載せてます。

本棚から本を手にするように
自由に読んで下さい。

よかったら
コメント欄に感想書いてくれると
すごく嬉しいです。

 

 

 

 


 

ご無沙汰しておりますが

いかがお過ごしでしょうか?

 

 

そちらは

快適ですか?

 

 

こちらは

色々ありますが

まあ元気にやってます

 

 

なかなか

お逢いできなくて

 

逢いに行けなくてすみません

 

 

状況がおさまったら

また

お伺いしたいなと思っています

 

 

 

 

 

 

最近

なぜか

あなたのことを

頻繁に思い出してしまうのは

 

 

今が

夏の季節だからなのでしょうか?

 

 


 

 

それとも

あなたが

思い出させて下さっているのでしょうか

 

 

私の記憶の断片にある

あなたという記憶を

呼び起こして下さっているのでしょうか

 

 

 

 

 

私は

細々とですが

作家として活動しています

 

 

 

 

 

 

私は

手紙を書くスタイルが好きでして

 

作品の中ではよく

なかなか逢えない友に

手紙を書くんです

 

 

 

 

自分でもどうしてなのか

よく分からないのですが

 

そういのが

好きなようです

 

 

 

 

 

 

でも

実際の私は案外

これがまた筆無精で

 

手紙を書きたいと思いつつ

時が過ぎてしまうことが

多いのです

 

 

 

 

 

 

作品では

手紙を書くのが好きなのは

どうしてなんだろうと

思った時に

 

ふと

あなたのことを

思い出しました

 

 

 

 

 

 

 

 

私は

後悔しているのかもしれません

 

あなたに

もっと手紙を書けばよかったと

 

 

 

あなたに

もっと

なにげない手紙を書けばよかったと

 

 

 

 

 

 

 

私が書いた手紙を

病室に置いて下さっていたと

 

あなたが亡くなった後に

娘さんから聞きました

 

何度も見ていたと

その話しを聞きました

 

 

 

 

 

 

とても

とても嬉しかった

 

 

 

 

 

 

そして

もっと手紙を書けばよかったなと

 

心のどこかで

思い続けているのです

 

 

 

 

あの日からずっと

私は

どうやら

後悔しているのかもしれません

 

 

 

 

 

 

 

そして

そのことを

見てみぬふりをしていました

 

 

 

 

 

 

この話しをしたら

あなたの娘さんを

苦しませてしまう気がして

なかなか人には言えません

 

言う必要は

ないんだとも思います

 

 

 

 

 

 

 

あの時

手紙を出したんだから

いいんじゃないか

 

あの手紙を

大切にしてもらえたのだから

それだけで

充分じゃないかと

 

 

 

きっと

あなたに伝えたら

そうおっしゃるんじゃないかなと思います

 

 

 

 

だからなのかは

分かりませんが

 

今日もこうして

私は

手紙を書き続けます

 

そして

これからも

作家として

手紙という形を通して

色々な作品を書いていこうと思います

 

 

 

 

そんなことを思いながら

23回忌の今年

やっと

こうして

あなた宛てのお手紙を書いてます

 

 

 

 

 

 

来世

またいつか

出逢ったら

 

私は

あなたと

とてもいいお友達になれるんじゃないかと

ずっと前から

勝手に思っているんです

 

なぜか

そんな自信があるんです

 

 

 

だから

またいつか

お逢いしたら

 

ぜひ

お友達になりましょう

 

いえ

お友達になってください

 

 

 

 

 

 

その時には

あなたの娘さんも

誘っていいですか?

 

私の母も

淋しがるかもしれないから

誘っていいですか?

 

 

そしたら

また

錦帯橋にでもみんなで行きましょう

 

 

あの日みたいに

行きましょう

 

 

 

 

きっと

空は晴れ渡って

いい日になると思います

 

 

 

 

ええ

きっと

いい日になると思います