淋しさを抱きしめて | 林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

作家の林瀬那です。

私が
描いた物語を載せてます。

本棚から本を手にするように
自由に読んで下さい。

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すごく嬉しいです。

 

 

 

 

 

去り際を

名残惜しむように

 

淋しさを

抱きしめて

 

 

 

 

 

 

今は

この哀しみを

乗り越えようだなんて

 

とても

思えないんだ

 

 

 

 

 

 

やりきれない

この想いを

 

いつか

懐かしむ日が

来たとしても

 

 

この哀しみを

ぬぐいたくもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは

本屋さんを愛しすぎた

作家の林瀬那です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しつこいですが

三省堂書店さんの神保町本店が

本日2022年5月8日をもちまして

改装の為

閉店致しました

 

 

 

 

 

 

「今は

悔いのないように

この気持ちを

味わい尽くせ私」

 

過去の私が

自分に向けて言ってましたが

 

ええ

存分に

味わった今日です

 

 

 

 

 

 

 

そうです

今回もまた

三省堂書店さんの神保町本店

に何度も通い

閉店最終日にも行ったよ

というお話しでございます

 

 

 

 

 

 

変人の私よ

どうかそのまま

 

納得のいくまで

悔いのない人生を

おくるんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

閉店の為

営業最終日の本日

 

私は

所用を早めにすませて

いつものように

三省堂書店さん神保町本店

に向かいました

 

 

 

 

 

そう

それは

まるで

いつものように

 

 

明日もあさっても

また次の休みの日にも

この本屋さんが

存在しているかのように

行きました

 

 

 

 

対岸からの

建物の写真も

もののみごとに

代わるがわる

みんな撮っていて

 

インスタ映えしない

(ごめんなさい)

茶色の古い建物の本屋さんは

 

ちょっとした

観光名所のようでした

 

 

 

 

東京に本屋はここにしかないのか

というほど

 

別に

本のセールでもないのに

 

レジは大行列で

「最後尾」という立札を

持っている店員さんが出ていて

 

 

 

たくさんの本が

「完売御礼」

になっていました

 

 

 

 

ああ

本当に

この本屋さんは

この街のシンボルで

 

たくさんの人から

愛されてたんだなぁ

と思い

嬉しくなりました

 

 

 

だって

見渡す限り

私みたいな

この本屋さんを

愛してる人だらけでしたから

 

 

 

 

 

2階にカフェがあるんですが

 

いつも

店員さんが

お客様が帰る時に

必ず

「またどうぞお越しくださいませ」

と言ってくれるんです

 

 

おそらくそういう

マニュアルなのだとは思いますが

 

 

変わらず

笑顔で言って下さる感じが

 

そう

変わらない

その言葉が

なんとも

とても切なくて

 

 

 

閉店の日まで

お店がなくなるその日まで

 

彼らは

変わらない笑顔で

言って下さるのかな

と思ってました

 

 

 

 

 

そして

本日最終日

店員さんは

「ありがとうございます」

だけを

おっしゃってました

 

 

 

そりゃそっか

お店は今日で閉店だもの

 

 

 

 

レジで

カフェの方と

少しお話しをして

ありがとうも告げました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京には

いろんな本屋さんがあります

 

カフェが併設しているお店も

非常に多いです

 

そのほとんどが

私には

お洒落すぎて

カッコよすぎて

居心地がよくはない

 

 

 

 

 

 

でも

ここの2階のカフェは

いつも心地よくて

 

パソコンを使って

長居している

一見意識高い系の空気読めない人も

いなくて

 

インスタ映え目的で

写真撮りに来てるだけの人も

いなくて

 

 

 

どんなに混んでいても

ひとりなのに

「お好きなお席お座り下さい」

とすすめてくれて

 

広めの席に座っても大丈夫で

 

 

ほとんどの人が

買ったばかりの本を読んでいたりして

 

本を読んでいても

店員さんは

全く気にしてない雰囲気を出してくれてて

 

ひとりの人が多くて

 

 

 

ほどよく

いつも空いていて

 

店員さんは

気持ちいいほどテキパキしていて

 

とにかく

居心地がよかった

 

 

 

 

 

カフェでひと休みしてから

カフェを出ると

本屋さんの中なので

 

また気持ちを切り替えて

そのまま

本を見る時間を楽しめる

 

そんな

建物全体の構成も

大好きでした

 

 

 

 

 

 

 

 

私は

改革派ではなく

保守派のようでして

 

できるならば

今のこのままでいたいんです

 

 

 

 

 

だって

やっと見つけた

居心地のいい空間だったから

 

 

 

 

 

 

いつもは

本を買って

あてもなく

館内をぶらついて

 

疲れたら

2階の空いたカフェで

気ままに

買った本を読んだりして

 

 

そしてまた

館内をぶらついて

 

いい本との出逢いを

静かに楽しむんです

 

 

 

 

 

 

 

そんな時間が

本当に

極上の時間でした

 

 

 

 

本を読む

楽しさを

心の底から

思い出させてくれた

 

三省堂書店さんの神保町本店さんには

もう

本当に

感謝しかないです

 

 

 

 

 

 

 

東京は

昔ながらの本屋さんや

大型店は

ここ数年

沢山閉店しました

 

 

 

 

三省堂書店さんが

閉店ではなく

改装閉店なのが

せめてもの救いですが

 

 

 

 

 

 

 

 

今後は

忘却の彼方で

あの古い建物の本屋さんを

思い出す日々になるのでしょうね

 

 

 

 

 

今回は

「とうとう

閉店の今日がきちゃったんだよ

でも

本当にありがとう」

 

という

三省堂書店さん神保町本店さんへの

愛と感謝を込めたお話しでした

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでくださって

ありがとうございました

 

 

あなたの大切な

人生の時間を

共有できていること

心から感謝しています

 

では

またね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は

また

好きな居心地のいい本屋さんに

巡り合うのでしょうか?

 

 

 

 

私にとっての

極上の空間に

巡り合うのでしょうか?