仮想世界6 | +++ 三度のメシより ~腐女子の萌え語り +++

+++ 三度のメシより ~腐女子の萌え語り +++

※(18禁。ご注意ください)
声萌え 腐女子の萌え語りブログです。 中井和哉サマ、佐和真中サマ、内山昂輝サマ   絶賛応援ちう!


わざとらしい大あくび。
オーバーアクションの伸び。


隣に座っていた彼がびくりと震える。



俺はたった今、彼の存在に気づいたフリ。


「…」




「……」


気まずい空気。


なんか言えよ。


ずりぃな俺。
彼の出方を伺う。
そうだ、今後の行動は彼次第。
そしたら傷つかずにすむから。
俺ら二人とも。


結局はこれがベストだろう。
俺が気持ちを押し殺し、
今まで通りの親友ポジション。

そのうちお互いに、
彼女なんか作って、
ダブルデートとかしたりして。


…アホくさ。

んなん、できるか。
彼以外の人間に興味持てる気がしねぇ。
彼が俺以外の人間に触れたり
触れられたりするなんて
考えるだけで発狂モン、無理。

んじゃ、ダメじゃん。
こうなった以上、ダチにも戻れない。



何か言いたそうな、
だけど言葉を選んでいる風情の彼を見つめる。
所在なげに俯いて雑草抜きまくり。



やおら立ち上がった。
俺のほうが堪えられない。



「待って!」


ズボンの裾を掴む手は
思いの外力強い。

おかげで俺、若干バランスをくずす。


「なに」



冷たい口調。
わかってるけど、素直になれずぶっきらぼう。



「ヤだよ、俺」


震える声。
泣いてるかもしれない。


「なに」



さっきのより冷たさ倍増。
アンド、語気荒めで。


泣くなコレ。
俺がこんなだったら間違いなく泣くな。


必死に堪えてる彼を見下ろす。


自分のずるさなんて自覚済み。
彼を追い詰めてるのも。


ふるふる震えながら、ギュッと握った手。


答えない彼に、俺は。