John Lennonオンリー・ピープル/ONLY PEOPLE
12月8日はジョン・レノン/John Lennon の命日だとされていますが、日本時間では12月9日の昼頃になっていました。 僕が彼の死のニュースを聞いたのはその日の夕方だったと思います。
そんな今日は、ジョン・レノン/John Lennon の隠れた名曲をご紹介したいと思います。 そのタイトルは ONLY PEOPLE/オンリー・ピープル。1973年、50年前に発売されたアルバム 「マインド・ゲームス/ヌートピア宣言/Mind Games の収録曲。
このPEOPLE を僕は民衆という抽象名詞と捉えました。 この語をどのように捉えるかで曲のメッセージが変わってくるような気がします。
この曲は民衆の力について歌っていて、 Power To The People/人民に力をの続編的な性格だと管理人は考えています。 ここで PEOPLE とは権力者層に対する一般大衆のことです。
歌詞には、民衆のことは欲望にまみれた国家権力者達には理解できない、自分たち自身で考えて行動すべきだというメッセージが込められています。
歌詞の中でキーワードのように使われている Pig Brother/豚兄弟 が何なのか気になったのですが、おそらくはジョージ・オーウェル/George Orwell の短編小説、動物農場/Animal Farm の中で人間から解放された農場を支配するブタ達のことだと思います。 小説の中で農場から人間を追い出す戦いの先頭に立ったブタたちが、動物たちは皆平等と主張しながら自分たちだけ優雅で贅沢な生活をするのです。ブタたちは他の農場の人間たちと対等に取引をし、他の動物達は彼らのために働きます。その観点から brother を 同志 と捉えます。 同じくジョージ・オーウェル/George Orwell の代表作、1984 では世界を支配する偶像的な独裁者 ビッグ・ブラザー/Big Brother とも似せているところもポイントです。
歌詞の中には他にも注目すべき表現がいくつかありますので、歌詞和訳の後でご紹介します。
LYRICS/和訳
Only people know just how to talk to people 民衆だけが民衆への語りかけ方を知っている
Only people know just how to change the world 民衆だけが世界を変える方法を知っている
Only people realize the power of people 民衆だけが民衆の力に気づく
Well, a million heads are better than one 100万人寄れば文殊の知恵
So come on, get it on! さあ、楽しくやろうぜ
Well I know how we tried and the millions of tears that we cried
そうさ、どんなに踏ん張って100万粒の涙を流したか
Now we are hipper we been through the trip
僕らはより洗練された、色々な経験をしてきた
And we can't be denied with woman and man side by side
僕らは男女が隣同士で歩くのを否定されてはならない
Make no mistake it's our future we're making
ミスをするな、僕らが未来を作っている
Bake the cake and eat it too!
ケーキを焼いて、食べもするんだ
We don't want no pig brother scene!
僕らは「ブタ同志」の場面なぞ望んでいない
Repeat
We'll it's long overdue there ain't nothing better to do
もうとっくに期限は過ぎた、これ以外にすべきことはない
Now we are hipper we been thru the trip
僕らはより洗練された、色々な経験をしてきた
We can fly right on thru, there's nothing on earth we can't do
僕らは飛び立てる、僕らに一体何ができないと言うのか
Fish or cut bait it's our future we're making
釣り上げるか逃がすか、それが僕らの未来
All together now pull the chain
さあ、みんな一緒に鎖を引っ張るんだ
We don't want no pig brother scene!
僕らは「豚兄弟」の場面なぞ望んでいない
Repeat
表現解説
a million heads are better than one 100万人寄れば文殊の知恵
この表現は英語のことわざ、Two heads are better than one.をもじったもので、日本語では「三人寄れば文殊の知恵」に相当します。ですので、和訳もそんな風にしました。
Bake the cake and eat it too!:ケーキを焼いて、食べもするんだ
この表現も英語のことわざと関係あります。 You can't eat a cake and have it, too.(ケーキを食べてなお持っていることは出来ない)、日本語では「二兎を追うものは一兎をも得ず」に相当することわざをもじって、「作ったものを食べもする」すなわち、自分が作ったものは巡りめぐってでも自分たちのためにならなければならないと言っているのです。
Fish or cut bait it's our future we're making:釣り上げるか逃がすか、それが僕らの未来
fish or bait はアメリカ英語でよく使われる慣用表現で、魚を釣っていて餌に食いついた魚を釣り上げるべきか、釣り糸を切って捨てるべきか決断することです。 餌に食いついたからと全部釣り上げてたら、運べる量には限りがあるし、不要な魚は釣り上げない方が良い、そんな意味です。物事の取捨選択を賢明に行いましょう、というメッセージです。
以上、3つの表現を管理人の独断で解説して見ました。
僕はこの曲、とてもノリがよくて、このメッセージ性も好きなのですが、ジョン・レノン自身は失敗作だと言っています。 傑作を多数書き上げたジョン・レノン/John Lennon からすればそうなのでしょうね。
#RIP John Lennon Rest In Peace! #JohnLennon pic.twitter.com/hIb89LhABi
— #STOPインボイス⭐️Haechi/ヘチ🦁해치💛Secret🇰🇷🐾 (@sonnykim83) December 8, 2023