ベイビー・ブローカー
韓国映画、ベイビー・ブローカーを見てきました。韓国語のタイトルは単にブローカー/브로커です。
主演が現在の韓国では最も人気が高いと言えるソン・ガンホ/송강호。 そして、重要な役どころをイ・ジウン/이지은 こと IU/아이유 と、人気女優 ぺ・ドゥナ/배두나 が演じています。
ソン・ガンホ/송강호 は赤ちゃんポストに置き去りにされる赤ちゃんを、養子を探している夫婦に売る赤ちゃんブローカー役です。
IU は その赤ちゃんをベイビーボックス、日本式に言えば、「赤ちゃんポスト」のようなものに、連絡先も残さずに捨てた母親役です。
ぺ・ドゥナ/배두나は 違法に赤ちゃんを人身売買する組織を探して現行犯逮捕を執念深く狙う女性刑事役です。
韓国の予告編
夫婦間で望まれずに生まれてきた赤ちゃんに対する意見の相違から、子供を捨てることになる母親の周辺で繰り広げられる物語のテーマはとても深刻で重いと思いました。 韓国にはこのような赤ちゃんポストがあって、そこに捨てられた子供たちが集まって生活する福祉施設があるのですね。 その施設の内情についても勉強になりました。 韓国は子供ができない夫婦が養子を迎えるシステムが日本より充実していると聞きましたが、この「赤ちゃんポスト」なるシステムと、孤児院のような福祉施設がセットになっていることがその背景にあるのですね。
僕はこの映画でストーリーよりも今挙げた3人の俳優たちの演技に注目して楽しみました。 特に IUを大画面でずっと見ることができたのは大満足でした。 決してキュートな微笑みではなく、ちょっと影がある女性の微妙な表情や言葉遣い、特に乱暴な言葉を吐くところが注目したところだったりしました。 IUといえば、この映画のプロモーションで来日した際に、成田空港から出てくるところに大勢の人が集まって待っていてその人気を見せつけてくれたことは記憶に新しいです。 他の出演者も一緒だったのですが、ほとんどの群衆の目当てはスーパースター IU だったと思われます。 ガードが薄くて少し怖い経験をしたのではないかと思います。
あ、書きながら知ったのですが、ぺ・ドゥナ/배두나の相棒役の女性刑事、どこかで見た女優だと思っていたら、ドラマ、梨泰院クラスでLGBTのスタッフ役だった イ・ジュヨン/이주영 でした。
テーマは重たいですが、映画はテンポよく軽快に、サスペンス的な要素を絡めながら見るものを飽きさせません。さすが、カンヌ国際映画祭で2冠を獲っただけのことはあります。 主演のソン・ガンホ/송강호は俳優としては最高の賞に輝きました
それにしても、監督が日本人の、「万引き家族」で作品賞を獲得した是枝裕和氏による韓国映画なのは「日韓合作」的な部分があって、その作品が賞を受賞したということはとても意義深いことだと思います。
池袋の映画館で観ましたが、上映が今日までだったので、見逃さずに済んでよかったと思います。
日本の予告編