"ニガー"について by John Lennon
Black Lives Matter/黒人の命も大切だ(この和訳には異論が多々あります） 運動が米国で大きな盛り上がりを見せていますが、ジョン・レノン/John Lennon がアメリカ英語で黒人を差別する単語でタブーとなっている単語、ニガー/NIGGER について語っているシーンを見つけました。 この語は黒人の人種名 ニグロ/Negro から派生したと思われますが、日本語ではよく「黒ん坊」と訳される非常に侮蔑的な差別用語で、アメリカでは特に黒人以外の人種にとっては完全タブーとなっています。（黒人同士はお互いのけなし合いなどでしょっちゅう使われています）
実は、ジョン・レノン/John Lennon は 1972年にシングルで "Woman Is Nigger of the World/女は世界の奴隷か"というシングルを発売して物議を醸したのです。 この曲は全米で放送禁止となりました。 イギリスではシングル発売すらできませんでした。タイトルから分かるのは、黒人を差別する歌ではなく、女性は奴隷のような存在だと、女性差別を批判し、男女平等を謳ったスローガン的な曲です。
この歌の歌詞と解説はこちらをご覧ください。
「Black Lives Matter/黒人の命も大切だ」 抗議運動の渦中でジョン・レノンと小野洋子のテレビ出演でのシーンがとても興味深いので英語学習資料としてご紹介します。
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John Lennon's mention about #Nigger in his song! #JohnLennon #YokoOno https://t.co/8kOBX5gmYu
2020年03月11日 23:09
スクリプトがそのまま書籍にありました。
そのまま翻訳します。
そして、僕にはラッキーだったんだけど、多くの放送局が「我らはこの曲をかけない、『二ガー』という語が使われているし、それは白人が言ってはならない語だからだ。－僕の黒人の友人は全員、僕にはそれを言う権利があるって言うんだ、彼らは理解できるから。
すると、面白いことに、黒人執行部の責任者、あの偉大な男、ロン・デラムス下院議員－カリフォルニアの民主党員に関して、ここにとても素晴らしいことが書いてある。彼はこう言っている。(朗読)「もしニガーを生活様式を他人によって限定され、機会を他人によって限定められ、社会的な役割を他人によって限定される人々と定義するならば、いいニュースがある。この社会でニガーになるには黒人である必要はない。アメリカのほとんどの人々はニガーなのだ。」（拍手喝采）
上のイメージにはありませんが、ジョンはこの直後、次の言葉を追加してます。
I didn't say that.
僕が言った訳じゃないよ
この英文では、所有格の関係代名詞 WHOSE がうまく使われていますね。その和訳とともに参考にしてくださいね。
If you define "nigger" as someone
whose lifestyle is defined by others,
whose opportunities are defined by others,
whose role in society is defined by others,
then good news: you don't have to be black to be a nigger in this society.
someone を先行詞として、その説明が3つに分けて述べられていますが、これは次のように短縮できますね。
If you define "nigger" as someone
whose lifestyle, whose opportunities , and whose role in society are defined by others,
then good news: you don't have to be black to be a nigger in this society.
ちなみに、ロン・デラムス/Ron Dellums 下院議員は2018年までご健在で、オークランド市長を務めたりして長年に渡って議員活動を続けた方でした。バーニー・サンダース/Bernie Sanders のような民主社会主義者として知られています。
このようにニガーという語の使用に正当性を主張した上で、このテレビ番組でこの曲を歌ったのです。これはテレビ局側が番組司会者に要求したことでした。
念のため、ライブ直前の部分の動画も貼っておきます。
Woman Is The Nigger Of The world 女は世界の奴隷か！ オリジナル音源
