8月25日、芸歴5年目以下の大会「THE VERY BEST OF FIVE」の準決勝があった。


「60分の5か6」の通過率の予選が8回。
だいたいのべ450組くらいが41組に絞られる。

そして、残った41組のうち12組が決勝へ。
3分の1弱。



2年目の僕は思いっきり該当者だけど、予選で落ちるのが嫌すぎて、そもそも参加するかどうかで悩んでいたこの大会。

グズグズしている間に予選スタート。

普段はご一緒することがないけれど、お名前をよく聞く方々が沢山出ていてスパスパと準決勝進出を決めていた。


結果速報を見ていたら、自分じゃ敵わないかもなと思い始めて、しまいには「あいつ、おもしろ荘出たのに予選で落ちてんじゃん」と影で言われる妄想までしてしまっていた。

なぜ負ける前提なのか。
それ以前にエントリーすらしていないのに。


勝手に負の妄想に取り憑かれているタイミングであったオーディション。

一緒にオーディションを受けていた先輩と雑談しながら帰る。

「負けるのを怖がり出したら終わりだよなぁ。」

話の流れで先輩がポロッと言った。

全然関係ない話をしていたし、その先輩は芸歴5年どころではなく上の方だから、おそらく大会のことも知らなかったと思う。


出ないのは0回戦敗退ということに全く気付いていなかった。

「あいつ、逃げたじゃん。」と影で言われる妄想が止まらなくなった。

負けるよりも、逃げたと思われるほうが怖い。


先輩と別れたあとに即エントリー。

行動の原動力が「マイナスへの恐怖」なのは、もう そういう性格だから としか。



予選はありがたいことに通過。

本当に怖くて、予選日の数日前からずっと体調が悪かったけれど、準決勝進出が決まったその日の夜に治った。心因性すぎ。

抜けたことがとにかく嬉しくて、「お腹いっぱいにも関わらず真夜中に牛丼を食べに行く」という売れていない芸人としては上級の豪遊をしてしまった。



んでもって、準決勝の準備。

どのネタをやろうかとても悩んだ。

決勝に行けたらやりたいネタは、いざエントリーするとなった段階で決めていた。

何にしたって準決勝は抜けなければならない。

負けるのは嫌だし、決めているネタを大きい舞台でやりたいし。


・唯一テレビでやらせていただいたリズムネタ
・去年書いた中で1番気に入っているコント
・事務所に拾っていただくきっかけになったコント
の三択。


僕が事務所に入ってからやったネタをほぼ全て見てくださっている先輩に相談したら、選択肢を言い切る前に「それは、リズムネタで行くべきじゃないかな?」とのお返事。

ただ、放送された時と同じ形だと、ライブにまで足を運んでくださるようなお客様には「あー、はい、このネタね。既に見たことあるわ。」と思われる懸念があったため、アレンジ作業を進めることにした。

(実際、放送後に、放送された時と同じ形で何度かやってみたけれど、「あー、はい、知ってるわ」の空気になって、その空気を打ち破れずスベることが多かった。そして、僕自身もそのネタをライブでやらなくなっていった。)


大幅なアレンジを加えて事務所のネタ見せや稽古会に持っていくも粗まみれ。

さらに直してからライブで試す。

鮮度を保つ必要があるため、準決勝と客層がかぶる可能性があるライブでは隠し続けた。

1回目 ×
2回目 △
3回目 ◎

着実に良くなっている感触。


準決勝3日前。

自信満々で事務所の先輩方やマネージャーさんに見てもらうと、まだまだ改善すべき点が山積みだった。

いただいたアドバイスを踏まえた上で、やってみた4回目は◯

まだしっくりこないのでもう少しイジる。



本番当日。

修正しきったつもりだったけれど、リハーサル中に不安になり、コントに切り替えようかと本気で思った。

最悪、リハ終了後にダッシュで往復すればアパートから衣装は持って来られるし。


自分のネタの音響照明の演出をスタッフさんにお伝えする番になった。

覚悟を決めてリズムネタ用の演出をお伝えする。

しかし、その後も消えない不安。

もっと良い形がある気がしてしまい、またイジる。

結局、セリフが固まったのは開場後だった。


僕の出番は41組中38番手。

練習する時間があったのが救い。



開演。

舞台袖で音だけを聞く。

MCのねじササキさんがスマートに盛り上げてくださり、トップバッターからガンガンウケている。

2番手もウケている。

暖かい日だ。
(暖かい=お客様が良く笑ってくださる状況を指します)


暖かすぎる日に怖いのがお客様の疲労。

不思議なもので人間は笑いすぎると疲れるようにできているらしい。

パワーで押しまくるリズムネタだったので、38番目になる頃にはお客様が疲れてしまっていないかが心配。


練習もしつつ、楽屋で待機する先輩・同期・後輩らとおしゃべりして気を紛らわす。

こうでもしていないと気が狂ってしまう。


友人のトリオ・モシモシが出番を終えて帰ってきた。

「どうだった…?」

「爆ワラ学園…!!!!!!」

同期のモシモシあきちゃんが聞いたことない表現で喜んでいた。

爆発的にウケたらしい。

おめでとうという気持ちと、決勝進出枠が1つ減った焦りが同時に湧き上がる。



そして、38番目。自分の出番。

自分で言うのも気持ち悪いけれど、1つも取りこぼしがなかったように思えた。

当日に修正した部分も真芯を捉えた。

超好感触。これは獲った。


楽屋に戻る。

汗とアドレナリンが止まらない。


「爆ワラ学園、入学したわ!!!!」

モシモシあきちゃんに報告。

爆ワラ学園ってなんだ。


小道具を片付けて、残りの数組のネタを袖から見る。

大トリ41番目のポンループさん。

爆ワラ学園どころの騒ぎじゃなかった。
爆ワラ財閥 創設。

膝が震える。



結果発表。

アドレナリンが止まらず、ねじササキさんの「出演者全員集合〜!」の声とともにドロップキックで舞台に飛び出してしまった。


「少年マングース、ジョウダンアオナナテンパイ、徳原旅行…」

審査結果が出番順に発表されていく。

呼ばれるとしたら最後の方。

早く呼ばれて楽になりたい。

獲った感触が確かにあったので、呼ばれた後のコメントを考えながら待つ。


「竹内ズ、モシモシ、春とヒコーキ…」

爆ワラ学園入学のモシモシの名が呼ばれる。

竹内ズさんも春とヒコーキさんも、普段仲良くしていただいている。

近しい方々が上がって行くのは嬉しい。

この時点で決勝進出は残り3枠。


「ウキョウ…」

ウキョウさんは30番目。

31〜41番手までの11組のうちから残り2枠。

手応えこそあったけれど、心拍数は上がり続けるし、不安は膨らみ続ける。


「ラランド…」

ラランドの出番は33番目。

仲良くしてくれている後輩の決勝進出はとても嬉しい。

しかし、この時点で決勝の枠は残り1つ。

あれ???????

これはマズくないか???????

また震え始める両膝。



「ポンループ。以上12組が決勝進出です。」

負けた。

自己採点ではA判定だった爆ワラ学園の受験に失敗していた。

敗退が決まった瞬間にタイムマシンを使わせてもらえたとしたら、ネタ終わりに喜んでいた自分に「はしゃぐな」とだけ言いに行きたい。


審査員の皆様の講評。

「惜しかったのは、兜蟹と村民代表南川ですね。」

惜しいと言えども敗退は敗退でしかない。

僕もホームランを打ったつもりでいたけれど、周りは場外ホームランを打っていた。


一度諦めたネタをリメイクして、ある程度戦えるところまで蘇らせることができたのは良かった。

しかし、過去に書いたネタを圧倒的に上回るものが書けていないから、「過去のネタをリメイクする」という選択肢が有力候補として浮かび、実際それを選ばざるを得なかったのも事実。

調整だって、寸前に良くなったんだから、もっと回数をやっていれば、もっと行けたのではないか。これもたらればだけど。


前日に出演したバトルライブでも、手応え大アリだったが入賞できていなかった。

2日連続で指先からスルリと落ちていった感覚。

指はかかっていたはずなんだ。

己の甘さが生むこの差。



この大会に出て良かった。

まだまだ足りないことは分かっているつもりだったけど、結果として明確になったから。

自分を見つめ直すキッカケ。

ポロッと「負けるのを怖がり出したら終わりだよなぁ。」と言ってくれた先輩に感謝。


5年目以下というくくりですら負けてしまうのだから、このままではもっと広いところでは戦えっこない。

(そもそも出ていない5年目以下も沢山いる。M-1の準決勝に行った令和ロマンとか、ツギクル芸人GPで優勝したザ・マミィさんとか。フランスピアノに、ナイチンゲールダンスに、Gパンパンダさんに、挙げだすとキリがない。既にバキバキ活躍している人たちと大阪の人たちと吉本の人たちはほとんど出ていない。)

今のスピードでは足りないなら、もっとスピードを上げるだけ。



疲れ切ってる&悔し過ぎる状態で、でも、どうしても飲みたくて、このまま帰りたくなくて、

頻繁にライブで一緒になっていて、なおかつ同じく準決勝に出ていた先輩・同期・後輩らが行なっていた打ち上げに混ぜてもらった。

レモンサワー1杯しか飲んでいないのに、僕はシールを食べた。

口に入れたとかじゃなく、ちゃんと飲み込んだ。

次はシールを食べない打ち上げをするためにも勝たなければならない。



決勝に行った近しい人達はみんな心から応援している。

どうせなら近しい人に優勝してほしい。

そして、環境が変わっていく様、上のステージに登っていく様を見せつけてほしい。

近しい人が登っていく様を はたから見ることしかできない悔しさをガソリンにする。


僕も追いかけるから。

村民代表南川の次回作にご期待ください。


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【今後の出演を近い順から】
※ご予約はTwitter「@son_d_min」で承ります。

 ↓詳細はこちら↓


8/28(水)
「SF〜少し不思議なネタライブ〜」
@下北沢シアターミネルヴァ
開場 19:15 開演19:30 終演予定21:00?
前売1200円 当日1500円

出演(敬称略):
おハギちゃん、車海老のダンス、竹内ズ、
電気ドンキー、パブロ学級、春とヒコーキ、
堀川ランプ、町ルダさん、ムラムラタムラ、
レッドブルつばさ、村民代表南川 他

「少し不思議な」をテーマにしたライブ。
ネタ以外に企画もやる予定らしいです!


 8/31(土)
S.ゴールドステージ
@新宿バティオス
開場15:45 開演16:00 終演予定18:00
前売1300円 当日1500円

出演(敬称略):
【MC】アントワネット
【ゲスト】青色1号
【バトルコーナー】
シロハタ、ひょろし、スーパーメロディ、
ルービック、マンマーレ、吉本ホイ、
シュテンドウジ、キンカ、藤原直樹×藤原直樹、
たべごろピーチ、少年マングース、ゼスト、
チョムスキー、レーズンダイナマイト、鬼塚とばくだん、
銀兵衛、girlstalk@、村民代表南川、
お団子まんじゅう、ドッグマンズ

K-PROさんのバトルライブ「S.ゴールドステージ」が復活するらしく、ありがたいことに復活初回に出していただけることになりました。
生き残れるようにいいネタこしらえます。

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9/1(日)①
「グレイモヤβ」
@新宿ハイジアV-1

チケット完売です…!


9/1(日)②
「駄菓子」(ネタ2本)
@阿佐ヶ谷地域区民センター
開場17:30 開演18:00 終演予定20:00
料金未定

出演(敬称略):
よしのひろき、ぬらぬら、村民代表南川、
堀川ランプ、そると 他 

コンビたちがM-1だKOCだで頑張っているので、ピンなりに頑張るライブです!


9/6(金)
「山ねこライブ」
@下北沢シアターミネルヴァ
開場19:00 開演19:30 終演予定21:15
前売1000円 当日1500円

出演(敬称略):
あそび、コスモスライダー、ナナフシギ、
ぼびぼびお、村民代表南川、淳矢淳矢、
赤もみじ、キャロットポエム、あひるちゃんスポンジクラブ、
有元さくら子、きみえ、ねこじゃらし、他

毎度ほかほかネタライブです!
同期のキャロットポエム君がいるのも嬉し。
今年書いたネタの中でベストお気に入りのやつをやろうかと思っています。


9/8(日)
「ベースアップ」
@新宿ハイジアV-1
開場15:45 開演16:00 終演予定18:00
前売1300円 当日1500円

出演(敬称略):
【K-PRO】
レーズンダイナマイト、ひょろし、スイッチヒッター、
トロピカルマーチ、れぷりか、ウキョウ 他
【サンミュージック】
サツキ、モンローズ、ママタルト、兜蟹、
ハニートラップ、ユメマナコ、村民代表南川

K-PROさんとサンミュージックの対抗戦です。
多分一対一で戦うんだと思います。
そうなってくると、僕は「ピン芸人対決」みたいな感じでひょろしさんとぶつかるんじゃないかと思っています。
勝ちたいのもありますし、仲良くしたいのももっとあります。


9/10(火)
GETライブ(G3)
@新宿バッシュ
開場18:30 開演19:00 終演予定20:40
前売1200円 当日1500円

出演(敬称略):
ママタルト、ゆきち、ローズヒップファニーファニー、
小林アナ、飛石連休、カチューシャ、
お侍ちゃん、めいどのみやげ、快児、
ハニートラップ、TAIGA、グータン、
マンマーレ、みつあみ、ひみつスナイパー健、
ぽ~くちょっぷ、村民代表南川、ぽんぽこ

事務所ライブ。3軍に戻れました。
生き残りたいし、あわよくば上がりたい。
久々にフリップ漫談をやります。


9/15(金)
「岩手若手お笑いライブ大反省会!」(トークライブ)
@阿佐ヶ谷地域区民センター4階 第2和室
前売800円 当日1000円

出演(敬称略):
お侍ちゃん、ミヤシタガク、新鮮なたまご、
スーパーニュウニュウ、べっこちゃん、あはは、
かんとも、キュンキュンパフェ、リンガフランカ、
大村小町、村民代表南川、アンダーエイジ(コメント参加)

タイトルの通りのトークライブ。
6/28、29に岩手で行った自主製作ライブの公開反省会です。
どんなライブだったかはこのリンクをご参照ください。
来年もまたやりたいからこそ振り返ります。


9/15(日)①
「ウレニイクイレブン」(ネタ3本)
@阿佐ヶ谷アートスペースプロット
開場13:45 開演14:11 終演予定15:41
1100円

出演(敬称略):
あいぼりぃず、ウルトラ、村民代表南川、
パンダパーク、堀川ランプ、ランボルマーチン

新ネタガツガツやりましょうユニットライブ。
8月は会場が取れなかったので、9月に3本まとめてやる増刊号です。
地上に出るキッカケになるネタが生まれる瞬間が観られる「かも」しれません。 


9/15(日)②
「スーパーリーチ」(ネタ2本)
@新宿バッシュ
開場19:00 開演19:15 終演予定21:00
前売1500円 当日1600円

出演(敬称略):
ジョウダンアオナナテンパイ(MCと企画担当)、
観音日和、コル、根菜キャバレー、
ジャパネーズ、村民代表南川、ロマン峠
※おちもりさんはお休みです。 

ユニットライブ、7回目!
9月は、いつも笑顔の冨山さん&僕が「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛…」となっているときに見守ってくださりがちな勝呂さんのコンビ・ジョウダンアオナナテンパイさんが主役の回。
ワクワクのワクです!!