僕自身は転職者の方にふだん実際にお会いすることは滅多にないですが、仕事柄、数多くの転職者のエピソードを耳にします。自分の友人も含めて、ある会社で経験を積み、数年後、次の会社にステージを変えて活躍し、数年後に経験を活かしてまたステップアップするという、いわゆる「輝かしいキャリア」を積んでいる人々が世の中にはいます。
そういう人々を僕はとても尊敬します。
それはもちろん、転職回数が多いから、という理由ではありません。
回数が多いか少ないか、や転職する理由は別にして、それだけ「環境=会社を変える」、ということには想像以上のエネルギーと勇気ある決断が必要で、かつ「これまで築いてきたスキルが全く通用しないかもしれない」という不安とリスクを伴うからです。
外の世界に活路を見出してステップアップすることに成功できている人たちは、新しい環境でどのように組織に順応し、存在感を発揮し、おそらくは即戦力として短い期間で結果を要求されるであろうプレッシャーの中でうまく能力を発揮しているのだろうか、ということがとても気になります。
僕は新卒で入った大手企業をたった1年で辞めてしまったので、今の会社に入社した時は180度違う雰囲気に驚きはしましたが、それまで築いたキャリアなどほとんどないに等しく、前職の「やり方」に染まっていなかったのと、当時まだ若かったので「即戦力=即結果」というレベルまで高い期待はされていなかったと思われるため(こんなこと言うと怒られるかもしれませんが)、それらが幸いしたのか順応に苦労した記憶はありません。
ただそれなりに年を重ねてくると、ふとこんな疑問が湧きます。
ある日突然、別の会社や組織で働くことになったとしたら?
それも全く違う業界、全く違う職種や領域で。
どこの組織でも通用するような能力を日々、身につけられているのか
そして、そのために何か具体的な努力をしているのか
ソーシャルメディアの台頭で会社の外の人たちとの接点がここ最近でとても増えたことで、こういう「良い意味での」焦りと危機感が日増しに強くなってきた今日このごろです。
文字どおり「ある日突然」は前触れもなく明日やってくるかもしれないんです。
そんな時、天を仰ぐことのないように「日々前進」を心がけたい。
恵みの雨なんてそう簡単に降ってきません。