
「プロヴォカティブ・シンキング 面白がる思考」は、富士写真フイルムを経てマッキンゼーで消費財・小売業グループのリーダーとして活躍されている山梨広一氏が著者です。最新号の「Think!」誌でも特集で採り上げられていました。
彼が提唱するこの思考法は、簡単に言うと、「何でも面白がって可能性を否定せずに考える」というもの。誰でも無意識のうちに「できない理由、制約条件(時間、コスト、工数、期待される効果、前例etc)」をこれぞとばかりに挙げまくり、どうにかしてそれをやらずに済む方法をひねり出そうとします。なぜなら、今までのやり方の方が楽だから。失敗したくないから。面倒だから。
成功して一躍ヒーローになれるチャンスをやりもせずに潰してしまうのと、「たぶん、できるはずだ。そのためには…」と考え方を転換してチャレンジするのとでは結果や達成感は大きく変わってくることでしょう。
プロヴォカティブ・シンキングの実践により、3つの素晴らしい効用があるといいます。個人だけではなく、組織全体をポジティブにすることができます。
1、新しいアイデアを創出し、ブレークスルーをもたらす
2、高揚感や一体感を生み出す
3、次々にアイデアが生まれる土壌を醸成する
話は変わりますが、「楽しいことを仕事にしたい」「好きなことをしたい」。良く耳にする言葉です。じゃあ楽しいことや好きなことって一体何なのでしょうか。一方で「今やっている仕事を楽しもう」「目の前の仕事を好きになろう」って言う人もいます。これも何となく違和感が…。
「面白がる」という、本著で度々出てくる言葉に僕はしっくりくる何かを感じました。それは「好き」とはニュアンスが違います。世の中の人みんなが朝起きたら突然、今やっている仕事が「好きになる」なんてことには絶対ならないからです。「面白がる」=「(みんな面倒くさがってやらないだろうし)かなりキツいけどこれを巧く成功させたらしめたものだ。面白い、やってやろうじゃないか」こういう風に置き換えることができるのではないでしょうか。
以前手にして感銘を受けた「大人げない大人になれ!」(成毛眞氏)に登場した、上司がびっくりする顔が見たい一心で尋常ではないスピードでプログラミングを完成させたエンジニアや、面接で落とされて、それが悔しくて採用担当に復讐するために翌年度また応募して入社してきた大学生のエピソードにも通ずるものがあると思います。
物事もとらえ方次第。果たしてどんな仕事が好きか、どんなことが向いているのか、正直いまだに全然分からないですが何でも「面白がって」取り組むようにします。
140文字に慣れすぎてこんな長い文章を書くのが久々なので今回はオチはありません(息あがってます)