ひとり[No.293] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

 English

 

 芸人のヒロシさんが人気に火をつけたソロキャンプ、一人で気軽に安価に肉を焼きながら食べられる焼き肉店「焼肉ライク」、コンビニやスーパーの個食に合わせた一人で食べ切れるサイズの惣菜と何かとひとりが目につくようになりました。

 

 私が若かった30年前と比べると随分と変わりました。トレンディードラマで描かれていたのは数人の男女のグループ内での恋愛、友情といったものがメインテーマであるものが数多くありました。また学校や会社では飲み会や行事などグループでの行動が多く、多くの場面で協調性が求められました。その一方、現在はドラマで視聴率は稼げなくなり、より好みが細分化、個人化されたインターネット動画が好まれ、また忘年会スルーという言葉を耳にする機会が増えました。

 

 さらに去年から続くコロナ禍による密回避、非接触のための巣ごもりは人々のひとり化を加速させました。今年1月の居酒屋の売り上げは対前年比75%減と壊滅的である一方、家飲み需要で1月の缶入りのお酒は好調でした。私も在宅ワークが定着し自宅に閉じ込められた生活があと1ヶ月で1年になろうとしています。このようなライフスタイルの変化には一長一短を感じています。

 

 良くなったことは何より移動の時間がなくなり私の場合ですと往復3時間が自宅で活用できる時間となり、家族と過ごす時間が増えました。また一般的な話として会社に通勤して一生懸命に長時間の労働を上司にアピールすることが無価値化され真に成果で評価されざるをえない効率の良い環境に変わってきました。自宅で働いている社員を監視するわけにはいきませんので。会社に行くこと自体が目的の人にとっては辛い状況になりそうです。

 

 悪くなったことは孤独感が強くなったことです。チャットだけで意見を交換していると相手の感情や状況が分かりづらいので、相手と意思疎通が上手くできたか?不安になることが少なくありません。例えば自分の打ったテキストメッセージに対して中々レスがつかないと何か自分はまずい表現をしてしまったのかな・・・とか、相手に嫌われているのかな?といった負の感情を持ってしまうことがあります。ひょっとしたら単に相手が急ぎの仕事に追われ返信の余裕がないのかもしないのに、です。

 

 このような孤独を緩和させるために、チャットツールで雑談を目的としたチャットルームを設けたり、マネージャーが定期的にメンバーに対してテレビ電話で傾聴に徹したコミュニケーションをとりメンバの状態をこまめに把握したり、曜日を決めて出社しグループで顔を合わせる機会を作ったりと、それぞれの組織に適した対策をとっているところもあるようです。

 

 私は一人の時間が増えたことで、それまで他者に向いていた関心がより自分に向くことで、自分は一体、何をしたいのだろう?何をしたくないのだろう?これからどうしよう?といった自分と向きあう時間が増えました。流行の2拠点生活を実現し、実家の田舎で過ごす時間を増やし、今とは全く異なる仕事を並行でやってみようかな? とか、今の収入を落として自分の関心のある多分すぐにはお金にならないことに、もっときちんと時間を使っていかないと!とか、健康とダイエットのために山歩きを始めてみよう!とか、ウキウキと考えています。

田舎

 

 ひとり、というと、ひとりぼっちという言葉もあるように孤独で寂しく惨めなイメージが伴います。しかし社会における、ひとりの存在感は着実に大きくなってきました。このような中、私はひとりと上手く付き合っていきたい、さらには愛していきたいと考えています。周りに惑わされて選択を誤ったり、人目を気にして格好をつけたり、欲に目がくらみ過ぎて無理したり、そういう残念に陥らないよう、雑念から距離を置いて、ひとりを大切にかつ、楽しんでいきたいと考えています。

 

ビートルズの巣ごもりの歌「Dear Prudence」