高市総理が言い出した「旧姓単記って何?さっぱりわからん!」ってことで調べてみました。

情報をシェアしますね。

引用文が多く、また、長文になりましたので読みにくいかと思いますが、元資料の1/3くらいの文量に収めましたのでなんとかお読みいただければと思います。

 

旧姓単記とは?

旧姓単記とは、一言で言えば、「戸籍制度は変えずに、日常生活での旧姓使用を法的に認めるようにする仕組み」です。これ以上でも以下でもありませんが、いろいろ問題を孕んでいる仕組みです。

この仕組みのポイントをまとめます。

1.戸籍と通称の使い分けが原則不要

①    戸籍上の姓(本名): 婚姻後の姓(例:田中)

②    旧姓(通称):結婚前の姓(例:佐藤)

「旧姓単記」とは、パスポート、マイナンバーカード、運転免許証、さらには銀行口座や国家資格の証明書などにおいて、戸籍姓(田中)を一切記載せず、旧姓(佐藤)のみを記載・使用できるようにする仕組みを指します。

私見⇒これって、運用上は選択的夫婦別姓と同じじゃないの?って単純に思いました。

 

2.「併記」と「単記」の違い

 現在でも、マイナンバーカード、パスポートなどに旧姓を併記することは可能になっていますが、それだけでは不十分だと考える人たちが、選択的夫婦別姓推進派の要求もある程度満たしうる第3の案として考えたのではないかと最初は思いましたが、選択的夫婦別姓反対派を黙らせるために考えた苦肉の策とも言えるのではないか?とも思えてきました。

併記と単記の違いをまとめます。

3.旧姓単記のメリットと狙い

この仕組みは、「選択的夫婦別姓(戸籍上も別姓にする)」に反対しつつ、改姓による不便を解消したいという妥協点として提案されたものでしょう。

  1. アイデンティティの維持: キャリアを積んだ人が、仕事上の名前を変えずに済む。

  2. 戸籍制度の保持: 「家族は一つの姓であるべき」という伝統的な家族観(戸籍制度)を壊さずに済む。

  3. 実務問題の解消: 銀行口座やパスポートが旧姓のままで通れば、実生活での不利益はほぼ無くなるという考え。

反論 (私見)

上記①に対して:現在でも仕事上での旧姓使用を不問にしている企業は多々ありますが、それを公認、あるいは半強制する形になります。表面的には夫婦別姓と変わらない仕組みの運用を法で認めることになります。

上記②に対して:社会的に、事実上、夫婦別姓が認められることになり、伝統的な家族観を壊さずに済むとは言い切れないと思います。

上記③に対して:不正行為を増大させる可能性があると思います。

 

4.問題点のポイント

国際社会での「別人扱い」リスク(パスポート問題)

これが最大の懸念点。パスポートの国際ルールはICAO(国際民間航空機関)が決めており、ICチップには戸籍上の氏名を記録する必要があります。

  • 問題点: 券面に「旧姓(例:佐藤)」だけを記載しても、チップ内の「戸籍姓(例:田中)」と一致しないと、海外の入国審査で「偽造パスポート」や「なりすまし」を疑われるリスクがあります。

  • 現状: 現在は「田中(SATOH)」のように併記することにしていますが、単記にするには国際ルールの壁が非常に高いのが実情。

社会システムの膨大な改修コスト

日本のあらゆる公的・民間システムは「1人=1つの正式名称(戸籍名)」を前提に作られています。

  • 銀行・保険: 口座名義を旧姓にするには、マネーロンダリング対策の観点から「戸籍名との紐付け」を完璧にする必要があり、全金融機関のシステム改修に数千億円規模のコストがかかると試算されることもあります。

⇒ 利権の臭いがプンプンしますなぁ。システムを扱う企業が大儲けできそうです。
 

医療・税金: 病院のカルテ、マイナンバー、納税データなど、あらゆる場所で「どっちが本当の名前?」という混乱が起きる可能性があります。

 

「子供の姓」と「家族の証明」

旧姓単記はあくまで「大人の利便性」に特化した案です。

  • 子供への影響: 両親が社会的に別々の姓(旧姓単記)を名乗っていても、戸籍上はどちらかの姓に統一されています。そのため、子供がどちらの姓を名乗るか、学校での呼び名はどうするかといった問題は残ります。

  • 証明の難しさ: 家族全員で海外旅行に行く際、親が旧姓単記のパスポートだと、子供との親子関係を証明するために「戸籍謄本の英訳」などを持ち歩く手間が今以上に増える可能性があります。

5.選択的夫婦別姓制度と同じようなリスクがあるのでは?

ここまで調べてみて、選択的夫婦別姓制度と同じリスクがあるのではないかと思いました。

① 偽装結婚がやりやすくなり、スパイ活動を容易にするのではないか?

夫婦が別々の姓を名乗ることで、一見して「家族」かどうかが判別しにくくなり、協力者同士が夫婦を装ってスパイ活動することが容易になるのではないか?

② 戸籍上の姓を確認する手間が増える

例えば金融機関から借り入れをする場合、金融機関側からしてみれば、旧姓、あるいは戸籍上の本姓ですでに限度額いっぱいの借り入れをしていないかと調べる際に、いちいち役所に行って確認しなければならなくなる場面が発生する可能性がある。

 

6.スパイ活動の容易さは変わらないという見方もある

  1. 戸籍制度自体は残る:「選択的夫婦別姓」は、あくまで戸籍上の名字を別にするだけで、「誰と誰が結婚しているか」という戸籍データ(国家の管理)は維持される。なので、スパイ対策を行う公安警察などの捜査機関は、名字ではなく戸籍やマイナンバーで紐付けを行うため、名字が同じか違うかは捜査の決定的な障害にはならないとの指摘。

  2. 偽装結婚の動機:現在の「同姓」制度下でも偽装結婚は多発している。偽装結婚の主な目的は「在留資格(ビザ)」の取得ですが、別姓になっても審査(実体のある結婚かどうかの調査)の厳しさは変わらないため、制度変更が直接的に偽装を増やす要因にはなりにくいという見方もあります。

7「旧姓単記」固有のリスクと「選択的夫婦別姓」のメリット

1) 旧姓単記固有のリスク:表面上の書類(パスポートや免許証)に「旧姓」しか書かない場合、その裏にある「戸籍上の本名」を隠すことが容易になります。これは「一人が二つの名前を公的に使い分ける」状態に近いため、なりすましや不正利用を招くリスクが高まるとの見方があります。

これって通名制度のリスクと同じではないでしょうか?

 

2) 選択的夫婦別姓の場合の透明性戸籍上で別姓にする選択的夫婦別姓の場合は「その人の本名(別姓)はこれ一つだけ」と確定するため、身分証明としてはシンプルになり、混乱が少ないという見方です。

 

ここまで見てきて、お分かりになったと思いますが、「選択的夫婦別姓」にしても「旧姓単記」にしても、スパイ活動、犯罪増加の可能性など国家の安全保障に関わり得るものです。また、姓を選べない年代の子どもの基本的人権に関わるものです。

単に利便性の向上という視点からだけで捉えてはいけない問題です。

一般に、制度が複雑になればなるほど管理を厳しくする必要があり、管理のハードルが上がり、悪用できる隙が増える可能性があります。

 

8.選択的夫婦別姓及び旧姓単記による、考え得る具体的な悪用シナリオ

1) 経済犯罪・マネーロンダリングへの悪用

もっとも現実的に懸念されているのが、金融機関での悪用です。

「名前の二重使い」による口座作成:

もし「旧姓単記」が認められ、戸籍名(現在の姓)と旧姓の両方で本人確認書類が作れるようになると、**「実質的に一人で二つの名義」**を持つことが容易になります。

資金洗浄(マネーロンダリング):

A銀行には戸籍名、B銀行には旧姓で口座を作り、それらの間で送金を繰り返すことで、資金の出所や流れを不透明にする(追跡を逃れる)といった手法に使われるリスクがあります。

借金の踏み倒し・多重債務:

旧姓でブラックリストに載っていても、結婚後の新しい姓(またはその逆)で新たなローンを組んだり、クレジットカードを作ったりする「名義の使い分け」が今以上に巧妙化する可能性があります。

2) 資格や経歴の「ロンダリング」

個人の「過去の履歴」を意図的に切り離すために悪用されるケースです。

行政処分や犯罪歴の隠匿:

特定の資格(医師、弁護士、建築士など)で行政処分を受けた人物が、名字を変えて(あるいは旧姓に戻して)活動することで、過去の不祥事を知られずに営業を続けるといった懸念です。

「旧姓」を隠れ蓑にする:

「旧姓単記」で活動する場合、その人物の「戸籍上の本名」に辿り着くには役所を通じた公的な照会が必要になります。民間企業や個人が相手の背景を調べる際、調査のハードルが一段高くなることを悪用するシナリオです。

3)「なりすまし」と身分証の偽造

制度が複雑化すると、現場の「確認作業」が甘くなる隙を突かれます。

窓口業務の混乱を突く:

「旧姓単記」や「別姓」が当たり前になると、本人確認書類のパターンが増えます。役所や銀行の窓口担当者が「これは有効な書類か?」と迷う場面が増え、その隙に精巧な偽造書類を潜り込ませやすくなるという指摘です。

「事実婚」を装った不正受給:

別姓が一般化すると、外見上は「同居している他人」なのか「夫婦」なのかの区別がつきにくくなります。これを利用して、本来は世帯収入を合算すべき手当(児童扶養手当など)を、別姓であることを隠れ蓑に「単身世帯」と偽って不正受給するケースが増えるのではないかという懸念です。

4) 土地・資産の所有権争い

日本の不動産登記などは非常に厳格ですが、名前が変わることで混乱が生じます。

所有者不明土地の増加:

「旧姓で登記」し、「戸籍名は別」という状態が何代も続くと、相続が発生した際に「この佐藤さんは、今の田中さんの先祖と同一人物か?」の特定が極めて困難になります。これが結果的に、犯罪組織による地面師詐欺(土地の所有者になりすまして勝手に売却する)などの温床になるリスクが指摘されています。

 

9.悪用防止策

政府は以下のような対策をセットで議論しています。

  1. マイナンバーの徹底活用: 名字がどうあれ、個別の「番号」で全ての情報を紐付ける。

  2. 公的データベースの統合: 銀行や登記所が、一瞬で「現在の姓」と「旧姓」の繋がりを照会できるシステムを作る。・・・莫大な改修費用

 

10.議論のポイント

選択的夫婦別姓及び旧姓単記の導入については、

「悪用されるリスクがあるから制度自体をやめるべき」という考え方と、

「デジタル化(マイナンバー等)でそのリスクを潰した上で、個人の自由を認めるべき」という考え方のぶつかり合いになっている状況と言えます。

私見と言いますか、ひとつの見方として、

旧姓単記は、「日本国民全員に、通名(旧姓)を法的に認める仕組み」とも言えると思います。

 

個人的には、

悪用リスクが発生することは間違いないので、現在の旧姓併記でよいのではないかと思います。唯一問題があるとすれば、企業が業務上での旧姓使用を認めない場合があり得ることだと思いますが、「企業は従業員に対し、就業中の旧姓使用を妨げてはならない。個人の裁量権の範囲とする。」という政令またはガイドラインを策定すれば解決できると思います。

 

ここまで見てきて、旧制単記は選択的夫婦別姓と共通のデメリットを含む仕組みだということがわかります。ハッキリ言って、メリットよりデメリットのほうが多く、よい仕組みとは言えないと思います。導入の必要性はないように思います。

 

11.日本の伝統文化の亡失という視点

私には、政治家たちの選択的夫婦別姓の導入の可否についての議論は、単に利便性と仕組みだけにこだわっているようにしか見えません。

 

日本という国は、おそらく世界で唯一「利他」の精神を基調とする精神文化を持っている国だと思います。他の国々は「利己」が基調です。

私は、日本は「お陰様で」という自分を第一に置かない謙虚で無意識に八百万の神々を敬う精神性と、「お互い様」という利他へとつながる互助・互恵の精神性を持つ単一民族が繋いできた稀有な国だと思っています。

 

他国の利己を基調とする文化では、名前は「自分を定義する所有物」ですが、日本の伝統的な考え方では、姓は「先祖から預かり、子孫へ繋ぐ、家族という共同体の看板」と言えるものでした。同じ姓を名乗ることは、単なる形式ではなく「私たちは運命共同体であり、互いに責任を負い、助け合う」という意思表示でもありました。

 

しかし、選択的夫婦別姓を導入することは、「自分の名前の自由」という「利己」的な権利を最優先する社会へとシフトすることで、日本人が無意識に共有してきた「家族という一つの和」を尊ぶ精神が棄損されてしまうと私は考えます。

先祖から受け継いだ姓が、どれを選んでもよいという事務的な単なる選択肢に成り下がってしまうと言えると思います。

外見上の繋がり(同姓)が消えることで、地域や社会がその家族を「一つのまとまり」として温かく見守り、助け合うという「お互い様」の土壌が崩れてしまうとも言えると思います。

他国が「利己」を基調とする中で、日本が「利他」を基調とする稀有な文化を保ってこれたのは、戸籍制度のような「個人をバラバラにさせない仕組み」が防波堤となっていた側面は否定できないと思います。

「不便だから変える」という目先の利便性(利己)のために、数百年、数千年の時間をかけて育まれてきた「利他」という日本民族の美徳を損なうリスクがあるのなら、そのような仕組みは導入すべきではないと私は考えます。

「効率」や「権利」という無機質な物差しだけで測れない、日本人の心の有り様をどう守るか、という極めて本質的な議論は政治の場ではされていないことは極めて大きな問題だと思います。

日本民族、日本国独特の、宝とも言える「利他の精神性」を次世代へ引き継ぐという観点が抜け落ちていることが、私は非常に危ういことだと思います。

 

 

きょうはここまでです。