ブログのコメント欄にこんなご質問をいただきました。

私は今妊娠4ヶ月になる者なのですが、今日はNT(首の浮腫)についてお聞きしたいです。10-13wの健診で担当医から何も言われなかったのですが、先生は患者さんの健診の際、首の浮腫がなければ特に何も言われないですか?それとも、首の浮腫は無いですね~等言われたり、説明されたりしますか?
何も言われない=特に異常なし、ということだと思うのですが、ちゃんと見てるのか気になってしまって…。説明されない先生の方が普通?多い?のでしょうか?
お医者さんや病院にもよるとは思うのですが、先生自身の見解をお聞かせ頂ければと思い質問させていただきました。


NT(Nucal Translucency: 後頸部浮腫、などと一般に呼ばれているようです)についてはネットで情報を集める妊婦さんたちに知名度が大変高いようですが、残念ながら国内の産科医療の現場に置いて適切に運用されているとは言い難いのが現状です。


NTについて、診療の現場でどのような不適切なことが起こっているかについてはこちらに詳しいです→クリック


「首のむくみ」というと簡単そうに聞こえますが、厳密に測るのはトレーニングが必要で、日本でちゃんと測れる資格を持っている人は100人くらいしかいません。(私はその資格を持っています)
なので、普通に妊婦健診を受けていて、担当医師がNTを測れる人である可能性は低いです。
また、測れる人であっても、この検査はとてもデリケートな要素を含む検査であるため、何の事前説明もなく勝手に測るということはしません。

なので、

何も言われない≠特に異常なし

です。
誰が診ても明らかに首の後ろが腫れて見える赤ちゃんもおり、そのような際には医師から突然指摘されることも実際にはあります。(ただ、NTが厚いと言われて専門機関を受診された方のうち、厳密に測って本当に厚い人は一部です)

ですが、羊水検査などと同じように、基本的に妊婦健診には含まれない検査だと捉えてください。

NTをはじめ、鼻骨、静脈管、三尖弁、心拍数を含めた初期超音波スクリーニングに興味をお持ちの方は、胎児クリニック東京広尾レディースのホームページも参考にしてくださいね。