妻籠宿のカフェ「みのせや」にて・・・ (長野県木曽郡南木曽町) | アンダンテ♪・・・ゆっくりと

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先の記事、突然の旅先は妻籠宿(長野県木曽郡南木曽町)の続きです。

宿場町にCafeの文字。微かに流れてくるジャズの音色に誘われながら中へと・・・
「いらっしゃいませ。」頭にバンダナをしたマスターが、奥から出ていらっしゃいました。
なんだか可笑しくなってしまいました。だって、着物姿で出てくるかも・・なんて想像しちゃったから。
いくらなんでもこの時代ですからね、着物姿なわけがありませんよね。そんな想像をゆさぶる力があるのは、妻籠宿ならではなのかもしれません。


休み処 茶房みのせや












閉店間際なので、誰もいらっしゃいません。私たち2人、奥のテーブル席に着座しました。
ここも、昔はお宿だったんだろうな・・・







マスターはこの家の八代目。8人兄弟の末っ子でありながら、このお店を継いだとのこと。
でも、ずっと妻籠宿にお住まいではなかったんですよ。東京暮らしを長年されていたけれど、還暦を過ぎてから東京と妻籠宿の往復生活が始まったそうです。
290年前から存在するこの建物を、数年に渡って改装を重ね、昨年の夏に「休み処 茶房みのせや」を開業されました。

「若い頃は、ここを早く出たかったですよ。こんな何にも無いところって。」
都会暮らしをされたからこそ、この土地の良さがお分かりになったのかもしれないですね・・・・・・












「なんだか、あそこの末っ子が変なことを始めたぞ・・・って周りに思われてるかもしれないですよ(笑)。ジャズなんか流してコーヒー淹れてるんだから。」
確かに古くからいらっしゃる方々の中で、カフェを営むのはたいへんなこともお有りではなかろうかと。そう思います。
美濃勢屋の文字、屋号かしら・・・・・










「ジャズとコーヒーと煙草があれば、あとは何にもいらないんですよ。」
いいなあ・・・好きなものに囲まれる暮らしって。

キャビンアテンダントの写真が1枚飾られていました。綺麗なお顔立ちの女性。
「女房です。東京に住んでるんですよ。」
妻籠宿と東京の往復をされている理由がわかりました。奥様のお写真をお店に飾られているなんて、素敵なご主人のマスターですね。














少し濃いめのブレンドコーヒー。この空間でのコーヒーは格別です。とても美味しい。
八代目のマスターの想いも淹れられているのかなあ、なんてことも思ったりして。

お話も弾んだところでしたが、閉店の時間になりました。
「明朝、モーニングコーヒーを飲みに伺います。」
「はい、よろしければどうぞ。お待ちしていますね。」












朝食を終え、みのせやへと向かいました。

開店時間の8時ちょうどに行ってみると、引き戸が開いています。オープンしてますね。
陽の光りの下で見るみのせや、夜の表情と違ってまた良いものです。
下の画像をご覧になって、「ここが本当にカフェなの?」そうお感じになりませんか?
私が今まで行った中で、カフェらしくない佇まいの中のトップレベルに相当すると思います。
意外性のあるもの、好きです。













「おはようございます。」
・・・・・・あれれ、いらっしゃらない。
「ごめんくださ~い。」












木の看板に「裏庭にいます」の文字。
裏庭にいらっしゃったのですね。同行者が裏庭まで・・・・・どうやら、お彼岸用のお花を、摘んでいらっしゃったようです。
ご先祖さまのお墓参りをするんですね。















朝の光りとジャズの音色、そしてコーヒーの香りが漂ってきます。
築290年以上の建物、先代たちはここでジャズを聴きながらコーヒーを飲むお客さんが来るなんて、考えもしなかったでしょうね。
素敵なお店になっていますよ~って、お伝えしたくなります。




























「昨夜のコーヒーと、ちょっと変えましたよ。」
嬉しいお心配り。
私好みの深煎りコーヒーは、すっと喉を通る癖のない味わい。



























ジャズを聴きながら、美味しいコーヒーをいただいた朝。
マスターのお人柄の良さを感じながら、至福の時を過ごさせていただきました。
とっても良い1日になりそう・・・




私は今までカフェをたくさん巡ってきました。いろいろなカフェがありました。
私が気に入ったカフェには共通していることがあるなあ・・・って思いました。
それは外観や店内の装いの素晴らしさや美味しいものなんかではなく、空気感なんですね。あたたかい空気が流れているか・・・なのです。
それは、きっとオーナーのお人柄に大きく起因していると思うのです。
オーナーの思い入れだったり、こだわりだったり、そんなところが大きいかなって思います。
どんなに素敵なカフェでも、冷たい空気が流れている残念なカフェもありました。(ブログには載せていませんよ)
お店の方の想いって、お客の私にも伝わるんですね。私の気のせいかもしれませんが、伝わってくるんですよ。
取り繕っているとしたら、それは残念なこととして伝わってくるんですね。普段の人と人との関わりといっしょですね。

みのせやのマスター、好きなジャズとコーヒーと煙草に囲まれて、今日もまったり営業されているんだろうな。
また、是非とも立ち寄りたいカフェです。


妻籠宿、もう少し続きます。


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リトル☆サンポのポスターは、Keiさんからお借りしました。
私の大好きな秋桜がたくさんの素敵なお写真です。