突然言い出した同行者の言葉が、今回の旅のはじまり。
「・・・?どこ?」
「つまご。」
「つまご??」
「妻籠宿だよ。」
突然ですね、連休中ですよ。泊まるところ、あるのかしら・・・
いつもこんな感じなんですよ。珍道中は慣れっこで、どうにかなるさ!と出かけてしまいます。
お宿も決まっていないというのに、既に車は妻籠宿に向かって走り始めていました。
同行者は、途中のサービスエリアに車を停めて何やら電話中。
案の定、泊まろうとしていたところは満室らしい。観光協会に問い合わせてみると、1軒だけ空いているとのこと。
私たちはなんて運が良いのでしょう。
途中、あららぎ温泉 湯本館に立ち寄り、陽が沈む前には妻籠宿に到着です。
妻籠宿
(国の重要伝統的建造物保存地区)
中山道に宿場町・・・歴史の授業で馴染み深い名前だったけれど、実際に自分の足を踏み入れると気分も高揚してまいります。
400年以上前から存在する妻籠宿、一体どんな場所なんだろう・・・・・
ずい分前に、妻籠宿を訪れたことのある同行者。私を連れてきたいと思ったと。私が好きな風景が、ここにはたくさん詰まっているのが想像できたのでしょう。
その通りでしたよ。ここは、私が住みたいなと夢描くようなところだったのです。
何度感嘆の声を上げただろうなあ・・・カメラを構える回数も、自然に増えます。
1軒だけ空いていた下嵯峨屋。今日の宿泊先です。
お夕飯の時間まで、少し散策してきましょう・・・
江戸時代に来ちゃった?
その角から、お侍さんでも出てきそうね。
掃き掃除をしているおばさん。妻籠宿の住人さんのようです。
「今日はどこにお泊り?」
「下嵯峨屋さんです。1軒だけ空いていたんですよ。」
「あそこの人はいい人だから、良かったねー。」
ここに住んでいるんだ・・・時代劇のセットのようなこの場所に、普通に生活しているんですね。
「ずっとここに住んでるもんだから、特にいいって思ったこと無いよ。」と笑顔で話される。
江戸時代から続く宿場町、このおばさんは何代目さんなんだろう。聴くのを忘れちゃったなあ。
もっとお喋りしていたかったけれど、夕ご飯の時間までに戻らなくてはいけません。
おばさん、また~
秋の日は釣瓶落とし。
陽が暮れるのが早いですね。あちらこちらで、黄金色の行灯が灯り始めました。
そろそろお宿に戻らないといけない時間になりました。お夕飯の時間になったのです。
お夕飯は、山の幸がメインで盛りだくさんです。
量が多いので、全てを食べるのがたいへんなほどですが、とっても美味しいのでほぼ完食。
でも、Mewは、唯一食べられなかったのが「いなごの佃煮」。はい、食べず嫌いです。グロテスクな様相に、箸がつけられないのです。
さあ、食後はまたまた散策に出かけます。こんな素敵な所、歩かない訳にはいきませんよね。
すっかり夜も更けて、行灯の明かりがきれい。
歩いていても、宿泊客と時折りすれ違うだけ。静かです。
虫の音だけは、聴こえたかな。
おやおや、見つけちゃいましたよ。Cafeの文字。
「食後のコーヒーする?」
中からは微かに、ジャズが聴こえてきます。
何の予備知識もないままの妻籠宿訪問、もちろんこのカフェだって、どういうカフェなのか全くわかりません。
でも、こういうのって楽しいでしょ。何が待ち受けているか、お楽しみってわくわくしますでしょ。
長くなりましたので、今日はこの辺で。
もう少し、妻籠宿が続きます。よろしければお付き合いくださいませ。
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