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「ミーユエ」張儀役でひと際印象深い芝居を見せてたチャオ・リーシン(趙立新)の主演作品。

「曹操」(2015年 監督/胡玫 主演/趙立新)
全41話
曹操 DVD-BOX

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原題は「英雄曹操」「蓋世英雄曹操」とも。タイトル通り三国時代の魏国王・曹操の、若かりし頃から漢王朝の朝臣としてのし上がっていくさまを描いた作品。
三国志ものは日本人も大好きなので、どんな異色作品でも翻訳されるよね…。

――漢代末期。時の皇帝・霊帝はまだ14歳で遊びたい盛り、政治の実権は宦官・曹節が握っていた。
曹節の養子の孫・曹操はある日祖父に招かれ宮殿へ。そこで祖父の持つ"権力"を見せつけられ、この世で最も大切な事はこの権力を保ち続ける事だと教えられた。
そして10年後。都から離れた郊外で育った曹操は出世を狙い地方の名家・袁氏の兄弟に近づく。兄の袁紹は母の身分が低かったため家督は弟の袁術が継ぐことになっており、そのため兄弟仲が悪かった。曹操は了見の狭い袁術を罠に嵌めて豪快な気質の袁紹の機嫌を取り義兄弟の契りを交わした――

曹操というと「三国志演義」では冷酷な切れ者、主人公劉備のライバルとして描かれる人気キャラ。クールな秀才キャラで描くのが王道なところを、この作品は泥臭い、どちらか言うとペテン師みたいなしたたかな切れ者として描いてるのが面白い。やり方はあまり褒められたものではないけど次々と悪者を退治していくダークヒーロー的展開は視聴者としてはスカッとする。

しかしこれ2015年放送にしてはものすごーく古臭さを感じる画面や音楽、演出。なるべくロケ&自然光で撮ってて画面が暗く、戦闘シーンは間接的表現や使い回しが多く正直しょぼいし、キャストはあんまり見栄えしないけど白黒はっきりつけた時代劇らしい芝居をするベテラン揃いで、なんだか'00年代の作風のように感じる。お堅い事が多い時代劇にしてはやや下品な表現もあり、規制が倫理がと煩く言われない古き良き時代の作品という気が。
脚本が、見せるべきドラマ・有名な事件のシーンはしっかりとハラハラさせる演出で力入ってるのに、歴史的な流れは殆どナレーションの一言で済ませてしまっててしょぼい。この落差もう少しなんとかならなかったんだろうか。
美男美女は片手で数えるほどしかいないし派手なアクションは殆どなく知略や陰謀合戦がメインで、若者ではなく高齢者向けな雰囲気は否めない。「三国志演義」自体があまりに有名で物語も分かっている上でのドラマになってて、名場面を押さえた脚本。なので全く知らない人が見ると沢山人出て来るわそれらの相互関係がよくわからないまま進むわであまりお勧めできません。知ってるなら知ってるで「関羽が弱そうでイヤー!」とか思っちゃうんだけどね…。

それにしても曹操を演じるチャオ・リーシンが素晴らしい!(°∀°)b
この人見た目もそんなパッとしないし(ゴメン!)主人公演るようなタイプじゃないと思ってたけど、ダークヒーローならアリだわ。ユーモア感があって憎めない、いや相当頼もしいアニキを演じる。主人公として筋の通った正義感も見せつつ現実重視で、よく切羽詰まりながらもしたたかに切り抜け、時にセコく時に弱音を吐き、カタブツどころか仲間内ではふざけまくり美女とみればすぐ鼻の下伸ばす…すごく人間らしい魅力的なキャラクターになってて曹操のイメージぶっ壊れたけどスキ。お芝居で魅せる人だねぇ。日本語版の吹き替えは喋り方が本人とはかなり違ってるのでこれは原語で見ることを強くおすすめします。


クランクイン!ビデオ
日本語吹き替え版。一話目無料。頑張れば1000円程度で全話見れます。

LeTV
原語版。第二話まで無料。簡体字字幕。
姫路動物園へ行ってきました。



日本が誇る美しき城址・姫路城の敷地内にある市立動物園。大人200円子供30円という驚きのプライス!
…でも想像に難くないようにとっても狭いのでまぁこんなものです。(^▽^;)




定番の動物が檻に閉じ込められててミニ遊園地が併設されててザ・昭和の動物園。
とにかく檻、柵!写真がうまく撮れない。
何重にもなってる檻や、やけに鳥が多い所なんかが神戸の王子動物園とすごくデジャヴュ。兵庫県は鳥類にこだわりがあるのかしら。


この子はごはんのアミ(エビ)を水の中に入れては拾ってを繰り返していて、これは洗って食べてるのかな?そしてその後水浴びを始めました。

お昼の暖かい日差しにみんなじっとひなたぼっこしたり寝てたり。やっぱり動物園は朝のごはん時に行かないと、ほとんど寝てますね…。

こちらで写真15枚を公開しています。


姫路市立動物園
JR姫路駅から北へ徒歩15分。姫路城城門入ってすぐ。



長いものに巻かれろ

美術館「えき」でやってるミュシャ展へ行ってきました。

この美術館は百貨店の一角にあってあんまり大きくないのだけど、でも展示数はかなりのものでした。約150点!
アルフォンス・ミュシャはまあ誰もが知るアールヌーヴォーを代表する人気画家、現代で言う所のイラストレーターだけど、アールヌーヴォーの有名なポスター画だけでなく若い頃のスケッチや水彩、油彩、また画家を取り巻く人々の写真なども集めて立派な回顧展になってました。

美しくセクシーなポーズをとる女性とまた美しい草花、きらめく宝石などの装飾品…女性も憧れる美しい女性を描いててなおかつ現代の漫画のように簡略化された線。ポスターに描かれる女性像は"ミュシャらしさ"というものが確立されててぶっちゃけ同じパターン、同じ構図なので、漫画家が自分のキャラクターを白い原稿用紙にササッと描いていくように描いてると思ってたけど、ミュシャは実際にモデルの女性にポーズをとらせてちゃんとスケッチして描いてたというのが意外。頭の中の理想の美女を描いてたわけでなく、実際に美女は存在してたというわけ。写真で見ると確かにあのセクシーなポーズで美しいけれども、実際に絵になるとまるで女神さまのように美しさ倍増するのは…淡い色彩のせいかな?(^▽^;) 初期の頃の作品は古典的な宗教画っぽいタッチや構図も多いのでそういうところから神々しさというのが引き継がれてるのかも。

簡略化されて太い線で縁取られたポスター画以外の、スケッチや水彩になるとわりと普通で、ミュシャって言われてもピンと来ない。でも陰影の捉え方が神経質なくらい細かくて見事。物語の挿絵として描かれた水彩画は、水彩ならではのにじみを利用し白と黒だけでこんなにも細かく表現できるのかと唖然とする作品です。


ミュシャ展 -運命の女たち-
10/14(土)-11/26(日) 美術館「えき」KYOTO

美術館「えき」KYOTO
JR京都伊勢丹7階。



長いものに巻かれろ
世界的美女ファン・ビンビン(範冰冰)主演、フォン・シャオガン(馮小剛)監督作品。

「わたしは潘金蓮じゃない」(2016年 原題「我不是潘金蓮/I am not Madame Bovary」 監督/馮小剛 主演/範冰冰)
138分

※日本語版はまだありません。

潘金蓮(パン・チンリェン)とは中国古典「水滸伝」「金瓶梅」に出てくる悪女で、不倫女、あばずれという意味で用いられる。英題のMadame Bovaryもフランス文学「ボヴァリー夫人」という不倫物語のヒロイン。

――ある日弁護士の王公道の元に一人の女がやってきた。田舎臭い恰好をしたその女は彼の遠い親戚にあたる李雪蓮だと名乗る。彼女は離婚調停を依頼したいとやってきたらしい。曰はく、離婚すれば社宅のマンションが夫の秦玉河のものになるため法律上の離婚をしたのだが、マンションが手に入りいざ再婚しようとしたら玉河にはもう他の女がいた、裏切られたと。…法律上の離婚が成立しているなら離婚したいとはどういう意味だと聞くと、雪蓮はもう一度元夫と結婚して、それからまた離婚するのだと言う。
要するにこの女は元夫にいいように騙されて離婚させられ、元夫は晴れて愛人と籍を入れたという事のようだ。法律上は問題がなく、マンション目当てに嘘の離婚をしたと言うならそれは悪意を持って世間を騙したことになり裁判では絶対に勝てない。
王公道に諦めろと言われたが李雪蓮は裁判を起こす。雪蓮は玉河とは嘘の離婚をしたのであって本当に離婚するつもりはなかったと訴えるが、手続き上は間違いなく離婚が成立し証拠も証人も揃っており訴えは却下された。
李雪蓮は不当な判決だと逆恨みし、裁判官が賄賂をもらっていたのだと法務局の局長に直訴するが、局長は証拠があるのならしかるべき手続きを踏んで提訴しなさいと追い払う。
逆恨みが止まらない李雪蓮は県長や市長にまで直訴し(※省>市>県なので市長の方が偉い)、やがて公務執行妨害で逮捕された――

[ここからネタバレ--------
出所した李雪蓮は秦玉河の元へ。自分を捨てて他の女と結婚した玉河を責めるが、玉河も雪蓮が結婚当時既に処女でなかったことを引き合いに出してお互い様だとなじり、お前の名はリー・シュエリェンであってパン・チンリェンじゃないだろうと言い捨てる。夫からあばずれ呼ばわりされたことがさらに彼女の憎しみを増大させた…。
李雪蓮は弟の元へ。秦玉河を殺すのを手伝ってほしいと頼むが馬鹿な事をと止められた。そこで次に知り合いの肉屋の胡の元へ。秦玉河を刺殺する手伝いをしてくれたら体を許してもいいと言う彼女に胡は喜び応じるが、秦玉河だけでなく裁判官、法務局長、県長に市長まで殺すと言われて唖然とし断る。

これ以上は誰に訴えればいいのか…李雪蓮は北京へ。幼馴染で今は北京の一流ホテルのシェフを務める趙大頭を頼って身を寄せる。すると近日このホテルでお偉方の集会(共産党の大会?)が開催されるようだ。なんと雪蓮はその会合のトップに直訴した。たかだか一個人の離婚問題をわざわざ首都北京にまで訴えに来るとは地方公務員の仕事がなっていないと首長は怒り、よくよく改善するようにと各省長市長を厳しく叱りつけた。

しかしやはり法律上離婚が成立しており、再審でも結果は変わらず李雪蓮はその後も幾度も高官に訴えるという騒ぎを繰り返した。
そして10年に一度の集会が北京で開催される年になった。省長、県長は大事な集会にまた李雪蓮が来て騒ぎを起こしたら今度こそ首が飛ぶと、厳重に彼女を見張らせる。
李雪蓮の元に趙大頭がやってきた。昔から彼女に想いを寄せていた大頭は雪蓮に結婚してほしいとプロポーズするが、なら北京へ行くのを手伝ってほしいと言われた。大頭は見張りの男らを宴に招いて酒を飲ませ、酔いつぶれたところを雪蓮と一緒にバイクで逃げ出した。
北京へ向かう道中で大頭に迫られた雪蓮はついに体を許してしまう。大頭からもう秦玉河の事は忘れて故郷へ帰り幸せに暮らそうと言われ、そして潘金蓮のように結局他の男に気持ちを許してしまった自分に玉河を責める権利はないと感じた雪蓮は大頭の言う通り故郷へ戻ることに。
だが、実はこれは法務局が李雪蓮を北京へ向かわせないために練り上げた作戦だった。法務局から依頼され、また本当に雪蓮を愛していた趙大頭が協力したのだ。その事実を知って雪蓮は怒り飛び出していった。
またもや李雪蓮が行方をくらましたと知らされ市長は真っ青。集会まで時間がない。彼女は必ずや北京へ向かう、北京へ通じる道路交通機関を全て検問させた。乗り合いバスで北京へ向かっていた雪蓮はIDカードを盗まれた上に病気で動けないと言い繕う。すると病院へ運ばれたが入院費が支払えない。病院職員監視の下、親族を探して北京の市場へ。そこでついに警戒中の警察に見つかり捕まった。暴れる雪蓮は、しかし秦玉河が数日前に交通事故で亡くなったと聞かされその場に泣き崩れるのだった。

秦玉河への恨みが生きる活力と化していた李雪蓮は全てを失い、首を吊ろうと果樹にロープをかける。すると果樹園の持ち主がやってきて、こんなところで死なれたら迷惑だから、そんなに死にたいならライバルの果樹園で首を吊ってくれと指し示すのだった…。

さらに月日は流れた。定食屋で働く李雪蓮に客の男が声をかける。それは彼女が最初に北京で直訴を起こしたためにクビになった元県長だった。お互いいろいろあったようだがそれなりの生活しているようだなと言う彼に、李雪蓮は真実を話す。マンションの権利目当てに離婚再婚と言っていたが、本当は子供のためだったのだと。中国の当時の政策では二人目の子供を産むことは法律で禁じられていた。彼女と秦玉河には子供がいたが、どうしても二人目が欲しかった彼女は妊娠して離婚したのだ。既にいた子供は玉河が引き取り、出産後再婚する…その約束だったのに玉河は別の女と結婚、裏切られたショックで雪蓮は流産した。生まれてくるはずだった子供のためにずっと戦っていたのだと彼女は言うのだった。(終)
-------ここまで]

おっおー、さすがフォン・シャオガン監督と言うべき最後のオチ!毎度お見事だわー。

主演がファン・ビンビンでタイトルがこれだから絶世の美女が男らを手玉に取ってくラブコメかと思うじゃない、全然違う!ファン・ビンビンが演じるのは美女ではなくごく普通の冴えない女、でも本っ当にメンドくさい女、モンスター訴訟人。モンスター〇〇を相手にすることのある職業の人はこれはなかなかに胃がしめつけられる作品です…本っ当メンドくさいな!(´Д`;)
常人には理解しがたい行動をとる彼女を客観的に見ている故に可笑しさを感じるけど、これ当事者にはなりたくないわー。話は全然違うけど「嫌われ松子の一生」を彷彿とさせる…。

田舎の一人の女の理不尽な主張に地方の首長から法務局から果てには政府高官までが翻弄されるさまを描き、中国の統制の穴を指摘するシニカルな作品。ある意味コメディ。
主人公の李雪蓮が本当にマッドな女で見てる側としては彼女ではなく翻弄される周囲の人々に同情してしまうのだけど、最後の最後にオチが明かされると途端に「むむぅ…。」と考え込んでしまう。この最後の瞬間を見るために二時間以上を費やすのはどうかと思うかもしれないけど、でも見事なので是非!

そして物語以上に印象的なのがその画面。スクリーンの1/3ほどしかない円形の窓から覗くような格好で始まる。どうやら李雪蓮の地元での物語はこの円形の窓で展開し、北京のような都会に着くと今度はスクリーンの半分くらいの大きさの四角い窓に。どういう意味と効果があるのかはよくわからなかったけど、窓が小さいほど"より他人事っぽく見える"ように感じたかな。

しかしファン・ビンビン見直した。中国一の大女優って騒がれてるのも西洋ウケする顔立ちしてるってだけで所詮若さが売りのモデルでしょと思ってた、いやいや顔無しでも(ほぼノーメイク)ちゃんとお芝居できる子なんだーって。


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わたしは潘金蓮じゃない/彩流社

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原作の小説。



長いものに巻かれろ
昨年公開の中国ファンタジーアニメーション。

「大魚海棠」(2016年 邦題「紅き大魚の伝説」 監督/梁旋、張春)
105分

日本語版はありません。日本語版作られたようです(2019.1追記)

海棠(かいどう)の精霊・椿と人間の生まれ変わりの大魚・鯤の物語。

――太古の昔、この地には海だけがあった。人類もまた始まりは魚であった。今人々が海だと思っているものは空であり、その底には真の大地が隠されている。そこには古来からの魚、すなわち精霊が暮らしていた。精霊は人間から見れば人のようであったり妖怪のようであったり獣のような姿をしていた。
精霊は16歳になると七日間だけ空の上の世界、すなわち人類の世界へ旅に出る。椿も16歳になり、年に一度の祭りの夜に開かれる天の扉を通って人類の海へと旅立った。

海辺に幼い妹と犬と暮らす青年がいた。ある嵐の夜、海岸近くで網に引っかかり悲痛な鳴き声を上げる紅色イルカを見つける。青年は海に飛び込みイルカの網をやぶって助けてやるが、自身は大渦にのみこまれ命を落とした。
紅色イルカの正体は、椿であった。彼女ら精霊は人間の世界では大きな魚の姿をしているのだ。椿は自分のために命を失った人間に心を痛める――

[ここからネタバレ--------
椿はどうにかしてあの人間を生き返らせないかと考えた。狛犬の精霊の助けを借り舟に乗って冥府の館へ。冥府の判官は、椿の大切なものと引き換えに青年の命を蘇らせてやると言う。人類が死ぬとその魂は海へ還りこの世界の魂の貯蔵庫に納められる。椿は膨大な数の魂が納められている貯蔵庫からあの青年の魂を見つけ出し、冥府の判官に命を吹き込んでもらった。
椿は小魚の形をしているこの青年の魂に鯤と名付けた。故あって鯤の存在を知った少年・湫と協力して鯤を育てる。しかし自然の摂理に背き死者を蘇らせたことによって異常気象が起こり始めた…。

椿が寿命の半分と引き換えに鯤を生き返らせたのだと知った湫は冥府の館へ行き、自分の寿命を差し出すので椿の寿命を元に戻してほしいと頼む。冥府の判官はそれはできなくもないが椿は鯤が死ねば死ぬし、椿が死ねば鯤も死ぬと言う。そしていい方法があるといって湫に耳打ちする。

鯤はみるみる間に成長し今や立派なイッカクの姿になった。空を自由に泳ぎ回ることもできる。
異常気象は止まず里は洪水に見舞われる。ついに長老に居場所を突き止められ、椿は鯤を差し出すよう迫られた。鯤は椿を乗せて天空へ逃げる。湫は彼の一族の力を使って天の扉…人間世界への扉を開こうとするが、未熟な力のため門は完全に開かず鯤は押し戻され、世界は大洪水に飲み込まれた。椿は代々受け継ぐ樹の法力を全て解放し樹と同化することで海棠の大樹を出現させ皆を救った。鯤は椿がいなくなったことを悲しむが、そこへあの冥府の判官がやってきて椿の寿命の半分を差し出した。復活した椿は法力を全て失っていたが、鯤も湫も喜ぶ。

鯤の魂は人間でありいつかは人間世界へ行かねばならない。鯤と別れるのが辛い椿、そして悲しむ彼女を見て湫は心を痛める。
ついに鯤が人間世界へ帰る時が来た。湫が天の扉を開き鯤は空へと昇っていく。そして湫は椿の手を取って、彼女も鯤と一緒に人間世界へ送ると言う。湫は己の寿命の半分を椿の寿命と交換していた…彼女の幸せが彼のたった一つの願いだったのだ。湫は法力を使いきり炎となって消え、椿は紅色イルカとなって天の扉へと泳いでいく…。

浜辺に打ち上げられた青年、その傍らには、人間となった椿の姿があった。(終)
-------ここまで]

わけわからん・・・・・・。(´д`lll)
これ子供向けでも一般の大人向けでもなく、アート系の作品。国際アニメーション映画祭みたいなところに出品される系統で、マニア向け。
設定は相当深く細かそうで何かのファンタジーゲームのスピンオフなのかなという感じ。たぶんメインストーリーは動物映画によくある「怪我した野生の仔獣を拾って育てていくけど最後は野生に返さなきゃいけなくて別れがつらい」系の話なんだと思う。でも異様に台詞が少なくて、この物語で何が言いたいのか、テーマは何なのかはよくわからなかった。精霊たちは超常的な力を使うので彼らが「何ができて何ができない」のかこちらがわからない故に彼らの苦しみもわからない…。

というわけで物語はオマケとして見た方が良いと思われます。映像はとても興味深いです。ちゃんと中国ぽさのあるファンタジー、「千と千尋の神隠し」的なフシギ世界はおどろおどろしいようなかわいらしいような可笑しさ。冥府の判官(霊婆)とか鼠ばあさん(鼠婆子)とかのキャラデザインはやっぱり「千と千尋の神隠し」を意識してるのかなーなんて。
海の波が雲になって空がいつの間にか海になって…という表現もとても美しい。でもそこに明確な説明はなく、メインキャスト以外の脇役の精霊たちも逐一特徴的で「それは何?」とツッコミ入れたくなる格好をしてて、だからメインストーリーがぼやけてるのかなという気も。色んな部分に"必要性"を感じなかった。一言でいえば「わかりにくい!!」
世界観はおもしろいので、もっと子供向けのわかりやすい物語をまず作ってほしい所。

中国の精霊ものということで「荘子」とか「山海経」の世界。主人公らの名「椿」「湫」も、木へんの漢字の椿は樹の法力を持つ精霊、さんずいの漢字の湫は水の法力を持つ精霊。さらに"つくり"の部分が春と秋である理由も最後の最後に明かされます。


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