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「侠骨丹心」 (2006年 監督/ジュ・ジュエリァン 主演/チェン・ロン)
全36話

侠骨丹心(きょうこつたんしん)DVD-BOX/マクザム

¥24,300
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「水滸伝」のジュ・ジュエリァン(鞠覚亮)監督のアクションヒーロー時代活劇。
世界を支配する力を秘めた奥義書「百毒真経」を巡って繰り広げられる正義と悪の戦い。原作は同名の小説らしい。

――朝廷を牛耳る奸臣・魏忠賢は、会得すれば世界をも支配できると言われる天魔教の秘伝奥義「百毒真経」を入手するため教主の厲勝男を捕える。だが厲教主は武侠・金世遺によって救出された。深手を負った教主は間もなくこの世を去り、「百毒真経」の存在は伝説と化した・・・。
それから20年。
多く存在する武道集団を制し武道界の王に君臨することを目論む六合幇の幇主・史白都。
天魔教を復活させ自らがその教主とならんとする毒術使いの賀大娘ら。
魏忠賢は六合幇・天魔教と手を組み、世に名高い武侠・江海天の暗殺を謀る。
厲教主から「百毒真経」を託された金世遺は20年間離島に隠れ住んでいた。この技を完成させるためには厲教主がどこかに遺したという「百毒真経」の下巻が必要だ。金世遺は弟子である江海天に「百毒真経」の行方を追ってもらうため息子の逐流を彼の元へ遣わす。
中原にやってきた金逐流は、偶然出くわした男装の女に錦袋を奪われてしまう。女を追うが行く先々で騒動に巻き込まれ逃げられてしまった。
女は実は史白都の妹・紅英。竹林へ逃げ込むが力尽きて倒れてしまった彼女を助けたのは、厲教主の甥で天魔教の正統後継者である厲南星だった――

これまた1話目からグイグイくる面白さ!何が面白いって重力に逆らいすぎなワイヤーアクションはもちろんだけど、この作品ではいよいよ「気」みたいなんも出てきちゃってかめはめ波的なものを使って戦っちゃう!パワーよりも、御大層な呼び名のついた「技」が大好きな日本人向きな、これはまさにドラゴンボール実写版w
「織姫の祈り」が典型的少女漫画だとするとこれは典型的少年漫画。悪意がなく奔放で天才的に‪強い青年が主人公で、悪を倒しライバルとしのぎを削りながら成長していくって王道。いかにも少年漫画っぽいラブコメもありつつで笑いの要素もふんだんに取り入れられて楽しく見れる。
もちろんアクションシーンはこの作品の見せ場で、物理学完全無視なワイヤーアクションとか煙モクモク火薬でドッカーンとされると爆笑してしまう(このロークオリティがB級好きにはたまらない(´∀`)b)けど、スローで残像を残したり揺らしたりといった画面効果でスピード感を強調してるのは結構好き。俳優がカメラに対して思いっきりキメのポーズで飛びこんできて相手をなぎ倒すのも漫画のカットみたいで爽快。殆どスタントマン使わず女優さんも本人がびしばし殺陣やっちゃうとこがまたカッコイイ!

この作品は女性陣がすごくキャラが立ってて、ヒロイン史紅英はさばさばしてて芯が強く女性も憧れる男装の麗人、十三娘は正統派意地悪キャラ&エロ担当、賀大娘の熟女 美魔女な怪しさも、燕燕のぶりぶりっ子な妹キャラもなんかツボにはまる。
特にホー・メイティエン(何美鈿)演じる燕燕ちゃんがもう可愛くて可愛くて!!積極的に主人公にアタックしてくる、少年漫画に必須のおてんばキャラ。おとぼけなお爺ちゃんとのコンビが最高!
これ最初全っ然気づかなかったけど主人公の金逐流を演じるチェン・ロン(陳龍)って「水滸伝」の武松だ。やっぱり登場時はパッとしなくてなんで主人公はイケメンじゃねーんだ?と思ったくらいだけど、これがまただんだんカッコよく見えてくるってのが水滸伝と同じ・・・同じ監督だから描き方も似てるのか。
熱血な主人公に対してクールなライバル役・厲南星を演じるのはウォレス・チョン(鐘漢良)。これまた主役格を演じるにはいまいちイケメンじゃねーなって思ったんだけどだんだんカッコよく見えてくる覚亮マジック!二人が義兄弟の契りを結ぶ頃にはすっかり惚れ込んでる(*^□^*)
そしてこれまた冒頭全く気づかなかったけど主人公の父・金世遺がジン・ガンシャン(景崗山)。20年後のお爺ちゃん姿にあれぇ?って二度見。いやーやっぱ髭面が超カッコ良い私好みのイケメンなんだけど、この人にヒーローは似合わんわ。ま、これはこれで胡散臭くてウケたけどw…いや胡散臭い役ではなく悪役が見たいんだって。香港マフィアとか天才詐欺師とかそういうの演ってくれー!
あとは、楊浩が盧俊義(演:ワン・ジェンシン/王建新)だってのはさすがにわかった。でもこの人にはあんまりこういう三下な役はしてほしくなかったな…。

序盤こそいっぺんに人が出てきて人物関係がわかりにくいけど、ちゃんと主人公を中心に物語が進むので最初はわからなくても後から理解できる。回想シーンも丁寧に入れてくれる。
ただ、冒頭で逃げてるお姫様っぽい人が厲勝男だってのはちょっとわからないでしょ。名前に男って入ってるのに女かよー。
…あ、もしかしたら原作では男なのかもな。視聴率的な問題でラブロマンス埋め込むために無理やり女に変えたのかも?結構終盤はラブストーリー中心になってきてるし最終回の最後のオチは取ってつけたようでいかにもTV的な演出かなとも思う。まあTVドラマなんだから数字は大切だよね…。
[----ここからネタバレ含む
だけどさあ、これオープニングとエンディングで思いっきりネタバレしてるのはあかんのとちゃう?最終回、磔にされた紅英が救出されるっての最初からわかっちゃうじゃん!(。・ε・。)
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一話目無料。頑張れば1000円程度で全部見れる。




長いものに巻かれろ
「戦場のレクイエム」のフォン・シャオガン(馮小剛)監督の他の作品を見てみた。

「女帝 [エンペラー]」(2006年 原題「夜宴」 監督/フォン・シャオガン 主演/チャン・ツィイー)
131分
スマイルBEST 女帝 エンペラー スタンダード・エディション [DVD]/チャン・ツィイー,ジョウ・シュン,ダニエル・ウー

¥1,980
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シェイクスピアの「ハムレット」を下敷きに、古代中国の宮廷を舞台にした愛憎劇、かと思ったんだが…。
あ、シェイクスピアには全く興味なくハムレットもよく知らない。生きるべきか死ぬべきかとか言うてる優柔不断男が悶々としてる話だっけ??

――戦乱の五代十国時代。皇太子ウールァンは恋人ワン氏を実の父親である皇帝に奪われ失意のあまり田舎に引きこもり趣味の舞踊に没頭していた。
ある日皇太子の元に皇帝崩御の報せが。さらに叔父が帝位を奪い、ワン氏を皇后に娶ったという。父の敵討ちとワン氏への想いを胸に都へ急ぐが皇太子の命を狙う暗殺者が次々と迫ってくる――

[ここからネタバレ------
都へ戻ったウールァン皇子。ワン皇后は元恋人との再会を喜ぶが皇子は父の死の直後だというのにぬけぬけと新皇后の座についているワンにそっけない態度をとる。
宰相の娘で皇子の許嫁のチンニーは皇子に献身的に尽くすが皇后の嫉妬を買い嫌がらせを受ける。

新帝は兄の息子であるウールァンを早々に消そうと、演武の練習と称して暗殺を試みるが皇后によって阻止される。皇后の即位式で皇子は芝居を披露する。その芝居は皇帝が暗殺されるという物語だった。怒った皇帝は皇子を北方の国・契丹へ人質に出してしまう。道中皇帝の命を受けた暗殺者が皇子を襲うが、皇后から密命を受けたチンニーの兄イン将軍がそれを救う。

皇后は密かに新帝を暗殺しようと企んでいた。夜の宴会で毒杯を準備し皇帝に捧げるが、その杯は皇帝に踊りを披露しようとしていたチンニーの元に巡ってくる。チンニーは毒酒を飲み皇子が好きだった演目を踊る途中で息絶える。異変が起こった彼女を抱きかかえたのは、演芸員に扮したウールァン皇子だった。チンニーの真実の愛を知り嘆く皇子。皇帝は愛する皇后が自分を殺そうとしていた事実を知って愕然とし、自ら毒杯をあおって死ぬ。妹を失って激昂したイン将軍が皇后に襲い掛かるが皇子が自らその刃を抑え阻止。だが刃には猛毒が塗られていた。皇后は将軍を刺殺し皇子を助けようとするが皇子はそのまま亡くなる。

皇帝の血筋が途絶え、ワン皇后が新皇帝として即位した。
だが彼女もある日暗殺者の手にかかり殺された…。(終)

----ここまで]

ちょ、なんだこれ、ハムレットってこんな話なの?( ̄□ ̄;)!!
まさかこのまま終わるまいと思って我慢して見続けた2時間を返してほしい。

あのリアリズム一色だった「戦場のレクイエム」と同じ監督とは思えない、冒頭からまったく毛色が違ってシュールな映像美を魅せる映画。どっちかいうと新進気鋭の若手監督が撮りそうなアーティスティックな作品。
バレエみたいに踊りとか表情で心情を伝える作品になってて台詞はほとんどない。これ別にハムレットじゃなくてもよかったんだろ、適当に題材もってきただけで衣装、メイク、ダンス(アクション)、美術とかの映像美を魅せたかったんだろうな。実際美しいし、美的センスはとっても素敵で冒頭はわくわくしたけど、美人は三日で飽きると言うように、美しい映像も30分で飽きちゃった。せめて物語にどんでん返しあるだろうと期待して我慢して最後まで見たのにオチはなかった。「女帝」だなんていかにも宮廷陰謀劇みたいなタイトルつけておいてこりゃないぜ。陰謀ナッシング。これは敢えて言えば恋愛ものか。

色彩豊かな画面とか、舞台作品のようなしなやかで息をのむような動きの舞踊には実際引き付けられる。ワイヤーアクションがなかったら統一感あってよかったのに。吊られてる時の人の動きがどうも美しくないんだよねぇ。アクションじゃなくダンスと割り切って、劇団四季ミュージカルみたいに仕上げた方がこの作品には合ってたと思う。
…まあでもやっぱり話がダメだよなー( ̄Д ̄;;
話を魅せるための美術とか演技であって、話がどーでもよければ映画ではなく舞台でやるべき。これ最後いいオチ思いつかなくて面倒くさくなって適当に書いたんじゃねーのって疑ってしまう、あまりにお粗末な結末。
この邦題もダメだ、主人公は「女帝」なんて単語から想像されるような精神の強い女性ではない。強がってるだけの俗人なので見ててイライラする。なお[エンペラー]で[エンプレス]でないのはわざとです。誤訳じゃなくわざとだってことは最後まで見ればわかる。逆に、最後までわからんからカッコイイ女性像とか陰謀劇を期待して失敗する私のような人が続出すると思う。
重ねて言います、この話にオチはありません、期待しちゃダメ!

この映画もセリフはゆっくり丁寧なのでほぼ聞き取れるけど、聞き取れたところでとくに面白味はない。セリフ必要ないしなー。



TSUTAYA DISCAS
2枚ずつしか借りられない。そしてひと月に4枚借りねば損…。
只今1勝2敗。(´д`lll)




長いものに巻かれろ

映画を見てる間にもひそかに連ドラは観てて。
やっぱり宮廷劇が見たい!ってことで人気ドラマらしいこれを。

「織姫の祈り」 (2010年 原題「天涯織女」 監督/リー・クォックリー 主演/チャン・チュンニン)
全36話
織姫の祈りDVD-BOX1/マクザム

¥13,500
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中国織物の母と呼ばれる宋~元時代の女性・黄道婆を主人公にした物語。
この作品は中国版「チャングム」だと言われてるらしい。

――かつて腕利きの機織りであった母を病で亡くした幼いチャオアルは、母と義姉妹の誓いを交わした高名な機織師ロンに弟子入りし織女としての修業を積む。
皇帝の寵愛を受けるオー貴妃が自らの衣装を作らせる専用の工房を作った。そして城下の有名な工房が腕比べをし、優勝した工房の織女が宮中で働けることに。あこがれの宮中を夢見てチャオアルらは意気込むがロン師は腕比べには参加しないと宣言する――

序盤の主人公が職人としていろいろ発明したりして活躍していく話は確かに「宮廷女官チャングムの誓い」と似てる。でももっとキャピキャピしてて現代風で単純明快、宮廷ドラマ特有の毒気が抑えられてて、世界名作劇場的なノリ。恋愛もいやらしくなくさわやかで青春でベタな少女漫画的展開。健全!若い女の子がきゃあきゃあはしゃぎ回っておしゃれや恋バナに花をさかせてるのが微笑ましくてかわいいなー。豪華絢爛な衣装や反物も素敵。後半になると乱世の時代に入って真面目な展開が続くけど、ある意味道徳的な訓話を含んでて、中学生~高校生あたりに見せたい、そして彼女たちが楽しめる解りやすいドラマになってる。
一話一話ごとにきっちり起承転結を埋め込んでてハラハラさせたり涙をさそったりで続きが見たくなる引きであったり、最終回の第36話でさえ主人公たちがこの先一体どうなるのか予想できない完璧な盛り上げ方、そして少女漫画的な感動のエンディング!!これぞ連ドラ!というべき良作です。
[ここからネタバレ含む-----
最後ロン師とフォン師が定住した扶桑って、日本のことだよね。服とか髪型も和風にしてあって芸が細かい!この頃の日本は鎌倉時代らしい。
-----ここまで]

えーこれには存在感抜群の大御所女優、「美人心計」で呂太后を演ってたダイ・チュンロン(戴春榮)さんがライバル工房の師匠グワン役で出ておりまして、もうこれだけで楽しい展開が期待できるっていう。日本人で言えば加賀まりこのような存在感。出てきた時はうおーって思わず拍手!ヽ(`∀´)/
主人公チャオアルを演じるのはチャン・チュンニン(張鈞甯)という若かりし頃の石原さとみのように爽やかな少女。最初はやっぱり子供っぽいけどだんだん大人の女性になっていくお芝居はさすが。相手役はネタバレになるので書かないけど候補が二人いて片方は手堅い思われたけど意外な展開、そして実は本命の方は最初はパッとしなかったのに最後は大泣きしてしまうほどカッコイイ役どころで。あなたはどっち派?って感じかな。私は…どっちもいやだ!(´Д`;) 大人の目で見るとどっちもどっち。
一番ステキだったのはジァイー公主を演じるリウ・シーシー(劉詩詩)ちゃん。やはり大陸人らしい目元がキリッとした美人さん。(*^▽^*) 意地悪な役も似合うし優しい役も似合うねぇ。

チャオアルの恋人(だと思ってるのは本人だけ)のファン・ニン(方寧)の事をみんなリンダンランて呼んでて一体どういう字なのか気になったので、ネットで調べようとしたけどどこにも書いてなくて、仕方なくまた例によってYouTubeで中国語字幕版をチェック。
すると
 リン:鈴
 ダン:鐺(金へんに当、または金へんに當)
 ラン:(口へんに郎)
リンは字の通り鈴。ダンは鐘とかを打ち鳴らす音。ランは最初は太郎次郎とかの郎で男性の事かと思ったけど、口へんに郎だと物がぶつかって響く「ガーン」って音の事らしい。
ということはリンダンランてこのあだ名はとにかくガチャガチャ騒がしい男って意味だろうね。


ドラMAXアリーナ
一話目無料。頑張れば1000円程度で全部見れる。



長いものに巻かれろ
「戦場のレクイエム」(2007年 原題「集結號」 監督/フォン・シャオガン 主演/チャン・ハンユー)
124分
戦場のレクイエム [DVD]/ブロードメディア・スタジオ

¥4,104
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これも映画。ツタヤは二枚単位でしか借りられなくて「鴻門宴伝奇」と一緒に借りたのがこれ。チャン・ハンユー(張涵予)の出世作らしい。
第二次世界大戦直後の中国の内戦を舞台にしたヒューマンドラマ。原題の「集結號」は軍隊で合図に使うラッパの事みたい。

――1948年、中国内戦の時代。グー中隊長率いる第9中隊は敵の猛攻に遭い大きな痛手を受けるが、充分な人員も補充されないまま次に最前線の旧炭坑の防衛を命じられる。先の戦いで指導員(参謀のような役割?)を失ったグー中隊長は、元教師で戦いにおびえるワンを新たな指導員に指名し戦場へ連れていく――

[ここからネタバレ------
まもなく敵の大群が旧炭坑に迫る。次々と仲間が倒れて行き圧倒的不利な状況。全身大火傷を負ったジァオ小隊長が「撤退合図のラッパが聞こえた」と言い残して息を引き取る。だがグー中隊長は砲撃で耳をやられていてラッパは聞こえなかった。ラッパが鳴ったのか部下たちに訊くが皆口をつぐむ。
上官であり古くからの友人でもあるリウ連隊長から「撤退合図があるまでは最後の一人になっても戦え」と言われていたグー中隊長は、ラッパの音が確認できなかった以上撤退はできないと決断。残った部下らと特攻する。
・・・この戦いでグー中隊長を除く47人全員が死亡し第9中隊は壊滅した。

間違って捕虜として病院に収容されたグーは第9中隊の隊長だと言うが全く信用されない。軍隊の改変が繰り返され第9中隊の存在自体がわからなくなっていたからだ。
グーは軍に残るため砲兵に志願し、後に朝鮮戦争に参加。アメリカ軍の戦車隊を奇襲に向かうが、若い中隊長アルドゥが雪の中地雷を踏んでしまい動けなくなる。グーはアルドゥの靴を支えゆっくり足を抜かせて脱出させ、奇襲作戦が成功したのを見届けて自ら地雷を浴びた。

1955年。終戦後殉職者には相当の手当てが支給されたが、遺体が見つからなかった者は失踪扱いとなった。地雷で右目の視力を失い退役したグーは、街で偶然にもあの元教師ワン指導員の妻スン氏と出会う。故郷ではワンは軍に処刑されたとの噂が立って家族は肩身の狭い思いをしているという。グーは彼の名誉のためにスン氏と共に第9中隊が全滅した旧炭坑を探す。だが戦争後殆どの炭坑は埋められてしまっていた。
グーは今は軍の連隊長になったアルドゥに協力を依頼。アルドゥは恩人の頼みを快諾するが、上層部は思うようには動いてはくれなかった。

ある日、アルドゥの元に第9中隊の資料が見つかったとの報せが。関係者の話を聞くためグー達は待ち合わせ場所の殉職者霊園へ行く。そこにはリウ連隊長の護衛官をしていたリァンが待っていた。ラッパ係だったリァンの事はグーも覚えていた。
リウ連隊長は朝鮮戦争で亡くなったらしい。リァンの話では全軍撤退時に無線が壊れていて撤退命令が届かずリウの連隊は必死に戦い続けていたというのだ。
リウの墓前で、グーは自分もあの時撤退のラッパの音が聞こえていれば仲間たちは死なずに済んだのにとこぼすが、それを聞いたリァンが第9中隊に撤退ラッパは吹いていないと言う。撤退命令は出されなかった、リウ連隊長はあの時連隊の全滅を避けるために第9中隊を犠牲にしたのだ…。

記録では第9中隊の仲間達は失踪扱いとなっていた。遺体が見つからなかったからだ。
グーは旧炭坑を探して鉱山を掘り返し始める。仲間の遺体は必ずどこかに眠っているのだ。鉱夫達に煙たがられてもグーは止めようとせず黙々とつるはしを振るい続けるのだった。
そして幾月かが経ったある日、第9中隊隊員を殉職者として認定するとの報せが届く。リァンが上層部に第9中隊の事を証言しそれが認められたのだ。
なのに、彼らの遺体はまだ出てこない…。

1958年、ダム建設のため工事が行われていた現場の廃坑から47人の遺体が発見された。グーはあの時、最後に残ったワン指導員と二人で仲間たちの遺体を炭坑の奥へきれいに並べ、敵に荒らされぬよう入口を爆破して封鎖しておいたのだ。
第9中隊の慰霊碑が建てられグーと仲間たちには勲章が贈られた。
慰霊碑の前でリァンが吹く鎮魂のラッパは空高く鳴り響く・・・。(終)
----ここまで]

あーーすごい物語でした。戦争の虚しさがよく描かれた、ノンフィクションかな、いい話だ。前半は戦争もの、後半はヒューマンドラマ。でもアメリカが作るような攻める戦争ものと違って内戦だから、すごく虚しい。自分と敵は同じ立場。なぜ殺し合いをしなければならないのか。最前線で戦う一人の兵士の命は戦争という括りの中では砂粒くらいにしか見られない、そういう虚しさ、理不尽さ。
終盤でリァンから話を聞いたグーが激昂するシーン、リァンが「あれは戦争なんだ!」と言う。このセリフは重い。誰だって人を殺したり犠牲にしたいなんて思わない、でも自分たちが生きるのに必死で、そしてそれを責めることはできない。理不尽を"まかり通させて"しまうのが戦争。

ホント素晴らしい作品でした。
結構細かく伏線が張られていたので確認するため二回観たけど、戦闘シーンはいやにリアルでこれを二回見るのは気力が要る…。(-"-;A
主演のチャン・ハンユー、これでブレイクするのわかる。話がいいし、自然で細やかな芝居。グーは聖人君子じゃない。自分と自分をとりまく身近な仲間の事だけを考えてる、ごく普通の人間。決して格好良い主人公ではないし時に痛々しいこの等身大の人物の描き方(演じ方)がリアルで共感と同情を呼ぶ。「水滸伝」の潯陽楼に反詩を吟ず(第38回)でその繊細な芝居に感銘を受けたものだけど、これ見て納得。こんな実力派俳優さんにエセ道士風な張良なんか演らせちゃダメ!w
あとワン指導員を演じたユェン・ウェンカン(袁文康)、熱演でした。実戦に恐怖するワンは観客を写す鏡。解りやすい役だけど、若いのにあそこまでぼろぼろの表情を出しきれるのは俳優さんとして好印象。ワンが短い時間でどんどん意識的に変わっていくさまに引き付けられました。

あ、セリフは殆ど聞き取れず。普通に洋画を見てる感覚で。話に見入ってしまって聞き取ろうとか思わなくって。
一点だけ気になったのは、グーが名前を聞かれて「谷子地」だと言ったのに「谷子弟」と間違えられて怒ってる所。調べたら地と弟はどっちもdiで第4声。なんで「子弟」と間違えられたって分かったのかがわからない。メモが見えたのか?人の名前でズーティ(zi3di4)だと「子弟」がメジャーだからか?


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2枚ずつしか借りられない。そしてひと月に4枚借りねば損…。





長いものに巻かれろ

「項羽と劉邦」(2011年 原題「鴻門宴伝奇」 監督/ダニエル・リー 主演/ウィリアム・フォン、レオン・ライ)
135分

項羽と劉邦/White Vengeance [DVD]/レオン・ライ,ペン・シャオペン,リウ・イーフェイ

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これは映画。わざわざこのためにツタヤの会員になったよ。
"項羽と劉邦"はこれも言わずと知れた中国史の有名エピソード。日本史で言えば源氏と平家の戦いみたいな立ち位置かな。
これには我らが大哥、「水滸伝」で宋公明を演じるチャン・ハンユー(張涵予)が出てるので見てみたんだが…。

――漢の高祖・劉邦が亡くなって十数年後、「鴻門の会」の舞台となった遺跡を師と学生の一団が訪れる。堂内には無名の位牌が並んでいた。師と学生らは正面の位牌に向かって拝礼するが、一人の老人が現れそれは高祖ではなく項羽の位牌だと言い出す。宿敵を同じ堂内に祭るわけがないと師は反論するが、老人はある昔話をはじめた。その物語は高祖が項羽と初めて出会った、始皇帝暗殺事件からはじまる――

[ここからネタバレ------
多くの諸侯らが集まる行事で始皇帝暗殺を謀る楚人の武将・項羽。そして劉邦の一派も暗殺を企てていた。両者は互いにその動きを察して牽制し合う。暗殺は失敗に終わるが、項羽と劉邦は互いに目的を一つとする義兄弟となる。
ある日項羽は街で楚歌を歌う芸妓・虞姫を見初め側に置く。
また劉邦は碁打ちの名人・張良を軍師に招く。

始皇帝崩御の後、項羽は各地の反乱軍を先導。楚王から都に一番乗りした者に玉璽(皇帝の印)を与えるという言質を取り、愛姫・虞姫は劉邦の別働隊に護衛させ自身は都・咸陽を目指す。だが劉邦は部下に説得され項羽を出し抜いて先に都入りを果たし玉璽を入手する。
裏切られた項羽は鴻門に劉邦を呼び出し玉璽を取り上げ殺そうとする。同行した張良が項羽の軍師・范増と碁で勝負し時間を稼ごうとするが、勝負は范増が圧倒、項羽は劉邦が張良を切り殺せば命は助けてやると言う。劉邦はやむなく張良を殺そうと剣を振り上げるが項羽が自らそれを阻止。元から張良を殺す気はなく、劉邦の小心ぶりを笑いものにするための策だったのだ。
項羽は秦を制し覇王となる。劉邦は漢へ左遷された。項羽は張良を招き部下に加えるが、張良は項羽に従うふりをして范増が裏切ったと吹き込み、范増は職を解かれる。そして自身はそそくさと劉邦の元へ戻った。

項羽の政策に不満を抱く諸侯が増え、項羽は今度は劉邦らに追い詰められていく。
漢軍に取り囲まれた項羽は兵士たちが楚の歌を奏でるのを聞き、劉邦が既に自国楚の民を掌握してしまったと考える。そこへ劉邦がやってきて降伏を勧める。虞姫は劉邦から懐刀を借り、項羽の腕の中で自害する。そして項羽も後を追った。

劉邦は皇帝に即位するが、范増が仕込んでおいた秘策によって韓信、張良、樊カイなどの良臣が次々と陥れられ殺害された。
晩年、劉邦の元に一人の道士がやってくる。死んだと思っていた張良だった。劉邦は天下を取っても常に猜疑心に囚われ何一つ自由にはならなかったと嘆く。そして張良に、鴻門に自分のために命を落とした者たちの無名の位牌を祀ったと告げる。

――老人の話はこれで終わる。そして老人は項羽の無名の位牌の隣に虞姫の無名の位牌を並べ立ち去って行った。(終)

------ここまで]
※あくまでこの映画の物語であって、史実とは異なります。

なんじゃこりゃ。( ̄□ ̄;)
一体どこからツッコめばいいのやら…。

ええとまず、これ邦題に騙されたけど時代劇じゃありません。
企画もののアイドル映画。
日本でもよくある、人気漫画を実写化してモデル系イケメンを主役に据えてあからさまに若い女性の集客を狙い原作ファンをがっかりさせる、あれ。
これはまた奇想天外にアレンジしちゃってえらいことになってる。衣装も髪型も俳優の佇まいに仕草まで、全部現代風というか今時ありがちなゲームかアニメの世界。いろいろ西洋風なものが混じって寄せ鍋的様相を醸し出してる…。
メインキャストが項羽役のウィリアム・フォン(馮紹峰)、劉邦役のレオン・ライ(黎明)、虞美人役のリウ・イーフェイ(劉亦菲)、この三人で集客狙ってるのかな。でも残念ながら劉邦は主役格のはずなのに影が薄い。項羽がずば抜けてかっこよすぎるのと、劉邦の周囲に控える仲間が個性的すぎて劉邦はただ面が良いだけの凡人…はっきり言って見せ場ナシ。
とりあえずこれは史実の「項羽と劉邦」好きは観てはいけない作品。特に劉邦派(私)は。歴史ものじゃなく、なんちゃってなB級娯楽映画。

これまででだいぶ慣れてきたのもあるんだろうけど、この映画の台詞は大半聞き取れた。もちろん字幕見ながらだけど「ああ確かにそういう事を言ってる」ってわかった。映画だとやっぱり皆がわかるように普通語を話すのかな、知ってる単語の頻度が高かった。TVドラマみたいな早口じゃなく皆ゆっくり丁寧に喋るし。

本来の話はこのあたりをお読みください。
項羽と劉邦 (上) (新潮文庫)/司馬 遼太郎

¥767
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じゃあ順番にツッコミを。[ネタバレ含む]

・始皇帝暗殺で自ら槍を手に突撃する張良…いやまさかこれが張良だとは思わなかった。しかも韓王ってことになってる?(ホントは家臣だよね?)
・仙女が全くもって神々しくない。むしろ卑猥。つーか何故ここだけファンタジー?
・虞美人のとってつけたようなお色気シーン。こんな若い子に脱がすなんてかわいそう!!
項羽、劉邦、虞美人がなぜか三角関係。
・本陣にあっさり強盗に入られる劉邦。あかんやろ。いや虞美人も一人も小姓つけてないのは襲ってくださいと言わんばかりだ。
・張良の部下の女の子はAKBにでもいそうなアイドル。
・張良と范増の碁の勝負はまるで安いアクション伝奇もの。ベテランさんにこんな芝居させるなよー小っ恥ずかしくて見てらんない!
・四面楚歌のタイミング遅くね?しかも歌じゃなく笛の演奏だし。
劉邦に見守られながら項羽と虞美人心中。なんだそりゃ。そして眠ったように綺麗な顔で綺麗に倒れる。いやいやいやないし!
・レオン・ライの皇帝姿めっちゃ似合うー!むしろこの続きが観たい。
・なんで最後張良は虞美人の事が気になるの?あんたこのカップルに何の関係もないよね?

・項羽、超絶イケメン!めちゃカッコイイ。でも貴方がワイルドに髪下ろしてると西洋人にしか見えないんだわ。この人「美人心計」でイケメン劉章やってた人だった。髪まとめれば中国人に見えるのになー。
・虞美人、芝居がもろに現代人。とってもかわいらしいけど姫としての気品はゼロ
・劉邦、貴方はイメージ通りで(まぁだいぶ美化されててw)素敵でした。だけど肝心のカリスマ性がないがしろにされてて。劉邦からカリスマ取ったらただの野郎…。
・張良、をなんで公明哥哥が演るの…orz。松尾芭蕉を高橋英樹が演るくらいミスキャストでしょ。この人が目立ち過ぎで劉邦がすっかり喰われてる。
・范増、もイメージが違いすぎてショック。チャン・ハンユーが范増役かなと期待してたのに、小汚いジジイじゃん!項羽陣営はイケメン揃いであって欲しかった。エリートな項羽に庶民的な劉邦が勝つってのがこのエピソードのカタルシスじゃんかよ、そんなぼろ雑巾みたいな爺さんに勝ってもすっきりせんわ!
・韓信、チャラい。こいつが股くぐったいうんか?
・樊カイ、顔は槇原敬之みたいだけどめちゃかっこいい。でも君が劉邦の唯一のアイデンティティである「義」の部分を持ってっちゃったから君の主人はただの凡人に…。

このB級さはTVドラマならアリだけど、映画にしちゃあダメだよ…。


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