80分

※日本語版はありません。
中国の有名な寓話。剣の名匠である父を殺された息子が遺品の剣を持って復讐に挑む。
――春秋時代。楚王は国を象徴するような唯一無二の剣を造るよう命じるが、国内のどの剣匠も王を満足させる剣を造ることができなかった。怒った王は剣匠を次々と殺していった。このままでは職人らが殺されていく一方だと危惧した朝臣が呉国に住む名匠・干将を訪ね剣を造ってくれるよう頼んだ。当時楚国と呉国は敵対しており干将は敵国にに加担する真似はできないと拒むが、職人らの命を救うためと言われやむなく剣を造り始めた。
干将と妻の莫邪は苦心の末ふた振りの鋳剣を造りだした。自分たちの名を取って干将、莫邪と名付けた剣のうち莫邪剣だけを持って干将は楚王の元へ。楚王はその剣の出来に大いに満足するが、剣の名を知ると、国の力を象徴する剣が女名なのは許せないといって干将を処刑した。
十年後。干将の息子の赤は父親の仇を討つため母に内緒で旅の剣客・宮から剣技を学んでいた――
[ここからネタバレ------
病に臥せっていた莫邪は息子に干将剣を授けると息を引き取る。赤は母から仇討よりも生きることを選ぶようにと言い残されたがやはり仇討をあきらめることができず干将剣を持って楚都へと向かった。
首尾よく楚王の部屋に忍び込んだ赤は楚王を襲うが逆に剣を奪われ突き付けられた。楚王はその素晴らしい剣と赤の顔を見て彼が干将の息子であると気づいた。だが楚王は赤を殺さずついてこいと言う。
楚王が連れてきたのは干将の墓だった。楚王は当時短絡的に彼を処刑してしまった事を後悔しているといって去っていった。赤は父の墓の前で泣き崩れる。
剣客・宮は実は楚王の暗殺を狙っていた。楚王が帰城したところを狙うがあと少しのところで失敗する。殺されそうになった彼を救ったのは赤だった。
赤は宮の案内でとある隠里へやってきた。ここは楚呉の戦で焼かれ村を追われた人々が集まっているのた。宮はこの里の人々のために楚王を暗殺しようとしていたのだ。そして実は、楚王の弟・長楽君がひそかに彼らを支持しているのだった…。
赤は隠里で会った娘・桑桑と恋仲になる。だが隠里の存在が楚王にばれて軍隊が里を襲った。桑桑は楚将軍に犯され殺された。赤は帰り道の軍隊を襲い将軍を討ち取ったが赤を庇って宮は帰らぬ人となった。
楚王の元には幾度となく暗殺者が差し向けられたが、命を狙われていると知っている楚王の万全の準備にことごとく失敗した。
長楽君から暗殺者・冷の存在を教えられた赤。彼女は十数年前楚王の暗殺を試みたが失敗しからくも逃れた。隠者となった冷の元を訪れた赤。冷は未だ楚王の暴政が続く国のために赤に協力する。それは彼女自身の首を差し出すことだった。
長楽君は王の元に参内し名剣・干将を手に入れたといって献上した。莫邪剣と対になる干将剣は間違いなく名剣の光を帯びており楚王は大いに喜ぶ。長楽君はさらに朗報があるという。かつて王を暗殺しようとした女・冷の首を持ってきた者がいると言うのだ。楚王はすぐにその者を召し出せと命じる。
赤は冷の首を持って楚王の前に参内する。冷の首を見た楚王は間違いなくあの時の暗殺者だと言って嗤い、すぐに首を釜茹で(処刑方法の一つ)にしてしまえと命じる。ぐつぐつ煮えたぎる油釜が準備され、楚王はその前で高笑いする。その時、赤が干将剣を掴むや否や一刀のもとに楚王の首を刎ねた。首はまっすぐ油釜の中へと消えていった。
その後、長楽君が王に即位し楚呉の戦争は終わった。赤の行方は誰も知らないが剣の伝説だけは今も残っている。(終)-----ここまで]
うーん…誰向けの何の目的の映画なんだろうと首を傾げる作品だった。物語の大筋を知ってる上での早すぎる展開なので、子供向けの教養ドラマかなと思う。でも子供向けならもうちょっと主人公の赤を格好よく共感できるキャラクターにしてほしかったという気が。登場人物のキャラがみんな似たり寄ったりで区別がつかない…。
色々とダメ出しだらけの作品だけど、おそらく若手の、大学出たての新人監督とかが撮ってると思われる。インディーズ映画だと思うと結構頑張ってるなという感じはする。ただ頑張る方向が違うというのか…格好良いと思ってやってる演出(スローモーション、キメポーズ等)が「誰が見て」格好良いと思うのかがわかってない感じ。
冒頭からキャストが全員20代30代で統一されてて老人役があまりに若すぎるとか、美術・メイクも安っぽいし、一国の王の部屋に簡単に潜入できるとか王様が供を連れずに刺客と出歩くとかもうツッコミ所満載で、舞台劇と間違えてるんじゃないかという演出。(舞台劇なら演出のしようによってはアリなお芝居や脚本。)でもストーリーがこんだけ端折っててもちゃんと分かるようになってるところはちゃんと考えてるなって気が。人間の心情はまったく描けてないからダメなのものはダメなんだけどさ…。
監督はなぜこの作品を作ろうと思ったのか、この作品によって誰に何を伝えたいのか、誰に何を考えてもらいたかったのかとか、そういうところもっと頑張ってほしいよね。「なぜあなたは映画を撮るのか」という所を…。