124分

※日本語版はありません。
英題は「Hold Your Hands」で「手を繋いで」の意味。
――山奥の村・十八洞村は棚田が広がる美しい大自然に囲まれ人々は昔ながらの農耕で暮らしている。だが若者を中心に人々は都会へと出て行き過疎の一途を辿っていた。
楊英俊の息子も都会へ出て行ったきり帰ってこない。脳に重い障害をもつ孫の"小南瓜(カボチャちゃん)"を引き取り妻と三人で暮らしていた。ある日政府の役人らがやってきて楊英俊の家を貧困家庭に認定すると言う。認定されれば政府から援助金がもらえるので村人らはよかったじゃないかというのだが、楊英俊は自分たちが食べていくのに困っておらず慎ましやかに暮らしているだけなのに貧民だと蔑まされたと怒り出す。政府から派遣された貧困家庭支援チームはどうすれば楊英俊の家庭の収入を増やせるか連日会議を開く。頑なな態度の楊にチームの一人は呆れて辞職し去って行った。チームの一人・王申は楊の農業を手伝って少しずつ彼と打ち解けていこうとする――
そんなびっくりするような結末もないのであらすじは省略。
少数民族ミャオ族が暮らす湖南省の十八洞村の村おこしを描いた実話だそうで。まるで観光地のようなそれはそれは美しい棚田の風景。けど実際その地で暮らす人々の生活は不便の一言に尽きる。高低差が激しく車がやっと一台通れる道はすぐに山崩れで進めなくなり病院へ行くにもバスもないから歩くしかない。でも長年その暮らしを続けてるから当の本人らは不便だと思った事はない。この作品は都会の人と田舎の人、あるいは保守的な人と先進的な人の"考え方のすり合わせ"の過程を描いてるとも言える。
物語自体は地味だけどシリアス一直線にならないよう時々コミカルに演出。でも物語以上に、映し出される風景の美しさに釘付けになる。晴天の青空を映し出しキラキラ光る棚田をドローンか何かでダイナミックに映し出してるシーンが何度も出て来て、また十八洞村の土地色らしい平らな石を積み上げた石垣や家の屋根、鶏や水牛、豚など生活に結び付いた風景を写すカットを幾度も挟んでて癒される。
そして彼らの昔ながらの暮らしを守りながら助けになりたいと奮闘する若者らの心も同じくらい美しい。
楊英俊を主人公として彼の心の変遷を物語の中心に据えようとしたみたいだけど、なんかもっと頑固親父みたいな人が演ってるとわかるんだけど演じるワン・シュエチー(王学圻)が最初から物分かりの良さそうなおじさんなのでその心の変遷がいまいちわかりにくかったというか…。その彼をほどよい距離を置いて説得し続ける若者・王申を演じるバイ・ウェイ(白微)は自然体でフレッシュな演技が良かったなぁ。とても今時の若者らしい。
Pangzi