「大閙天竺」(2017年 監督/王宝強 主演/王宝強、白客)
100分

※日本語版はありません。
タイトルは「天竺(インドの旧名)で大騒ぎ」。
天竺と言えば「西遊記」なわけで、西遊記パロディのアクションコメディ。
――財閥・唐グループのビル建設予定地に頑なに立ち退きを拒む一人の青年がいた。彼は無数の猿と暮らし自らも猿のように自由自在に動き回るカンフーの達人・武空。唐グループの李副社長は力づくで彼を追い出そうと大勢で押しかけるがあっけなく撃退されてしまった。
その直後、唐社長が亡くなった。彼はグループの財産を託すことを記した遺書をインドに保管していた。社長は臨終の間際に息子の唐森に、インドへ遺書を取りに行くように言い残す。しかも例の猿の青年を護衛に連れて行けと…。
武空は傷害と器物破損の罪で投獄されていたが唐森は出してやるのでインドへ一緒に来いと言う。武空ははじめ拒むが、このまま投獄され続けていれば家にいる猿達が保健所に収容されてしまうぞと脅されやむなく承諾する。唐森は唐グループの御曹司、くれぐれも怪我させることないようしっかり護衛するようにと言いつけられ、武空は唐森と共に飛行機で一路インドへ…。――
[ここからネタバレ-------
インドでは唐グループの担当者・朱天鵬が空港まで出迎えてくれたが、金銀ド派手な格好をした兄弟が唐森を狙ってると勘違いした武空は彼らを殴り倒し騒ぎになる。ところが実は金銀兄弟は本当に唐森の命を狙っていて、武空、唐森、朱天鵬は急いで車で逃げ出す。
唐グループのホテルに着くと唐森は武空にもう用無しだといって帰らせる。ホテルでは大勢の美女と、令嬢・呉静が待っていて、呉静は唐森に結婚を迫る。そういえば以前酔っぱらって彼女を口説いたのだった…酒の上での話で冗談だったと弁解するが呉静は逃がさないと追い詰める。そこへ武空が戻って来た。帰り賃がないのだ。唐森は武空に助けを求めるが武空は金を貰うとさっさと帰ろうとする、が、美女らが武空に襲い掛かる。実は彼女らは武空達を暗殺するよう密命を受けていたのだ。
武空は暗殺者らと戦い唐森を連れて逃げる。その後も金銀兄弟に見つかり追いかけられ、地元の激辛大食い大会に飛び入り参加して優勝するもトラブルになり追いかけられ、はぐれていた朱天鵬に呉静とも再会して四人は遺書を取りに行く旅を続ける。
久しぶりに電波が届くところへ来た武空は朱天鵬からスマホを借りて自宅に設置しているカメラで猿たちの様子を見る。ところが、唐森を護衛すれば自宅は壊さないという約束だったのにそこに写っているのは瓦礫の山だった…。武空は唐森が約束を破ったと怒って立ち去って行った。実は彼には生き別れの弟がいて、頑なに立ち退かないのは、家がなくなってしまえば弟が帰ってこられないからだった。
唐森、朱天鵬、呉静の三人になったところへ、新たな刺客が立ちはだかる。それは金銀兄弟のボス九霊元聖で、唐森が唐グループの後継となるのを阻止するため李副社長が差し向けたのだ。唐森らは一撃で倒されるが、そこへ武空が現れる。九霊元聖と激闘を繰り広げるが海へと突き落とされる。海の中で如来の姿を見た武空はそこで如意棒を手に入れ、九霊元聖を叩きのめした。
やっと遺書があるという寺院にたどり着いた唐森と武空。待っていた僧は唐森の叔父だと名乗る。そして唐森と武空が実は兄弟だという真実を告げる。二人がまだ幼い頃、一家でインドへ遊びに来ていた際に武空が市場ではぐれてしまい行方不明となっていたのだ。父は唐森を連れ中国へ戻ったが叔父は武空を探すためにインドに残ったのだ。臨終の間際に武空が生きていることを知った父は事の次第を説明させるために唐森に武空を連れていくよう言ったのだろう、と。
唐グループを継いだ唐森は武空のために彼の猿達が安心して暮らせる岩山を買った。すると孫悟空が現れて武空の手を引いて空高く飛んで行った。(終)-----ここまで]
物語はまあ大定番な展開で、巧みに西遊記をパロって現代劇に仕立て上げてて面白かった。主人公の武空(ウーコン)が孫悟空(スン・ウーコン)、唐森(タン・ソン)が唐僧(タンソン)…中国では三蔵法師の事をこう呼ぶ。朱天鵬は猪八戒(朱と猪はどちらもチューと発音)、呉静(ウー・チン)はたぶん沙悟浄(シャー・ウージン)。
唐森の暗殺を企むウェーイな格好の二人組はどう見ても金角銀角だしインドの激辛大会の主催者は牛魔王をイメージしてるんだろう。
でも古くさくならずに、カラフルでポップで若者にすんなり受け入れられそうなエンターテイメント性に溢れてて、そして金のかかったアクションシーン、ロケ、CG、ゲスト。初監督作品がこれって凄いな…ジャッキー・チェンみたいに"本格アクションを魅せるコメディ"を作る新世代になるんじゃなかろうか。
しかしこれは主役格の二人…武空役ワン・バオチァンと、唐森役バイ・コー(白客)の手慣れたコメディアンっぷりが最強!良いコンビ!
スニーカーを履いたカンフーマン、ワン・バオチァンはなんといってもアクションがめーっちゃくちゃカッコイイし、童顔で表情豊かなとこがおばちゃん的には可愛くて可愛くて仕方ない。バイ・コーはB級コメディ「万々没想到」で主人公の王大錘を演ってた人で、本作では主にツッコミだけど隙あらば画面の端でボケてたりして芸人魂を感じさせて好印象。ワン・バオチァンは監督だし元々武術やってる人だから体を張るアクションはお手のものだろうけど、バイ・コーもけーっこう体張ってて、芸人魂だわ…。
パロディ作品なので物語としては「西遊記」を知らないとキビシイものがあるけど、アクションコメディなので話は二の次。流行のインド文化を採り入れたアクションものと考えれば日本に輸入されてもおかしくないかなーなんて。
YOUKU
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