ドラマでお勉強-大軍師司馬懿之軍師聯盟 #5 | あさひのブログ
「大軍師司馬懿之軍師連盟(全42話)」第十五集27分頃から。
楊修らが崔家に賄賂を贈っていた証拠の記録絵を入手した司馬懿は兄の潔白を訴えるため荀彧に口添えを頼みに行く。
* * * * *

「令君にご挨拶申し上げます。(*1)」
「まあ座りなさい。」
荀彧は司馬懿に席を勧める。
「君はきっと来るだろうと思ってたよ、用事を言ってみたまえ。」
「令君(*2)、司馬門の事件からもう数日が過ぎましたが、結局の所誰が司馬門に勝手に闖入したのか、令君はお心内できっとお分かりのはずです。」
「ではどうする。」
「我が家の兄の命が差し迫ってます、私は令君に魏王の前で我が兄の為に正しい話をして頂きたいのです。」
「この事件は魏王自ら審理され、既に結審したのだ。」
「魏王は崔申の証言を元にしました(審判を下した)が、令君はご存じないでしょうが、楊修と丁儀が賄賂で崔申に偽証を逼ったのです。」
「偽証した?君はどこから知った。」
「ここに証拠がございます、令君ご覧ください。」
「校事府の記録絵か。これを手に入れるのは容易ではなかったはずだ。君はこの絵を手に入れて何をしようと?」
「私は官位も低いので発言も軽視されます(位の低い者の言葉は上にまで届かない)。はっきり申し上げますと、令君には私と一緒にこの絵を持って魏王に会いに行き、我が兄の冤罪を訴えて頂きたいのです。」

*1 晩生は(あなたより遅く生まれた者,の意で)年上に対する謙譲の一人称。
*2 在上は上司に対する敬称。



「フッ…仲達よ、君はこの事件の過ち(問題点)は崔申の証言にあると考え、この絵を持って君の兄に替わって冤罪を訴えようというのか。この事件は魏王自ら審理したのだ、もしこの絵が魏王の手元に(突然)現れたら、君は魏王が絵の盗人をどうする(罰する)と思う。絵の盗人がどんな罪名を負うことになるか、君は考えなかったのか。」
「令君のおっしゃる事はごもっともです。しかし兄の命が差し迫っているのです、私にもはや退路はありません。」
「私は力になれんよ。」
「…令君の苦しい胸の内、私もわかりました。この絵を持って魏王に会いに行くのは龍の鱗を叩く(逆鱗に触れる)ようなもの。止めておきましょう。令君、私は明日一人でこの絵を持って魏王に会いに行きます。令君は(元々)公正でいらっしゃる、もし私に不測の事態が起これば(*3)、どうか令君は魏王の前で我が兄の冤罪を訴えて下さい。もし(私の命が)兄の命と引き換えになっても、私はそれで充分満足ですから。」
「匹夫の勇(*4)だ!!仲達よ、お前は二度までも死をもって騒ぎ相手に逼るとは、これがお前の知恵なのか?お前はどんな事も皆このやり方で解決できるとでも思ってるのか!?お前の父の事件ではっきりわかったはずだ、あの事件の争点がそもそもあの手紙の真偽にあるのではなく形勢にあると、魏王に変更を言い出させるほどの形勢に。」

*3 魏王の怒りを買い処刑されたら。
*4 浅はかな者の感情に任せただけの勇気。



「仲達、こんな言葉がある。戦上手と呼ばれる者が勢力に求めるものは、人を責めないこと。君の兄を救えるのは私ではない。それは形勢、人の心、朝廷全ての文武の大臣の心だ。君一人で匹夫の勇を晒しに行くことではない。」
「…令君のおっしゃる事はまことであります。私は心乱れるあまりに考えが浅はかでありました。令君、こうなれば、どうやって勢力を立てどう人の心を集めるべきか、どうかお示し(教えて)下さい。」
「私にひと晩時間をくれ。明日を待て、明日私は君に忠義を全うできる方法を与えよう(*5)。」
「令君、気概に長け清廉な朝廷全ての文武の大臣の中でも、令君ほどの(優れた、素晴らしい)方はおらぬこと、私はよくわかっております。令君は言った事は必ず実行されますから、私は(先に)感謝いたします。」
「仲達君(*6)、面をあげなさい。」
荀彧は司馬懿を助け起こす。
「君が後の日に中郎将が大事を起こすその補佐をしようという時には、よく覚えておくのだ、事を起こす際に一人の知恵に頼ってはならない。形勢を見極め、人の心を断つ(操作する)、これは執政者の根本だ。」
「私は出仕はじめてまだ浅く、今後も令君にはいろいろとご指導下さい。では失礼いたします。」
「待ちなさい。」
荀彧は記録絵を返す。
「この絵はしまっておきなさい、誰にも見られないようにな。」

*5 忠はまごころを尽くすこと。義は人道に従うこと。直訳:明日私はあなたに忠と義の両方を全うする一つの方法を与えるだろう。
*6 賢侄は年の離れた若者に親しみをこめた呼びかけ。実際の甥ではないが甥っ子のように大切に思っているというニュアンスになる。


* * * * *

そして翌朝彼が仲達に示して見せた方法は、誰にも予想できない驚愕のものだった…。


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