「画皮 あやかしの恋」(2008年 原題「画皮/Painted Skin」 監督/陳嘉上 主演/趙薇、陳坤、周迅、甄子丹、孫儷)
103分
画皮 あやかしの恋<劇場公開版> [DVD]/ドニー・イェン

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中国の妖怪というのはモンスターではなく概念としては欧米の妖精に近いかな。草木や動物が何千年とかけて日光浴びたり大地のパワーを吸収すると妖力が身に着き、人間(もしくはそれ以外)に化けると考えられてる。そんな妖怪が人間に恋をして…という「聊斎志異」の代表的な物語。
――将軍・王生は北方馬賊討伐時に美しい娘・小唯を保護し連れ帰った。王生は自分の屋敷に小唯を住まわせるが、その頃から街では何者かに心臓をえぐり取られる猟奇事件が度々発生するように。王生は毎晩警護団に見回りをさせるが犯人は見つからない。
王生の兄貴分で元将軍だった龐勇が街に戻ってきた。王生の妻・佩蓉は元恋人でもあった龐勇に近頃の猟奇事件のことを話し、実は小唯が妖怪なのではないかと疑っていると告げる――
[ここからネタバレ--------
佩蓉は夫に色目を使う小唯に嫉妬している気持ちもあるが、しかし以前手が滑ったふりをして小唯を切り付けたところ、その傷口があっという間に消えたというのだ。話を聞いた龐勇は半信半疑だったが、その場にたまたま同席してた旅の降魔師・夏冰が妖怪で間違いないと言う。妖怪はその体にあざのような特有の模様があるという。
王生の屋敷へ行き、小唯を問い詰め夏冰が体を検めるが、そのようなあざはなかった。王生は皆して小唯に言いがかりをつけて責めてるとおおいに怒る。
しかし実は小唯は妖怪だった。人間の心臓を喰らうことによって美しい容姿を保ち妖怪のあざも隠してきた。仲間の妖怪・小易に人間を襲わせて心臓を運ばせていたのだ。
小唯が妖怪だと確信する夏冰は一日中小易を見張っていたが、またもや猟奇殺人が起こり小唯の容疑は晴れる。佩蓉は夫の心が小唯に傾いていることに傷心するが夫の幸せのためにと身を引く決意を固める。そのことを告げに小唯の部屋へ行くと、小唯は正体を現し佩蓉が自分の代わりに妖怪であると自首しろと迫った。妖薬を飲まされた佩蓉は髪も肌も真っ白の異形の姿になり、兵士らが彼女を取り囲んだ。だがそこへ龐勇と夏冰が駆けつけ佩蓉を助け出す。佩蓉の呪いを解くには妖怪・小唯を倒すしか方法はない。
やがて兵士らが駆けつけ、王生と小唯もやってきた。王生は妻が妖怪で人々を手にかけてきたと思い、夫の責任として自らの手で妻を刺殺する。激高した龐勇が小唯を切り付けると、小唯は顔色一つ変えず傷口からは血も流れない。妖怪だったのは小唯で妻ではなかった、真相を知り王生は愕然とする。小唯はどうしても王生の正妻になりたかったのだと言うが、王生は自分の命と引き換えに妻を生き返らせてくれと告げて自害してしまった。悲しみにくれた小唯は千年かけて練り上げた妖力を手放して彼の望みをかなえようとするが、小易が妖怪と人間は共に相容れない存在なのだと言い阻止する。龐勇と夏冰は小易と激しく戦い、龐勇の捨て身の策でついに小易を倒し千年の妖力を取り戻した。小唯が妖力の塊を天に放つとキラキラと光が降り注ぎ、皆息を吹き返し、そして小唯の姿は霧のように消えていった。
王生と佩蓉は仲良く元の生活に戻り、龐勇は夏冰について妖怪退治の旅へ出て行った。
そしてとある場所から白狐の小唯と大蜥蜴の小易が彼らの姿を見ていた…。(終)-------ここまで]
これは良かった、予想外に良かった。
最初は妖怪退治アクションものなのかと思って見てたら、きちんと恋愛もの。人間の女と白狐の妖怪が人間の男を取り合う嫉妬系恋愛を骨組として、女の元恋人とか妖怪退治屋とか白狐に恋する妖怪とか入り乱れ激しいバトル(心理も体術も)な話に。ファンタジーだけど登場人物らも妖怪変化なんて信じてないという現実感ある作り。妖怪退治屋がスペシャルな技を繰り出す…わけでもないのが結構意外。
みどころとして前半はドニー・イェン(甄子丹)が主役だと思ったくらいかっこいいアクションで魅せる。そして後半はだんだんヴィッキー・チャオ(趙薇)vsジョウ・シュン(周迅)がフィーチュアされて終盤は驚くほど真面目なラブストーリー。ヴィッキーが最盛期の菅野美穂に見えて仕方ない!さらにジョウ・シュンは時々安達祐実に見える(^_^;)
登場人物が美男美女ばかりでアイドル映画かと思いきや、画面の作りこみ方とかとても美しさにこだわってて「聊斎志異」のミステリアスで怪しげな雰囲気というのがよく表れてる。ストーリーもよくここまで膨らませたなぁと思う。まぁ残念だったのは妖怪が皮を脱いだところのCGが、そりゃないだろと。原型とどめてないじゃん!これじゃ正体が何なのかわからないよ?(´д`lll)
物語の結末はまあ予想がつくものだけど、綺麗に、それはそれは綺麗にまとめてて後味もすっきりしてエンターテイメントとして秀逸!女子向けだけど物語の緩急やアクションもよくて男性も見るに堪えうる良質ラブストーリー。
ただ、本当に誰が主演かっていうのが難しいくらいアクションとラブストーリーが半々になってて。アクション部門ではドニーとスン・リー(孫儷)の妖怪退治コンビが主役なんだけど、ラブストーリー部門ではヴィッキーだよなぁ。よく言えばバランスがとれてる、悪く言えばどっちつかずで中途半端…。ドニーのファンは「もっとアクションメインでやってほしかった」って思うだろうし、恋愛ものを期待してた人は「この話にドニー・イェン要らなくね?」って思うか…。
うーん…でもこれはやっぱりバランスがとれてると言いたいかな。ドニーもカッコ良かったし終盤のジョウ・シュン素晴らしかった。
TSUTAYA DISCAS
30勝24敗4引分け。