妹の熒玉(ケイギョク)公主が衛鞅(エイ・オウ)に惚れている事を知った孝公は二人に結婚を勧める。既に婚約者がいた衛オウは泣く泣く彼女と別れ公主と結婚するが、ふてくされて結婚初夜も家に戻らなかった。しかし公主は怒ることなく、仕事に没頭する夫を頼もしそうに見守るのだった。その真摯な姿に衛オウも心を動かされる。
数日後、衛オウは孝公に拝謁する。
* * * * *

「臣(わたくし)、君上(陛下)にご挨拶致します。…車英の新軍法に問題がおありで?」
「力不足だな、お前がもう一度見てやってくれ。」
「わかりました。わたくしはちょうど西へ(視察に)行くので、陳倉に行った時に、車英とまた協議いたしましょう。」
「西へ行くのか?お前は蜜月も過ぎていないのに。」
「新都城の計画を早く進めるべきです。私がまず場所を選びました、君上には最後に実地に見て頂き、ご決裁いただければと。」
「どこだ?」
「北阪の川べりの辺り、ここです。」
「いつ行くのだ?」
「三日後です。その後に私は北地の郡の視察にも行きます。」
「そういうことなら、私はお前と一緒に行こう。一回で決めてしまえるから良い。」
「君上が行くのなら、こんな良いことはありません。(→最も良い方法だ)」

「ケイギョクはずっと隴西(ロウセイ)に行ってみたいと思っていた、彼女を一緒に連れていけないか?」
「君上が(一緒に行きなさいと)おっしゃれば、公主はもちろん一緒に行けるでしょう。」
「何を言ってるのだ。ケイギョクはお前の妻だろう。この義兄が言っているのは私的な話だ。連れて行くかどうかはお前の自由だ。」
「はぁ……"義兄"って……。ええ、連れて行きましょう、"お義兄さん"の言う通り。」
「またそんな事を(→ちゃんと自分で決めろ)。お前たちは夫婦なのだ、(なのに)私が(一緒に出掛ける)算段をつけるのは阿呆らしいぞ。」
「君上も阿呆とか言うんですね…。」
「…お前に言っておくが、あのケイギョクというおなごは欠点が多い。始末に負えないときはまぁ何度か殴ってやれ。」
「いや、絶対できませんよ!ケイギョクは良い娘です。彼女は物事の理を知っており、道理をわきまえています。どうして始末に負えないなどと。」
「あやつが道理をわきまえてる?」

「…あの婚儀の夜、私は夫婦の部屋に帰らなかったのです。早朝に帰りましたが、彼女は私をとがめないばかりか、まだ(※起きて待ってた)」
「人に冷遇されたのに、彼女が(怒って)命がけの事態にならないとは!あのおなごは本当によくわからんなぁ。」
「……ケイギョクは人と命がけの事態になった事が?」
「当時私が公叔氏を助けようとした時を考えてみろ、あやつに剣でここを刺されたのだ。まったく気がふれとる。」
「…ケイギョクはもちろん次兄(孝公)に対して謝罪しましたよね?」
「何を謝るというのか(→謝らなかった)。あのおなごが陰で次兄(わたし)の悪口を言ってないだけマシだよ。」
「では、わたくしが代わって義兄上に陳謝いたします。」
* * * * *
閑話休題な和みの一幕。
日本語字幕版では衛オウの「君上也会説鳥。」という台詞の翻訳に困ったようで(日本人に鳥が罵倒語であることがわからないため)、孝公が自分の事を「私」ではなく「俺」と言ったことにして、衛オウが「お言葉が乱れてますよ」とツッコミ入れたことになっている。
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