驪山(リザン)の軍営に公叔座の弟子を名乗る書生・衛鞅(エイ・オウ)がやってきて、孝公に話があると言って帰らない。その頑なさと、彼が壁に書きつけた国政の心得三か条が気になった孝公は兄の嬴虔(エイ・ケン)に協力してもらい彼の話を聞くことに。衛オウは相変わらず門の前で待っていた。
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「牛人(大喰らい)め(※)、まだいたのか。」
「秦公が来た(であろうに)、どうして(去って)行くというのだ。」
「その頭以上に聡明になろうとするな(→早とちりするな)、こちらは左庶長兼領上将軍だ。話があるならはっきり言え。」
「何がそんなに重要(な話)だと。遠まわしにではなく(さっさと)申せ。」
「もともとは秦公でなければ話さないと言ったが、虔公子と言えば秦国の柱石であり、新君主の兄だ、話しても差し支えなかろう。」
「本当のことだけを言え。」
「私が秦に参ったのは、国から派遣されたのではなく、誰かに頼まれたのでもない。ただ一つのため、丞相さまをお救いしまた師弟として生きていくため。」
「(丞相救出が)お前にかかっていると?」
「この衛オウは師を救い、秦国をも救います。」
「魏人が秦を救う?笑い話だ。」
※子岸将軍は衛オウが門前で寒さのため倒れたので保護し食事を与えてやったのだが、衛オウは図々しくも三杯もおかわりをした。

「上将軍どのの考えはどうも浅はかすぎます。在下(わたくし)ははっきり申し上げましょう。魏国の政府では、龐涓(ホウ・ケン)が秦を滅亡させることに力を注いでおり、そして公叔丞相は(秦を)服従させることを考えてます。二人の勢力は水と火のようなもの(相容れぬ)。ホウ・ケンがリ山を奇襲したのも、公叔先生を奪回し堂々と法に則って処刑するため。一挙に政敵を取り除いてから、全力で秦を滅ぼす(つもりです)。今奇襲は成功せず(※)、ホウ・ケンは自ずと兵を引きそしてその次(の策)を求める、(すなわち)秦人の手を借りて我が師を殺すことを期待するでしょう。もし秦国がまさにその通りにすれば、天(神)とは異なるもの(→秦国)がホウ・ケンにひと腕の力を貸し、さらには自らを危機的状況に陥れるのです。今、あるのは一策のみ。それが我が師を救い、また秦国を救うことができるのです。」
※衛オウが一足先にリ山へ駆けつけて子岸将軍にホウ・ケンの軍が近づいていることを教えたため。

「(話の先を)申せ。」
「この一策とはすなわち、秦国が捕虜を解放し、土地を割譲し、講和を求めること。」
「貴様…!」
「そうすれば魏国はしばらく秦に攻め込む口実が無くなります、その後にまた策を練ればよろしい。この二つ(捕虜解放と土地割譲)を全うしなければ、秦国の危機はもう目前です。」
「ふざけるな!」
「私事のために国を売り、さらに大それたことを堂々と言う、天下一の変わり者だ。」
「在下(わたくし)は魏人でもなく(※)、魏の臣下でもない。どうして売国と言えよう。」
「…(こいつを)軍営に連れて行く。」
※衛オウは衛国出身。衛オウの衛は姓ではなく衛の人という意味らしい。この時代の書生は諸国を遍歴し様々な知識人に師事し知見を深めて行った。
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脇役だけど最初から終盤まで出てくる子岸将軍、私はこの人がこのドラマで一番のイケメンだと思うんですがいかがでしょうか。髭が悲しいほどに似合わない後半よりは見た目もキャラもイケメンな前半に注目してあげてください(*゚ー゚*)b
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