盗版猫 | あさひのブログ
しつこくジン・ガンシャン(景崗山)の出演作品を見ます。

「盗版猫 -COPY CAT-」(2009年 監督/ガオ・イーシン 主演/スン・ナン)
90分

『盗版猫』 DVD 1枚組 !中国語字幕!
¥1,174
Quick-China

これは映画。どうやらコメディらしい。copycatとは人の真似をすること。
日本語版はないので中国語版を見たのであらすじは正確ではないかも。

――ヒップホップアーティストの李小龍が目覚めると、そこはホテルの一室。荷物はなく服もなく素っ裸、痛む額には血がこびりつき、ご丁寧に絆創膏まで貼ってある…何があったか思い出せない!扉の向こうから話す声が聞こえた「奴は目覚めたか?いっそ永遠に目覚めなくさせてやろうか…」びっくりした小龍、スニーカーにバスタオル一枚で慌ててホテルを飛び出した。家に戻ったら車がない!さらに家の中は散々荒らされている!壁のホワイトボードにこう殴り書きが。
『两百万吐出来、我会找到你(二百万吐き出せ、絶対見つけてやるからな)』――

[ここからネタバレ-------
小龍は友人の作曲家の小非、マネジャーの茂茂、演出家の林子、映画監督の老張と連絡をとり落ち合う。小龍はここしばらく連絡がとれなかったため失踪したんじゃないかという噂まで飛び交っていたようだ。
数日前に恋人の佳佳から別れを告げられた小龍はその夜クラブで酔っ払い、人気MCのPOPOのステージに乱入する騒ぎを起こした。その後さらに飲んで酩酊した彼は倉庫のような所に迷い込んだ。そこには海賊版CDが詰められたダンボールが大量にあったのだ。そして200万元の入ったアタッシュケースを見たような…。
その話を聞いて老張は、そこは闇組織が海賊版を作る工場か何かで、秘密を知ったお前を奴らが狙っているんだと面白がって小龍に言う。200万元はどこにあるんだと聞くが、小龍はまったく覚えがない。200万元あれば映画が一本撮れるのになぁと老張は夢想する。
いろいろ想像を巡らしているうちに小龍は女優である佳佳がついて行ったスポンサーの全八の仕業なのではと思い込み勝手に逆上するが仲間らがなだめる。そこで初めて小龍はその場に新人作曲家の宋がいることに気づいた。こいつは先日デモCDを持って売り込みに来たのだ。「古典音楽と現代音楽の見事な融合、あなたにピッタリの作品です!」と宋は自身満々。だがそれはしっとりとしたバラードだ。「俺はMCだ!俺がやってんのは嘻哈(ヒップホップ)だよッ!!」とデモCDを叩き割ってやったのだが…。
お気に召さなかったようなので直してきましたとまた自信満々にデモCDを差し出すのを小龍は呆れて追い返す。小龍がヒップホップのスタイルにこだわるのを見た老張はかつて彼のミュージックビデオを撮影したことを思い出す。海外の有名なMC Marinを手本に演出したのだが、撮影現場の万里の長城に偶然にもMarinがやってきて、自分とソックリの格好をしている小龍を面白がって見て行ったのだ。小龍はその後もちろん激怒した。なに猿真似させてんだよッ!と。老張は"ヒップホップ風"にこだわるのなら真似するしかないだろうと反論し大喧嘩になったのだ。

・・・小龍の失踪に慌てた事務所の徐社長は台北の友人に相談。彼は西安の裏の世界の友人に手を回して小龍を探させる。日雇い仕事をするロン毛(仮名)とボウズ(仮名)の元に、李小龍という名と車のナンバーが書かれたメモが届けられる。ロン毛らは一台一台車のナンバーを見て小龍を探す。
小龍を追う闇組織はホテルに残されていた金を回収し小龍の車に乗り込む。先日ステージを汚されたPOPOと仲間達が彼の車を発見し取り囲むが、車から降りて来たのはヤクザの二人組だ。POPOは李小龍を出せと挑発するが、ヤクザは「俺が李小龍だ!(※)」と仲間達を殴り飛ばし、POPOはすごすごと引き下がる。(※"李小龍"はブルース・リーの中国名)
ヤクザらが車に戻ると突然拳銃を突きつけられた。POPOらとのやりとりを見て彼らを小龍と思い込んだロン毛とボウズだ。彼らはヤクザ二人を麻袋につめて西安行きの貨物列車のコンテナに放り込んだ。そしてボスに報告する。「李小龍を捕まえたぜ、しかも二人だ、報酬は倍にはずんでくれよ!」友人づてに小龍が見つかったと聞いて徐社長は安堵するが…えっ二人?小龍が二人ってどういう事だ!?
POPOは街のキッズからバー・シューターズで小龍を見かけたと聞いてバーヘ向かう。そして小龍とラップで対決する。そこへ新聞が届けられる。一面に『ミュージシャン李小龍、謎の失踪』の文字。茂茂は急いで社長に小龍はここにいると連絡する。
ロン毛らの元に今度は『奴はシューターズにいる』と書かれたメモが届けられる。バーにやってきたロン毛らは、盛り上がってるPOPOや小龍に誘われて中へ。ご機嫌なPOPOは茂茂をナンパするが平手打ちをかまされ怒って帰っていく。茂茂はPOPOからスター(芸能人)はすぐに賞味期限が切れる消耗品だと言われたのが悔しい。小龍はガキの言う事など気にするなと慰めるが茂茂は泣いて出て行ってしまった。
クラブのどこかにある海賊版倉庫を探しに行こう。小龍、老張、小非、林子の四人は美人実業家の方方とイタリア人の亨瑞の二人が共同経営しているクラブへ。老張が方方を、林子が亨瑞の気を引いている間に小龍はクラブ内を捜索しかつてたどり着いた謎の部屋を探す。そしてその先にいたのは…徐社長だ。社長も海賊版制作に加担してたのか?そこへ200万元を追うヤクザや小龍を追うロン毛達もかけつける。ロン毛が拳銃を持ち出して小龍を狙うが小龍は銃を奪い片っ端から撃ち殺す・・・

いやそれって洋画のパクリじゃん。もっと中国らしさを取り入れたいんだよねと老張が言う。

・・・そしてその先にいたのは…徐社長だ。社長も海賊版制作に加担してたのか?そこへ200万元を追うヤクザや小龍を追うロン毛達もかけつける。ロン毛がバットを振りかざし小龍を狙うが小龍がカンフーで片っ端からなぎ倒す。まさにブルース・リーだ・・・

それってどうよ、と林子が呆れる。
もっと何か、斬新な革新的なことをしたいんだよねと老張は言う。伝統文化と現代文化の融合…そういえばデモ小僧の宋がそんな事を言ってた。

・・・小龍はしっとりとしたバラードを歌う。佳佳との幸せだった日々を思い出して。小龍に倒されたクラブ中の人間が、彼の歌に涙し心癒され仲直りする・・・。

どうだ?と老張は聞くが小龍も林子も呆れ返る。
彼らが映画の話をしているのを知ったボウズ…ではなくてバーの店員が、これが参考になるんじゃないかと沢山のDVDを持ってくる。それはみんな海賊版だった。逆上した小龍は、ロン毛…ではなくて店長や店員と大喧嘩に。小非は慌てて警察を呼ぶが、皆店を追い出されてしまった。

彼らがムシャクシャしながら街を歩いていると闇組織のヤクザ…ではなくて音楽仲間のFish Nationの二人に会う。また徐社長の車が通りがかり、今まで一体どこにいたんだと心配された。小龍の人気がまた上がって来てるのでこれからもよろしく頼むよと言って社長は車を走らせていった。
小非が路駐してる車を見て、これお前の車じゃないかと言う。確かにそれは小龍の車だ。なぜここに?キーは刺さったままだ。もしや佳佳が乗って来たのでは?さっき会ったFishの二人に佳佳を見かけなかったか聞こうと急いで戻るが、その途中で小龍は海賊版CDがつめられたダンボールの光景を発見する。これを警察に届けて報奨金を貰おう!ダンボールを運ぼうとすると警察がやってきた。現場から押収したダンボールをどこへ持って行くつもりだ?と皆連行されてしまう。乗せられた車にはシューターズの店長や店員が既に押し込められていて、また喧嘩が勃発…。

さて真相はこうだ。地元の伝統芸能の女優だった佳佳はハリウッドのような女優をめざし王八の設立する劇団に入ろうとしていたのだが、王八が中国伝統芸能を取り入れた芝居を作ろうとしたことが気に入らず彼の元を離れる。彼の200万元を持って…。
海外へ高飛びしようとしていた佳佳は酩酊して路上に倒れていた小龍を見つけホテルまで運んだ。乱暴に運んだので途中壁に頭をぶつけて血が出てしまったのでかわらしい絆創膏まで貼ってやった。汚れた服を脱がせてやりベッドに寝かせてやった。そして彼女は去って行った。
王八は佳佳を追って彼女と同棲していた小龍の家へ殴り込んだが誰もいなかったので腹いせに部屋を荒らして帰った。
200万元は佳佳の留学資金として消えた。そして彼女は海外で大成功をおさめた。皮肉にも京劇女優としてだ。(終)

---------ここまで]

えーっと、これはメジャーなものじゃあないけどB級ではなく、サブカルチャー作品。これ結構好きだなー。ポップでスタイリッシュ。ヒップホップに乗せてテンポ良く展開するコメディ。最初は台詞が半分くらいしか解らなかったので物語の展開の仕方に戸惑ったけど、物語がどうこうよりもこのテンポの良さに引き付けられた。
オリジナリティって何だ?という、芸術の世界では議論の尽きないテーマを面白おかしく描いてて、コピー大国の中国の作品としては若干自虐的な…w 
クールな生き方を目指す若者達の青く漲るパワーっていうのか、そういうのを横から生温かい眼差しで見てるようなシニカルさもあるコメディ。舞台作品にありそうなメタな構成で面白いしチープな所はなくきっちり作りこまれてるんだけど、テーマに興味ないと厳しいというか、ちょっと観る人選ぶかなぁ。'00年代のヒップホップやサブカルを通って来た人なら、話の入れ子状態がよくわからなくても楽しめると思う。音楽劇じゃないけど音楽が重要な位置を占める作品。

ジン・ガンシャンさんは名もない端役(ヤクザその1)。やっぱりコメディは間違いがない、こういう胡散臭い役は超似合うw この人本職歌手らしいけどなんか小劇団系な芝居なんだよなぁ。
そして彼とコンビを組んでる坊主頭の人、このチョウ・シャオオウ(周暁鴎)って「天下無賊」の万金油だ!えっ随分ぽっちゃりしてるんだけど…(^_^;)。なんとこの人も本職歌手らしい。劇中歌のいくつか歌ってるみたい。
それから胡散臭いロン毛のおやっさんを演じるシェ・ティエンシァオ(謝天笑)、この人もミュージシャン。本職はロック歌手っぽい。
POPOを演じるジェフリー・クン(孔令奇)は本当にヒップホップMC。劇中では中国の偉人の子孫って事だったけど、この人本当に孔子の子孫らしい。∑(゚Д゚)
主人公の李小龍を演じるスン・ナン(孫楠)ももちろん歌手。すごいな中国のミュージシャンはみんな芝居もできるんだw 彼も本当にヒップホップMCなんだとばかり思って検索してみたら、実際は歌謡曲みたいなのばっかり。確かに終盤でバラード歌うシーンはあまりに巧すぎて笑えたけどコメディとしての演出で口パクだと思てました、まさかこちらが本職でしたか。そして李小龍という人は実際ヒップホップアーティストで存在していて、その人がこの映画の音楽を担当しているみたい。だから劇中のヒップホップはスン・ナンではなく本物の李小龍が歌っている模様。

平坦な日本語と違って中国語の鷹揚のある響きはヒップホップにも合うみたい。シューターズでPOPOが小龍をディスってるとこのライムはちょっとかっこよかったよ。耳なじみがいいしクセになりそうw


LeTV
http://www.letv.com/ptv/vplay/1345797.html
広告がめちゃ多いとはいえ、全部観れちゃうのが中国ってすごいよね…。




長いものに巻かれろ