前スレッドでブルース・スプリングスティーン&Eストリートバンドの作品を紹介した。
ブルースを聴くようになったきっかけの曲は「ハングリー・ハート」だった。
この曲は、ボス(ブルース・スプリングスティーンの別称)の作品群の中では、ポップでメロウなチューンだ。
1980年に発売されたアルバム『THE RIVER』からのシングル曲だった。
曲調は、ウエストコースト・ロックで多用されるタイプのリズムと、かつてロカビリー・ミュージシャンのロイ・オービソンが好むようなポップチューンが混ざった感じ。
で、この曲を好きになったのが、前述のウエストコースト・ロックと呼称される新ジャンルとそのアーティスト群の出現から始まる。
代表格としては、あのイーグルス、そしてあの時代のディーバだったリンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン、また、CSN&Y、ドゥービー・ブラザース、ライ・クーダー、C.C.R、などもその括りだった。
その中に、イーグルス、リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウンとの交流が深いシンガーソングライターがいた。
それが、J.D.サウザーだった!
ジョン・ディヴィッド・サウザーが本名だが、何故かJDと呼ばれていた。
彼は佳曲を書き上げる素晴らしいシンガーソングライターで、イーグルスの「ニュー・キッド・イン・タウン」や「ベスト・オブ・ラブ」を世に出したり、全盛期のリンダ・ロンシュタットにも楽曲提供しているが、自身にヒット作に恵まれずにいた。
しかし、1979年に出した「ユア・オンリー・ロンリー」が大ヒット!
この曲が大好きで、冒頭に挙げたブルース・スプリングスティーンの「ハングリー・ハート」を気に入ってしまったのだった。
それにしても、このジャケットは今もシンプルながら秀逸。
日本では、映画やCMでタイアップ使用された。
折しもここ日本では、当時A.O.Rという大人向けロックシーンの台頭や、ロスアンゼルスの浜辺の印象が強いリゾート&サーフィン・ブームも起こり出し、この曲はそんなポップで爽やかな感じが愛された。
和訳詞も乗ったライブ映像を見つけたのでどうぞ。
正直言うと、彼はこの1曲の一発屋となってしまうのだろうが、吹けば飛ぶような一発屋と違い、前述の著名アーティストとの活動が評価されているので、実力派シンガーソングライターとして認知されている。
当時は、この曲の心地よさが好きだったが、大人になって聴くとわずかに滲む儚さが胸を突きます。
今月24日から、カーラ・ボノフとツアーを行う予定だった…。
J.D.サウザー、2024年9月17日ニューメキシコの自宅で死去。
享年78歳。
R.I.P…。