映画「リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング」 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

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不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

昨日、映画「リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング」を観にシネマート新宿へ行った。

リトル・リチャードは1950年代に突如猛威を振るった音楽“ロックンロール”の創始者の一人であり、“ロカビリー”と言われたジャンルで活躍したエルヴィス・プレスリーやチャック・ベリーらと同じ時代に現れたミュージシャン。

当時は「悪魔の音楽」と敬遠されていた音楽であり、黒人であること、さらにはその時代にゲイである事を公表し、現在よりももっと決めつけられた価値観が絶対の時代にあらゆる差別と闘ってきた人物である。

R&Rの頂点と言えば“キング・オブ・ロックンロール”のエルヴィス・プレスリーだが、当時そのエルヴィスが「リトル・リチャードこそロックンロールの真のキングだ」と言うほどの存在。

ミック・ジャガーもインタビュー映像で「ロックンロールはリトル・リチャードが始めた。彼が全ての始まりなのさ」と答えている。

まさにR&Rの超レジェンドであったが、ある日なぜか聖職者の道を歩む。

「悪魔の音楽の使い手」で「同性愛指向」であるにもかかわらず敬虔なクリスチャンを目指す…何しろ忙しい。(苦笑)

本作は、ミュージシャンの部分だけでなく、肌色差別や多様性との差別とも時を過ごした人物の再検証作品と言えよう。

それだけで本当にレジェンドたる人物で素晴らしい!となりそうだが、元来この人はビッグマウス。

なので、途中彼のサポート・ベーシストが言っていたが、その時々でなりたい自分になってしまうそうで、言ってることもその都度変えてしまう。

どうも、それぞれのコミュニティーにおいて良しとされる答えを優先して発してしまう癖があるようだ。

それにより、彼の言葉で傷つく者も出て来るのだが、終映後に音楽評論家の萩原健太氏と丸屋九兵衛氏のトークショーがあり、そこで「それでも、誰も彼を嫌いにならないのがすごい」と言うように語っていた。

映画の中で最後の映像はクリスチャンの集いのような場所での壇上で、もうメイクもせずかつらも付けずにつるっ禿げで大幅に肥えた状態で「ロックンロールは神の一部ではない」的な発言シーンだった…。

音楽面でも、キリスト教でも、LGBTQの面からでも、興味を持った方は劇場に足を運んではいかがでしょう。

 

ちなみにシネマート新宿では、入場者にキラキラ光るポストカードを配布していた。

また、前売りチケットを「ムビチケ」で購入したら、映画上映後に観覧記念のデジタルチケット(?)が届いた。

 

 

「リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング」は現在ロードショー公開中!

エルヴィス・プレスリーもリトル・リチャードも、古くはリッチー・バレンスも映画となったのだからエディ・コクランも誰か映画にしてはくれまいか?!