昨日、後期高齢者の母を伴い大規模な総合病院を訪れた。
実は、今年の2月早々に腰が痛いと動けなくなり、その後、痛みが首に出たり、足に出たり、手首に出たり、日によって痛みの場所、度合い、質が違うという日々を過ごす羽目になった。
地元の行政ケアに連絡し、介護ベッド、介護手すり、介護テーブル、車椅子も調達することになった。
元々持病により、近所にあるクリニックの内科と整形外科には通っていたので、そちらの指示と出された薬で1ヶ月様子をみたものの一向に良くなる気配は無く、その後、呼吸不全や、微熱が出たり下がったり、血便が出たりと、むしろ悪化したので、通院していた内科に話すと「それは、すぐ精密検査した方がいい。特に熱の出たり下がったりは癌の初期症状にみられる症状です。」と大きなその場で総合病院へ紹介状を書いてくれたのだった。
それで、今月上旬に総合病院へ行き、後日検査入院となりくまなく母の身体を検査してもらった。
そこで判明したことが2つあった。
1つは、血便につながることで、直腸に癌が見つかった。
ただ、幸いにステージ2で手術して取り除けば問題無い状況。
しかし、母はごくたまにだが心不全を起こすことも有ったので、手術に耐え得る心臓の状態かを検査しないとならない。
そこでカテーテル検査をし、かろうじて手術が出来る心臓であった。
だが、前述の元々の持病の1つに指定難病の肝炎が、肝硬変の域にまで達していたことも判明。
すると、これがネックで肝機能が充分に働かないと切除縫合部が元に戻らない可能性が有るとの事。
癌の場所は直腸だ。
つまり、排泄物がしっかりと排泄物=ウンコと言う菌まみれで出来上がったものをストックさせる場所の縫合がしっかり出来ずに傷のある状態で、そんなもんが溜まったらそれこそ目も当てられない身体状況に陥る。
で、病院の下した結果は、「ストーマ」を付けて生存してほしいと言う事だった。
「ストーマ」はいわゆる「人口肛門」とか「人口排泄器具」と言うもので、腹部の一部に穴を開けそこに袋を付けて排泄物を出す方法。
やはり、それまで普通に排泄してきた人生からすると間違いなく一大事である。
母含め家族会議をし、癌摘出~ストーマ装着の生き方を選択し、その事を伝えに昨日病院を訪れた。
そして、もう1つの全身を転移する痛みの正体は「偽痛風」と言うもので、高齢者にその症状は多く出るものらしく、カルシウムが何かの原因で関節の一カ所に集中して溜まる症状で、それが起きるととてつもない激痛を引き起こすのだと言う。
残念ながら、この症状に対する治癒法は現代医学では無く、患者の痛みを和らげる痛み止めの量を増減しながら様子を見ていくしか方法が無いとの事だった。
後期高齢者ともなれば、身体の劣化、退化、異常は誰にでも起きる。
そんな母がストーマを付けて、痛みと共に生きる道を選んだ決意は、息子ながら立派だと思った。
改めて、前向きなマインドの我が母親に尊敬の念を抱いたのでした。