一時期よく映画の試写会に行っていたが、ここ数年全く行かなくなっていた。
昨日は久々に試写会に参加。
国内屈指のレコーディングスタジオが主役の映画と言うのが面白い。
実は「音響ハウス」は昨年設立45周年を迎えた。
その記念に制作された映画の模様。
同スタジオは、YMO作品、ユーミンの東芝移籍後の絶頂期の作品群、映画「戦場のメリークリスマス」のあのテーマ曲、故・忌野清志郎と坂本龍一の「いけないルージュマジック」、等々、数多の名作・ヒット作が作られた場所。
内容は、大きく2つの事柄から成る。
1つは、このスタジオでレコーディングした著名ミュージシャンや裏方業のスタッフによる回顧録。
「いけないルージュマジック」の制作秘話や、矢野顕子の子育て録音の際の話など、今だからという面白い話も。
そして、この名スタジオ機材の管理人、いや職人?マイスター?古い機材も新しい技術も全てベストコンディションに整える遠藤氏の淡々としたカッコ良さもいい。
もう1つは現在進行形でこの映画のテーマ曲の「Melody-Go-Round」の制作過程の記録。
名ギタリスト佐橋佳幸がバンマスとなり、高橋幸宏(Ds)、井上鑑(Key)、大貫妙子(Cho)、葉加瀬太郎(Vl)、村田陽一(Tb)、本田雅人(Sax)、山本拓夫(Sax)、西村浩二(Tp)と錚々たるリビング・レジェンドの演奏で歌うのは、なんとまだ中学生で無名のHANA嬢。
これは敢えて未来へのバトンタッチと言う事だろうか。
葉加瀬太郎の饒舌と何でもすぐに金銭勘定に入るところが試写ながらも場内で笑い声多発。
で、やっぱり不思議なもんで、HANAのボーカルが映画のマイクではこんな頼りない歌で大丈夫かよ?と思うが、音響ハウスで撮った音で聴くととてもしっかりしているのだ。
もうマジック、奇跡を垣間見たようだった。
海外では、アビーロード・スタジオ、或いは映画のハリウッドのスタジオなど幾らでも主役となり映像となるが、日本ではせいぜい京都の撮影スタジオ太秦映画村(東映京都撮影所)くらいしか映像作品にならないと思っていたが、音響ハウスも素晴らしいです。
最後に映画に登場するミュージシャンをざっと列記。
佐橋佳幸、高橋幸宏、大貫妙子、葉加瀬太郎、坂本龍一、矢野顕子、松任谷由実、松任谷正隆、佐野元春、デヴィッド・リー・ロス、鈴木慶一、村田陽一、本田雅人、山本拓夫、西村浩二、HANA、笹路正徳。
監督は相原裕美。
同映画は今秋11月20日より渋谷ユーロスペース他で順次公開。