前スレッドにて映画『幸せをつかむ歌』について記した。
そこに出演したリック・スプリングフィールドについて。
簡単に言っちゃえば、スレッド・タイトル通り“全米で成功したオーストラリア版福山雅治”といったところではなかろうか?
本来はロック・ミュージシャンながら、ルックスの良さから先に俳優業で知られることになるも、音楽活動の基盤は決して外さない。
かつては吉川晃司は日本版リック・スプリングフィールドを目指していたし、公言していないがBOØWY(氷室&布袋)はこの人の曲作りをかなりヒントにしていると思える。
元々、1970年代に故郷オーストラリアで「ズート」というバンドで成功したロック・ミュージシャン。
世代的に、もろビートルズやキンクス、ザ・フーの影響を受ける。
しかし更なる成功を求めて、単身アメリカに渡り、ソロ・アルバムを数枚リリースするも不発。
ルックスがよかった事から、俳優業にも活動を広げて、食い扶持を繋ぐ。
すると人気テレビドラマ「ジェネラル・ホスピタル」という番組で青年医師役で登場するや、まずはアメリカの女性ファンが急増し、一躍名前を知られる存在に。
そこで、本来の仕事であるミュージシャン業を再開しアルバムをリリースすると、シングル曲「ジェシーズ・ガール」が大ヒット全米No.1となり、世界中に“ミュージシャン”リック・スプリングフィールドが知られるきっかけとなる。
しかしながら、先のドラマ「ジェネラル・ホスピタル」がいわゆるメロドラマの類で、そこから女性が騒ぎ出したいきさつから、ただのアイドルだという紹介が着いて回る。
ま、綺麗な顔立ちですからねー、ホラ!
こりゃ、言われるでしょ。
この頃、1980年代に突入した頃だが、リックさん32歳で遅咲きの成功だ。
しかし、楽曲はポップで小気味良いロックンロールが基調で時代と合致する。
実際1981年のグラミー賞を受賞したことからも、その音楽的成功は証明される。
ちなみに「ジェシーズ・ガール」は、親友ジェシーの彼女に恋をしてしまった男の心情の歌詞が話題にもなった。
音楽復帰アルバム『Working Class Dog(ジェシーズ・ガール)』、続く『Success Hasn't Spoiled Me Yet(アメリカン・ガール)』とヒット。
どちらも、短い時間ながらもツボが多く盛られた楽曲群で、私自身も愛聴した。
そして、1983年に『Living in OZ』というアルバムで、ここ日本でもファンが一気に広がる。
それまでのポップなツボどころは残しつつも、マイナーコードで疾走感溢れる曲調が多く、野郎ファンも付く。
この方のファンの志向としては、
1、ルックス重視女性ファン
~当時だと、デュラン・デュラン、カジャ・グーグー、JAPAN、ハワード・ジョーンズ辺りと並行して捉える傾向。
2、アメリカンR&Rファン
~ブルース・スプリングスティーン(名前がちょっと似てるので良く間違える人がいました)、ブライアン・アダムス、ジョン・クーガー・メレンキャンプ、パット・べネター辺りと並行して聴く層。
私はここです。
3、ギター・ロック系ファン
~当時だとナイト・レンジャー、サバイバー、タイガーズ・オブ・パンタン、クワイエット・ライオット、等のどちらかと言うとハードロック寄りなバンド路線のロック少年も、この『Living in OZ』には一目置いた。
と、いう傾向がみてとれる。
このアルバムから「アフェア・オブ・ハート」、「ソウルズ」、「ヒューマン・タッチ」等、次々とシングルカットされた曲がヒットする。
でも、個人的にはタイトルチューンの「リビング・イン・OZ」がカッコいい!!
全盛期のライブ映像で観て下さいって!超カッコいいから!!
その後、人気沸騰となり今度は主演映画『ハード・トゥ・ホールド』に出演し、サントラアルバムも手がける。
その中の1曲「スタンド・アップ」は、当時の日本でも早見優がカバーしてましたね。(笑)
このアルバムからもヒットシングルが立て続きにリリースされた。
次のアルバム『TAO(道)』では、当時の最新楽器だったイミュレーター等のサンプリングや革新的なレコーディング技術に重きを置いて制作し、リック本人としてはここで「ミュージシャンとしてのリック・スプリングフィールド」の確立を図ろうとしたのだろう。
が、しかし、セールス的に失敗。
また結婚して家族との時間を大事にし、しかも交通事故にも遭い、その後しばらくは表立った活動から離れてしまった。
しかし、1999年発表のアルバム『Karma(カーマ)』以降、2000年代になって音楽活動が本格化。
先の『幸せをつかむ歌』やTV「TRUE DETECTIVE/ロサンゼルス」で俳優業も行なった。
そして、現在のリックさん今年御歳67歳に。
今もエネルギッシュです。
映画では、多少くたびれた風貌の役柄でしたが、実際のご本人のライブはまだまだ若い!
ミック・ジャガーを越えるのでは?
そんな今現在のリックのライブの模様をプレビューでどうぞ。
リック・スプリングフィールド、今も現役のロックン・ロール・ミュージシャンです。