前スレッドで懐かしい子役の事を書いたが、そのネタ元の「快獣ブースカ」と「泣いてたまるか」は、まさに同じ年の1966年放送開始の作品。
この時代だと、まだまだ白黒フィルム作品が多くテレビで放送されていた。
この白黒作品を今観ると結構いいもんですね。
また、後に名優、怪優となるベテランの男優・女優さんの若く、初々しい演技や容姿を拝見できるのも面白いものだ。
そんな、シーンを幾つか。
まずは「快獣ブースカ」から。
よくある爆弾爆発で煙の後、顔が黒く煤けるという古典的なギャグシーン。
このお二方ですが、左が上田吉二郎氏で、右側が天本英世氏です!
すごい組み合わせ!!
そして、こんな役をやっていた事実があったなんて!!!
「快獣ブースカ」に関しては以前も記しましたが白黒フィルムと当時の子供の生活感が何ともいえないほどたまりません。
続いて、「泣いてたまるか」ですが、これはちょっと今では珍しいタイプの作りのドラマ。
ドラマと言えば連続ものが今では常識ですが、これは1話完結スタイルで、主人公も渥美清、青島幸男、中村嘉津雄が放送日によって違うというもの。
こんなの今時有り得ないでしょうが、2年も放送していたようです。
この番組は、制作側も出演側も凄い人達が関わっていた。
まず、監督が佐藤純彌、家城巳代治、飯島敏宏、円谷一、青島幸男、今井正、深作欣二、等々。
脚本は、野村芳太郎、橋田壽賀子、金城哲夫、橋本忍、木下恵介、山田洋次、等々。
正直言うと、私はリアルタイムでは観ていません。
現在は、毎土曜にBSトゥエルビで14時から2本づつ放送中。
ただし、主演は渥美清バージョンのものだけ。
それまで、1コメディアンだった渥美氏が俳優として根付いた作品とのこと。
出演者だって、黒柳徹子、悠木千帆(現:樹木希林)、原田芳雄、田中邦衛、天地茂、小沢昭一、藤山寛美、京塚昌子、等々がゲスト出演してくる。
そんな出演者でも、個人的に「えっ」とか「おぉ」と反応した辺りが以下の通り。
まずは、名脇役の雄、江幡高志さん。
この方の存在感と脇役感の妙は絶妙の域だと思います。
こんな組み合わせも。
石橋蓮司・緑魔子夫妻。
このシーンはドジな石橋演ずる刑事に「そんなことだと嫁の来てなんて一生ないでしょうね!」と緑魔子が毒付く場面。(笑)
もちろん、この頃はまだご本人たち夫婦関係ではなかったでしょうが。
強面で気味の悪い役が当たり役の石橋氏ですが、この頃は若く純朴でお人好しの役。
パッと見ただけでは判らないかも?
そして緑魔子さんもカワイイ。
マコはマコでも石野真子みたい。
他に若き日の女優さんで目を引いたのは、栗原小巻さん。
やっぱお綺麗だったんですね。
そして吉行和子さん。
日本人形みたいな綺麗さが有りますね。
この、渥美清版「泣いてたまるか」は、イレギュラーで14本ほど同じ設定を連続して制作されたシリーズがあります。
それが、渥美清が高校教師を演じるシリーズ。
どうやらこれは裏番組が超人気学園青春ドラマ「これが青春だ!」(主演:竜雷太)に対抗しての策ではなかろうか?
で、その高校編だと、生徒役がすごい。
渡辺篤史さんです。
画像は、渥美清さんのお宅を探訪しているわけではありません。(笑)
他にも…、
判るでしょうか?
中央の女生徒は、沢田雅美さんです。
お若い時から、自然で味のある演技をしていたんですねー。
そして右の男性が、津坂匡章さん(→津坂まさあき→秋野大作)。
津坂さんと言えば、渥美清さんの代表作「男はつらいよ」で寅次郎の舎弟役で、渥美さんと共演し、私の好きなドラマ「俺たちの旅」のグズ六役で大当たりしました。
「男はつらいよ」は、このドラマがきっかけで出来たのでした。
このドラマの最終回は、山田洋次脚本による「男はつらい」と言うエピソード。
もうこの時点で、山田監督構想の、渥美清主演「男はつらいよ」が生まれていたのではないかと思います。
吐露しますと、「男はつらいよ」ってそれほど面白いと思わないのですが、でも市中の人々の義理、人情、勘違い、おせっかい、など人と人の絆や、あの時代やあの頃の下町風情とかはね、嫌いではないです。
しかし、この「泣いてたまるか」を観てると、「男はつらいよ」の原点が随所に見られ、テレビドラマながら、映画を見るくらいしっかりした内容です。
ご興味があれば、ご覧下さい。