刑務所に行ってきやした~「府中刑務所文化祭」前編 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

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不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

前スレッドでは、府中刑務所でカレーを食ったことを書きました。
これは、毎年11月3日に開催される「府中刑務所文化祭」で、この日だけは一般開放し中に一般人も入れます。

まずはその府中刑務所を目指す。
広大な敷地の東側に正門があります。
府中刑務所正門
この門の先は、普段は滅多に入れない刑務所の敷地内です。
並木道になっています。
府中刑務所並木道
ここをしばらく歩くと、文化祭ゲートがありました。
府中刑務所文化祭ゲート1
府中刑務所文化祭ゲート2
今年で第40回なんですね!
40年前から続いてると思うと、なかなかのものです。
スタートは午前10時だが、事前に調べると相当数の人々が押しかけるので、1時間前の午前9時に行ってもすでに多数の人の列の後ろに付くことになると知り、頑張って午前8時過ぎくらいに到着。
1列7人で、私の前に7~8列出来ていた。
なので、50番台ってところか?ほっ。
まずは目当ての刑務所内での食事(前に書いた「プリズンカレー」です)は優に出来るなと安心したものの、この状態であと2時間立ったまま待つってのはしんどい…。
この並木道に、当日の案内図や、
案内図
昔懐かしいスタイルの郵便ポストがあった。
ポスト
が、しかし、そんなの見てももの数分しかかからないので、ひたすら待つ。
すると、私のすぐ後ろの列で、隣合った人同士での会話が始まる。
中年男性1人、中年女性1人、その息子の幼児、若いお兄さん、の4人での会話。
中年女性:「初めてですか?」
中年男性:「いや、もう7回目。」
中年女性:「あ、そんなにですか?じゃあ、もう中の様子もお詳しくて?」
中年男性:「もうね、知り合いもいるし、その前はここで3年間暮らしてたし。」
え?!
中年女性:「それは、誰より詳しいですねー。私の元ダン(元の旦那)も群馬の方に入ってるんですよー!」
ええ?!
そんな会話が午前8時過ぎから明るく交わされてる。
刑務所ってすごい…。(笑)
で、この中年男性、それに気を良くしてデカイ声で自分の過去をベラベラ話しだす。
どうやら、銀行勤めをしていて横領をやったらしく、130人の顧客から合計1億円以上もの金を自分の口座に流入させたそうで、「いやー、新聞も1面飾っちゃいましたよー!!」って得意になって話してる。
その後も、今の府中刑務所は25%は外国人で、中国、コロンビアの人が多いとか、結構データをしっかり把握していた話などをさかんにしていた。
すると今度は同じ列の別の初老男女3人組グループがここで酒盛りを始め出した。
おいおい、刑務所内だぜ、一応。
もうね、焼酎も真露のボトルを持参してガバガバ呑みだす。
そのうち1人の男がヘベレケになって、もう1人の男性と小競り合いを始めた。
当然、もう1人の男も酔っているので、ヘベレケの男が絡む度に頭をボコボコ殴る。
おいおい、刑務所内で捕まっちゃ、シャレになんねぇだろ。
今度はヘベレケの方が、空になった真露の瓶で殴り返す。
もう止めてくれよ、ほんと…。
酔ってる者同士なので殴り合っても痛くないようで(?)、ゴンゴン音がしながらもじゃれ合ってるような様子。
朝の8時台なのに、刑務所ってすごい。。。

あと、並んでる人への気遣いなのか、途中からBGMが流れ出す。
まあ、差し障りのないインストミュージック。
でも、スピーカーが古いタイプのスピーカーで音が割れていて、かえって神経を逆撫でされるような気も。
スピーカー
あと、「ルパン三世」のテーマが流れた時は、おもわず「刑務所がいいのかよ!」と心で突っ込みを入れてしまった。(笑)
ようやくオープンの10時近くになりアナウンスが流れるも、スピーカーの性能と後ろにうるさいのが2グループもいるので、てんで聞こえやしない。
すると、この日の1日所長を勤めるMAXが登場した。
MAX
なにやらこれがオープン・セレモニーのようで、その後、場内に進むと、それらしい門衛所が見え、
門衛所
その先には刑務所庁舎があった。
刑務所庁舎
ここの1階が食堂。
前回紹介の「プリズンカレー」をゲット!
プリズンカレー
幸いに、食堂には5~6番目で入れたので、食堂内テーブルも余裕で座れました。
食堂
窓際の席で食したのですが、食べ始めたら窓の外は長蛇の列!
真っ先に来てよかった~。
そそくさと食事を済ませる。
次なる目当てがあったのだった。
で、庁舎の正面口から出ようとしたら、気になるものが…。
古の刑務官
どうやら、いにしえの刑務役だった者のいでたちだそうです。
そして、もう1つ。
巣鴨プリズン扉
巣鴨刑務所時代の扉。
関東大震災で破壊され、この府中に移転し現在の「府中刑務所」になったそうです。
そして、しばらくのうちに1階食堂で販売している3種の食事も完売になっていた。
完売1
完売2


さてさて、もう1つの目当ての場所へ急ぐも、その方向に列が。
行列1
これは、最初に並んだ道の逆側の外れ近く。(つまり刑務所敷地の西側に近いところ)。
一旦、敷地外に出て、府中街道に沿って並ぶ。
行列2
そして、その先には…。
行列3
す~~~~~~んごい人、人、人!!
これは何かと申しますと、「プリズンアドベンチャーツアー」。
プリズンアドベンチャーツアー
つまり、いよいよ刑務所内でも受刑者が居住及び労働作業をするエリアの見学ツアーです。
10時20分くらいに並んで、1300番台。
すごい人気!
上掲の入場券はど真ん中にミシン目があり、右側は入場券とあるのが解ると思いますが、左側の半券も左下に「出場券」とあり、この半券を無くすとシャバに戻って来れない。(そんなこたぁない!)
しかし、出所時に渡さないと脱獄囚と疑われても仕方ない。
ちょっと緊張してくる。
さらに、注意事項を大きなボードで説明してある。
注意事項1
注意事項2
注意事項3
結構、細かく厳しい。
入獄ゲートが間近に見えて来る。
入獄ゲート
そして、待つこと1時間弱。
ついに入獄ゲートが開き、中へ足を踏み入れる。
1回に30人くらい入れるのだろうか?
自分はグループ最後から何人目というような順だったので、足を踏み入れた後に入獄ゲートの鉄扉を閉める「ガッシャーーーン!」という音をすぐ背後に聞いた。
何もしてないのだが、やはり何かが大きく変わるような錯覚さえしそうだった。
もう私の頭の中のBGMは「監獄ロック」!
♪The warden threw a party in the county jail.
♪The prison band was there and they began to wail~…てな感じで。
せっかくなので「監獄ロック」を聴きながらでも読んで下さい。(笑)

中は、広く整然としたエリアに巨大なプレハブ建物が幾つも並んでおり、それらは工場だった。
受刑者が労働するところで、見学出来たところは皮革製品、印刷、などの工場作業現場、そして風呂場だった。
もちろん、作業現場にも風呂場にも受刑者はおらず、見学者とは一切会えないようになっていた。
作業現場は真ん中の通路を歩き、ネット越しに機械類があるのを見るだけ。
途中で何の工場でどんな作業をするのかという案内板があるが、見学者が多く牛歩のような歩みで進むので、短気な人は「全然わかんねぇーよ。案内とかしねぇのかよ。作業してるとこ見せろや!」と愚痴ってましたね。
このエリアの見学で思ったのは、なぜか幼児連れの家族が多いこと。
ま、それは良いのだが、大人だって愚痴るのがいるくらいなので、幼児には全くもって面白くないところかと。
なので、あちこちで愚図る子が出て、その度にその親子が立ち止まると、牛歩の進度までも止まってしまうのである。
これは、ちょっと考えもの。
せめて、抱っこorバギーで子供を歩かせない配慮を親御さんにはお願いしたい。
あ、あと風呂場はやはり通常に生活とは違う感じでした。
お湯をかける回数、シャンプー類の使い方など細かい指示の貼り紙が貼られ、時間経過を示すカラーランプを管理する機械などが風呂場にあるなんてのは刑務所ならではでした。
40分ほど周ってようやく出所。
詰めた荷物を入れた袋を切って取り出し、先の出場券を看守に渡せば、シャバに戻れる。(笑)
出る際、看守にここの最大収容数を尋ねたら、2500人程だと言う。
しかし、現在は2000人強で、じきに1000人台になるでしょうとのこと。
やはり服役する方が少ない世の中の方がいいですね。
でも、マックス2500だとすると、今日のこの見学者たちの方が圧倒的に多いだろうから、こんなに人がいるのは滅多に無いことだろう。
そして、小さな出所口の扉から出てまいりました。
出口扉
ああ、シャバの空気はやはり美味いぜ。(?!)

次回は、文化祭の模様パート2です。
続く。