知り合った頃、彼はちょっと酒癖が悪く、趣味の友人たちが集う酒宴で顰蹙を買い、怒った方の友人に何故か私が謝った記憶がある。
それに、正直、容姿も性格も優れてるとは思えなかった。
でも、きっと不器用なんだろうと思い、それは自分と同じなので、その後も普通に接してきた。
その彼から久しぶりに連絡が入ったかと思ったら、「結婚式」の案内と参加の可否を尋ねてきたのだった。
内心「どんな女が、彼と結婚するんだ?」と思ったりもした。
そして昨日2人の披露宴に出席。
道に迷って、受け付けも終わった、披露宴開始直前に滑り込んだ。
したがって、奥様の詳細や二人の経緯なども知らずに宴が始まる。
最初に、司会者の方が、幾つかの手話をその場で披露して覚えてくださいと言う。
え?新婦は耳が不自由な方なんだ、とそこで感づく。
いやぁ、彼はそんなハンディのある女性でも、普通に接してとてもラブラブで過ごしていたらしい。
なんか、頼りないイメージを新郎に持っていたが、それは間違いだった!
“男”だねぇ!
元々は職場に新婦が新人で入ってきたときに彼が業務などを教えたのが出会いだったが、その後、異動や職場変更もあり何年も顔を合わすこともなかったらしいが、昨年偶然に再会してからの交際だったという。
なので、そこそこの年の差結婚で、奥様はお若い。
結婚披露宴は必ず最後に感動で泣かす演出に持っていくのが、正直嫌だ。
昨日もその運びになるも、最後の挨拶で新郎が「嫁が若いのあと50年は元気でいないといけないので皆さん支えて下さい。」と言い、年配の参列者に名指しでお願いするという機転を利かして笑いに持っていった。
いい宴でした。
久々に、現実の世界で心から感動できた気がする。
本当に、本当に、末永く幸せになっていただきたいと心底願っています。


