映画「ジャージー・ボーイズ」試写記~プロデューサー、ボブ・クリュー氏死去 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

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不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

昨夜は、映画「ジャージー・ボーイズ」試写会へ参加。
クリント・イーストウッド監督作品の最新作である。
イーストウッドの監督作品にハズレなし!なので今回も期待。
イーストウッドの作品って、人情をハードボイルドな中で描くとでもいうのかな?
決して甘く優しいものではない厳しさや辛さや悲しさとともに絶妙なバランス感がいいんですよ。
そして続編は作らない。(最初の方の「ダーティー・ハリー」は別として)

今回は音楽もの。
「センチメンタル・アドベンチャー」でカントリー、「バード」ではジャズ、そしてこの「ジャージー・ボーイズ」ではアメリカン・ポップスの“フランキー・ヴァリ&フォーシーズンズ”を題材にしている。
ジャージー・ボーイズ
実は、作品としては英米ではすでにミュージカル舞台として成功しているらしい。

そして、イーストウッドが作った「ジャージー・ボーイズ」は…。
今までに彼の作品になかったテイストで、全体的にコミカルな印象だ。
爆笑するという感じではなく、クスっときたり、思わず吹いてしまったり、そんな感じの笑い。
セリフ自体や、セリフのテンポだったりが笑いを誘う。
また、フォーシーズンズのメンバーが物語りの進行役として狂言回し的というかナレーションやテロップで説明するような内容を、演技中、いきなりカメラ目線で観客に説明したりしている。
この辺りは、舞台がそうなのであろうか?

フォー・シーズンズ、フランキー・ヴァリは、日本では過小評価されている気がする。
確かに、健全なポップスという感じだし、フランキー・ヴァリは小柄なアイドル的なイメージだし、声も甲高い方だが、おそらく“ブルー・アイド・ソウル”の創始者的なポジションの人でもあるのではなかろうか?
(ま、実際はエルヴィス・プレスリーがブルー・アイド・ソウルの元祖になると思うが、エルヴィスは別格ですね、キングですから。)

そう言えば今年の頭にフランキー・ヴァリが初来日公演を行なったんですよねー。
ホントは昨年終りに来日する予定が、この映画製作の関係で延期来日になったもの。
ちょうど、昨年の終盤は、フランキー・ヴァリ、トニー・ベネット、クインシー・ジョーンズと大御所がこぞって来日して、どれか一つでも行きたかったが、金欠病で行けなかった…。

「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)」は日本でもファンが多い。
世代によって、この曲を誰で知ったかが分かれるほど、色んな方がカバーしていますが、オリジナルはフランキー・ヴァリ。
かくいう私も”ボーイズ・タウン・ギャング”のヴァージョンで知りましたが。
あと「シェリー」も、曲は知っていても誰の曲かは知らない方が多いんだろうなぁ。
ウォーカー・ブラザースの「太陽はもう輝かない(The Sun Ain't Gonna Shine Anymore)」もオリジナルはフォー・シーズンズ。
そして、彼らのヒット曲はほぼメンバーであるボブ・ゴーディオと彼らのプロデューサーのボブ・クリューの手によるもの!
時代的に、作家チームなど専門家が提供してきたのか思いきや違ってました。
映画の中でボブ・クリューをおネエキャラ前面に出して演技していた俳優さん(マイク・ドイル)が味がありました!(笑)

そしてこの映画を観た昨日2014年9月11日、ボブ・クリュー本人が他界されました。
フォー・シーズンズの他にも、アイク&ティナ・ターナーやピーボ・ブライソンなどソウル系アーティストのプロデュースも行なっていました。
心よりお悔やみ申し上げます。

さてさて映画「ジャージー・ボーイズ」は9月27日ロードショーです。
楽しく観れる内容ですので、お気楽に観てください。