バート・バカラックwith東京ニューシティ管弦楽団 東京公演 @NHKホール | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

一昨日、御年71歳のメイシオ・パーカーのライブへ行き、その若々しさに驚きましたが、続く昨夜は何と85歳のバート・バカラックの公演へ足を運びました。
B・バカラック

バート・バカラックと言えば、現代音楽家の中で頂点にいる作曲家と言えるほど、良質なポップミュージックを数々世に送り出してきたマエストロである。
なんて書いておきながら、「じゃ、バカラック作品をどんどん挙げて」と言われても、10曲やっと出るくらい。(苦笑)
「クロース・トゥ・ユー(遥かなる影)」、「アイル・ネヴァー・フォーリン・ラヴ・アゲイン(恋よさようなら)」、「レインドロップ・キープス・フォーリン・オン・マイ・ヘッド(雨にぬれても)」、「アイ・セイ・リトル・プレイヤー(小さな願い)」、「ザ・ルック・オブ・ラヴ(恋の面影)」、「ホワッツ・ニュー・プッシーキャット?(何かいいことないかな子猫チャン)」、「ウォーク・オン・バイ」、「アーサーズ・テーマ(ニューヨーク・シティ・セレナーデ)」、「ザッツ・ホワット・フレンズ・アー・フォー(愛のハーモニー)」、「アルフィー」…後は、カーペンターズ、ダスティ・スプリングフィールド、ディオンヌ・ワーウィック、映画「オースティン・パワーズ」(笑)が付随的に連想される感じだ。
それでも、彼の作り出す音楽と彼に対する敬意はやまない。
映画華やかなりし頃の映画音楽を多く手がけてきた人物でもあり、彼の作品は、上質で美旋律でお洒落でちょっと切ない…そんな感じだ。
ポップス作家なのだが、音楽がクラシックからジャズへそしてポップスやロックへ移行していく時代の流れに沿った“音楽の歴史”の上に出来たポップス作品を作られるていると感じます。
ともすると、ポップスやロックはクラシックやジャズのアンチから派生したり、クラシック、ジャズを知らなくても出来ることも魅力の一つとは思うのですが、バカラックは違います。
きちんと音楽の礎を理解した上で、大衆に届く音楽をずーっと作り出してこられた偉大な音楽家と思っております!

この日は、バート・バカラック(P、Vo、指揮)とバンド(Keyx2、Ds、B、Sax、Tp、Vil、Vo&Chox3)という編成に加えて、東京ニューシティ管弦楽団との演奏。
バカラック作品に相応しい、ゴージャス&エレガントな編成!
貧乏なので、¥8,400のA席(3月中の消費税5%の時の価格、ちなみに消費税8%のS席は13,000円くらいします)での鑑賞。
NHKホールの一番上のブロック。
ゴージャス&エレガントな時間を楽しもうと思いきや、どうも客年齢層が高い公演に多々ある困った現象で周囲に歯槽膿漏の人がいるようで口臭のひどい臭いがする。。。
でも、不幸中の幸いと言うのだろうか花粉症の私はマスクを持っていたのでマスクで鼻・口をカバーして助かった。(苦笑)
周囲を見回すと、A席と思われる3階の一番上のブロック(センター席の上から6列分くらい)はぎっしりだが、それ以外は3階はガラガラだった…。

そして開演時間の19時を10分強まわったところで公演開始!
バンド、オーケストラが着席しチューニングを始める。
それからしばらくして、バート・バカラック御大登場!!
やはり歩く姿はヨチヨチ、ヨタヨタという感じの足取り。
そして、挨拶の声ももうしわがれている。
でも、ピアノを弾く姿に老弱さは感じない。
ピアノの音も大きくないが、繊細で優しい音色だ。
まずは盟友故ハル・デヴィッドとの共作ナンバーをメドレーで演奏したと思う。
バカラックさんご本人は、ピアノを弾きながら時折右手を挙げて指揮を執る。
オーケストラとの息も合っている。
幾つかのブロックに分けて、メドレー形式の演奏という進行。
知らない曲も多々あったり、あ、この曲は聴いたことがある、というようなものまで、どの楽曲もやはり素晴らしいメロディーだと、つくづく再認識せざるを得ない素晴らしい時間でした。
終盤は、映画用に書き下ろした楽曲のメドレーで、もう馴染みの曲も多く、ここで「ザ・ルック・オブ・ラヴ」や「アルフィー」、等、御大自らヴォーカルも務め、まさにクライマックスだった!

アンコールは2回。
2ndアンコールでは、「みんなで歌わない?ラララで歌ってもいいから」と言ったMCで「レインドロップ・キープス・フォーリン・オン・マイ・ヘッド(雨にぬれても)」合唱(とまではいかなかったけど<苦笑>)し、温かい手拍子でハッピーな最後となりました。

ライブ終盤に披露したご本人が弾き語る映像です。
(こちらは数曲のメドレーですが)


なお、この東京ニューシティ管弦楽団との公演は、この後京都公演があり、バンド編成での公演は大阪とそしてビルボード・ライブでもあります。
(ビルボードは一番安価でも2万2千円というクソ高けぇ価格ですが)
ツアー詳細はこちらでどうぞ。