映画『黒部の太陽』を観て | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

先日テレビ放送になった映画『黒部の太陽』ノーカット版を観た。
4時間近い長尺の超大作。
黒部の太陽
東宝から独立した三船敏郎と日活から独立した石原裕次郎が、それぞれプロダクション代表としてスター俳優としてタッグを組んだ、それだけで当時は話題作だったろう。
しかしその裏側では、映画会社の協定ルールなどもあり、出演者が見つからないとか、配給が決まらないとか、資金面の問題とか、結構大変だったようだ。

内容は黒部ダム建設に伴うトンネル工事の厳しさと闘う人々のドラマを描いたもの。
後に、石原裕次郎とドラマ共演でお馴染みになる下川辰平(「太陽にほえろ!」)、寺尾聰(「西部警察)」、玉川伊佐男(「大都会」)らが早くも共演。
まだ若い寺尾聰のセリフが結構棒読みだったり(笑)しながらも、名優の父・宇野重吉と親子役で共演するあたりも意外なみどころかも。

映画は1968年公開だが、実際の黒部ダムは1956年から着工がはじまっている。
そのことを考えると、この巨大ダムを掘った人々―昔の人々の根性と忍耐に頭が下がる思いだ。
と同時に、作品終盤に登場する自然破壊な映像を見ると、人間は自分たちの生活をよくするために、この地球上の動植物の生命や環境を奪って生きていると実感せずにいられなくもある。

今、また原発の存続について、揺れ動く我々だが、環境破壊をせず、かつての人々のようにもう少し身体を張って生きることもまた必要なのではないだろうか?
そんなことを観終えて、つい考えてしまった。