これまで、芝居というジャンルだと、劇団新感線(これはミュージカルになるかも?)、たいらじょう(こちらは人形劇芝居…人形劇とは違う…という特異な分野になるだろう)、そして歌舞伎や新国劇くらい程度しか見ていない。
で、今日は、代官山シアターという劇団ひまわり所有劇場で、「さよならは言わない」という芝居の千秋楽公演へ。
これは俳優の赤塚真人さん主宰の「劇団 裏長屋マンションズ」の演劇。
赤塚真人(“まこと”といいます)と聞いて、あの人!とすぐ浮かぶ人はどのくらいいるだろう?
でも、ご本人の顔や演技を見れば「はい!はい!」という人も多いだろう。
今回の公演チラシを見てください。

判ります?ちょっと年相応に恰幅も良くなってらっしゃるのですが。
昔の学園青春ドラマの生徒役を筆頭に、『雑居時代』、『おもちゃ屋ケンちゃん』、等々で存在感のある脇役を演じられていたが、私が最も記憶にあるのが『闘え!ドラゴン』というブルース・リー・ブーム時に和製ドラゴンとして知られるようになった倉田保昭主演ドラマでもちろんカンフーもの。
このドラマの準主役でおっちょこちょいながら、時にファインプレーをも起こす倉田扮する主役ドラゴンの弟子で武蔵小次郎役!
数年前にGyaoという動画配信サイトで全話再放送していたのを見たが、番組が後半に進んだあたりでは3枚目ながらかなり凄いアクションや格闘シーンをしていたのを見てビックリした記憶がある。

上記画像の右端が赤塚氏。
この方、やはり3枚目で脇役というのが多いかな。
あと『いごこち満点』というホームドラマに出てたっけ。(山城新伍、西田敏行、由利徹、等々の日本のコメディー俳優たちが揃って出ていた実はすんごいドラマ)
そして本公演には客演でこれまたかつてのドラマに花を添えて彩った名脇女優さんがお二人出演。
一人は、水沢有美さん。
やはり、学園青春ドラマに生徒~教師役でよく見る女優さんだが、やはり代表作は『俺たちの旅』でいろは食堂とたちばな荘を経営する娘の奈美ちゃん役だろう。

実はうちの近くでランニングコース上に存在していた「たちばな荘」のことを以前記したが、本ブログにはそこや『俺たちの旅』の再放送のことを記したページへいらっしゃる方が半数くらいかも知れません。
そんなこともあって『俺たちの旅』関連のサイトを私が色々見ている中で、この水沢有美さんのブログを見つけて見ていたら、この劇のことを知った次第。
実は、終演後に出演者の方々全員がロビーでお客さんをお見送りするというすごいフィナーレがあって、ま、本当は出演者のお知り合いの方々がいらっしゃってるが楽屋で対応が難しいなどで行なったのだろうが、図々しくも水沢さんのブログで知って伺いましたと伝えたら、私のような者にもとても感じよくご対応いただき、つい調子に乗って近所に「いろは食堂/たちばな荘」があるとか昔のドラマの話などもしてしまい貴重なお時間を費やさせてしまった。。。
水沢有美さん、すみません!そしてありがとうございました!!
水沢有美さんのブログはこちらでご確認下さい。
もうお一人が、青木英美さん。
やはり青春ドラマが多かったと思いますが、『飛び出せ!青春』~『われら青春!』で女子生徒 森下真紀役でお茶の間のアイドルとなり、映画「007」シリーズでボンドガールにもなったような…、でも個人的にはやはり『太陽にほえろ!』の初代お茶組み嬢の久美ちゃん役が一番印象深く記憶にあります。

少し前のスレッドで、テレビ埼玉で現在再放送中の『太陽にほえろ!』に関することを記しました。
そこでまだ久美ちゃん役でレギュラー出演する前にゲスト出演していたとか、ぼんやりとした記憶ながら私の小学校の同級生に青木さんのいとこだと噂だった子がいたとか書いたのですが、こちらも終演後に青木さんにお声掛けして訊いたところ、『太陽にほえろ!』のことも覚えていて「テスト出演だったのよね」とのこと。
そして、噂だった同級生はやはり青木さんのご親戚だったらしい。
そして、私が行っていた小学校を青木さんもご卒業だったと聞きビックリ!!!!
私の先輩に当たる方でした…。
青木さん、いや青木先輩(笑)!ご多忙のところに話かけ失礼しました。
そしてありがとうございました!
肝心の公演ですが、ストーリーは、とある病院が舞台。
赤塚氏は人間をあの世へ送るための中継役を務めつつ試されてもいる天使のような存在で“導きの使者”と言うことになっている。
でも見た目は、自身が死んだ時の建築作業員の制服のまま。
おまけに頭には黄色いタオルまで巻いている。
同じ立場で一緒にいる若者と2人ペアで、この病院で死に行く人をあの世へ送る仕事をしている。
とは言うものの、彼ら自体まだあの世にも行けずに現世にとどまったままの、いわば浮遊霊のような立場でもある。
そこへ、彼らの上司(?)的存在の者から、その仕事の最後の課題を終了すれば二つの選択肢=成仏するかor人間界に生まれ変わるか、が与えられると言われる。
しかし、「最後の課題」が果たしてどんなものかは2人には判らない。
そして病院内での登場人物も、医師、看護師、インターン、患者、患者の家族、等々、様々な立場やドラマを持つ人ばかり。
当然、幾つもの事件が起こり、それらが伏線となってストーリーは展開していく。
そして、そこに2人の導きの使者が生前に関わった家族などが、そのまま或いは生まれ変わった状態で2人の前に現れることで、2人には見えなかったもの、判らなかったものが、判り出すことによって、病院に関わる人々以上により大きなドラマが生まれる…。
そんなところだろうか。
私の稚文ではそもそも伝わらないだろうが、実際複雑なんです。(苦笑)
「死」というものをテーマにしながらも、細かい笑いを随所に盛り込んだり、時に哲学的な思考で捉えた方が良いのかな?と思うシーンなどもあり、単調に進む内容ではなく見応えがある。
でも話の展開のテンポはスピーディーなので疲れることはない。
ちなみに青木英美さんは、途中で入院してくる患者の奥さんで、優秀だった元医師役。
ただ夫が浮気をしたようで、夫に対する愛情は冷ややかなもの。
最初舞台に登場した時は、細くてハイヒールも履いていたのでスラッとした外人の痩身モデルさんのようでビックリ。
頭の中で、七曲署の久美ちゃんまではたどり着くも、太陽学園の森下真紀にはすぐにたどりつけなかった。(年を取ってということではなく、あまりに細くお美しかったのです。)
そして、水沢有美さんは後半で赤塚氏扮する使者の現世で奥さんだったという人。
話の設定上、老婆役で出てきたこともあって最初はやっぱりビックリ。
終演後ご本人にもお話したのですが、彼女のイメージと言うか多い役柄は元気の良い、バシッと物事を言えるような役柄が多かったので、老いて、そして涙を流す演技を間近で見れて、やはり女優さんの涙を間近で確認すると、こちらもそれだけグッと来ましたね。
それと、このベテラン3名の声の出方ってやはり違うものだとも思いました。
他の方は、やはりお芝居の発声、お芝居の喋り方なのですが、赤塚さん、水沢さん、青木さんの喋り方は、普通なんだけど声がしっかり通っている、そんな感じ。
特に赤塚さんはそれが凄かった!
普通であり、演技であり、でも「お芝居」感が無いとでも言うのでしょうか…、自然な感じがしました。
かつて、自分がガキだった頃に、見ていた数々のドラマを彩った俳優さん3名。
ブラウン管の中では、主役では無いが彼らがいなければ主役も映えなかっただろし、時に主役の演技よりも強烈に記憶に残り続けるシーンを演じてきたのも、やはりその実力あってこそだったんだなと本日の舞台を見て改めて感じました。
これからも多くのご活躍を願っております!
追記)
2017年、久々に同劇団の公演に行ってきました。