映画『人生の特等席』試写記 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

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不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

昨日、映画『人生の特等席』の試写へ行った。
クリント・イーストウッドの最新作。
イーストウッド作品はまず外れが無い。
もちろん全てを観ているわけではないが、特に自身が監督を務めた作品は良いものが多い。
新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。-人生の特等席


本作は、
プロ野球のスカウトを長らく努めているイーストウッド扮するガスが高齢のため、球団スタッフの中に彼を追い出そうとする者がいたり、自身、目を患いだし視界が狭まっている状況。
しかし、昔気質で頑固者のガスは窮地に立たされながらも自信とプライドにかけて、まだスカウトの仕事を出来ると、球団の仲間、医師、娘に反発して仕事に没頭する。

その娘のミッキーは、ガスにとってたった一人の家族。
彼女は有能な弁護士で、大手の事務所に所属し、今かかえている重要案件を成功させたら、会社の経営側に出世できるチャンスを得ていた。
彼女が幼い頃に母親を亡くし、父と一緒に全米中の学生野球選手の発掘のため2人きりでアメリカを旅した過去があり、彼女自身野球に詳しく、選手を見る目も養われていた。
しかし、ある時にガスは娘をよく知らない親戚に預け、その後も寄宿学校に進ませ、その間にろくに連絡もせず、少女だったミッキーの心の中には父が自分を嫌っているという思いが根付いていた。

そんな現在のガスは契約期間をあと3ヶ月残すだけとなり、最後のスカウトの旅に出る。
健康の事もあり、心配する球団内で唯一ガスの見方の直属上司のピート(ジョン・グッドマン)が、エイミーに傍にいるように促す。
エイミーは、父の旅先へと向かう。
やはり旅先でも反発あり協力ありで、2人はこのシーズン最も目玉とされている高校生選手の実力を探っていく。
そして、父娘のアナログな選手のチェックの結果を、球団はどう受け止めるのか?
また、父娘の絆はどう変化するのか?
試されているそれぞれのキャリアはどうなるのか?
といったストーリー展開。
ちなみに、イーストウッドとともにその存在感を示すミッキー役はエイミー・アダムスで、以前このブログでも紹介した『ザ・ファイター』が代表作のひとつ。


感想は、イーストウッドの作品としては、「そんな世の中、上手く行かないだろ~」という感はあるものの、良いか悪いかと言うと間違いなく良い作品だと言える。
映画を観るまで、こちらの勝手な先入観だったのだが、
・泣ける感動作
・クリント・イーストウッド監督作品
だと思っていた。
しかし、ハートウォーミングで泣くと言うより随所にクスッとしてしまうセリフも多く、ある意味で観た後にスカッとする感じであった。
監督は、チラシの宣伝文句では「イーストウッドが生涯ただひとりの弟子と認めた」とあるロバート・ロレンツなる人物で『ブラッドワーク』以降イーストウッド作品を共に世に送り出した人だ。
途中、映る物や、行動が、後の伏線になっていることも多い。
(個人的に好きなんですよね、この伏線が上手く張られているのって。)

やはり、イーストウッド作品は楽しめます。
人生の特等席』11月23日より全国ロードショーです。