善と悪 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

少し前に、クリント・イーストウッド 監督作品をテレビで特集していて、「許されざる者 」と「パーフェクト・ワールド 」を放送したので録画したのだが、計画停電などもあり暫くそのままだったところをようやく見た。

この2作品に共通しているのは、主人公が犯罪者なのだが、その犯罪者という人間の中にある善の部分が主役となっている。

そしてその主人公が犯罪を犯しているシーンは無く、登場人物らの会話で、主人公は悪人であったという情報が見る側に伝わる。

なので、作品を観てる側は主人公(=犯罪者)に悪意を持つことなく見入ってしまう。

そして、その対極にいる、保安官や警察・FBIなどの正義を守る側に潜む悪意を映し出すので、主人公(ホントは犯罪者)と追っ手(社会的には正義の仕事)の善悪が逆に映って見えるのだ。

イーストウッド作品は、こういった視点を変えるとことで価値観が変わって見えたり、それぞれの立場の違いによって見え方が変わる、といった作風も多く好きです。

それは、とりわけ「父親たちの星条旗 」と「硫黄島からの手紙 」の同じテーマを立場の違うそれぞれの立場から描いた作品が解り易い例だろう。


震災地でも、被災者がとりあえずの集合避難所から病人、高齢者、乳幼児の方及び家族に旅館などのより安心できる施設へ移動できるようにしたところ、残らなければならない側から「我々を見捨てて、自分たちだけ良い場所へ移る気か?」という声が上がったという。

これもやはり善と悪が立ち場が変わることで視点が変わるということだろう。

移る人、残される人、移りたくても残る人との関係悪化を恐れ移れずにいる人、それぞれの立場を思うとどれも辛いと思う。

この辛さの震災が作り出す傷のひとつ…。

そういえば、クリント・イーストウッド監督の最新作「ヒア・アフター」という映画の日本公開が見送られたとの事。

映画の内容が津波被災から始まるストーリーらしい。


映画続きで、これもまた「善」と「悪」考えるビデオがYOU TUBEに上がっている。

映画「ヒトラー最期の12日間」に勝手に字幕テロップを入れたもの。

タイトルは「買い占めするならカネ送れ.mp4」。

歴史的悪のヒトラーが正しいことを言う内容。

誰もが、言ってる内容に「そうだ!」と頷くし、つい笑ってしうだろうし、自分も何か出来ることを改めてやろうという気になるはずだ。

このビデオ、著作権問題もあるだろし(なのですぐ消えるでしょう)、震災の問題にヒトラーを使うこと自体、よろしいのか?そんな考えも過ぎるが、見て欲しいと思います。

そんな思いもまた私自身の中の「善」と「悪」があるからなのでしょう…。